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519.世界樹の根を齧ってる奴を探しに

 「しかし、世界樹様の根を我等の代で使わせていただくなどあっていいことなのか?」


 「それは何度も話し合いましたが、邪神の尖兵が現れては已む無しと言うもの」


 「でも、それはまだ確定では無いのでしょう?東の者の様子がおかしいと言うだけで」


 「そもそもあの者が嘘をついているという可能性は?」


 「それはスキルで確認しましたが、相当の<隠蔽>の使い手ででもなければ無理と言う結論に達しました」


 「じゃあ、逆にあの子が騙されていたり、それこそ精神操作?を受けている可能性は?」


 「それについては、精神操作に詳しい者がいる訳でも無いので分かりませんが、だとしたら逆に目的は?」


 「世界樹様の弱体化とか・・・」


 「でも、世界樹様が許可を出してくれるのは根の先の方だけって話ですし、それで弱体化するとも思えないのですが?」


 うーん、ベテラン勢は慎重だから話が長いな~。


 若い連中がそろそろ痺れを切らしそうだし、我慢した分ストレスで強い口調になっちゃったりして、喧嘩になっちゃまとまる物もまとまらないだろうし、


 ここは一つ自分が骨を折りますか。


 別に本当に圧し折ろうとかそう言うことじゃないけどさ!


 「まあ、皆さんよく考えてくださいよ。今世界樹様は困ってるんです!」


 「どういう事です?」


 「根を齧られてるからですよ。やはり世界樹様と共にある原初のヒトであるエルフとしては世界樹様を助けたいのでは?」


 「それは世界樹様の為になる事ならば出来うる限り協力したいが・・・」


 「じゃあ、その齧ってる魔物倒しちゃいましょう。それでもし世界樹様がお礼にいくばくかの根を持って行っても良いと言うなら受け取ったらいいじゃないですか。世界樹様を救った報酬ですよ」

 

 「ま、まあ救ったなどと大きな事を言う気は無いが、正当な報酬だというならそれもありか」


 うん、もう一押し。


 「それに、今回の件が邪神の尖兵の仕業じゃないにしても、備えておくに越した事は無いと思いますね。自分がこの地に来れたんだから、いずれ邪神の尖兵どころか邪神の化身だって現れるでしょう。今のうちから少しづつ備蓄しておいてもいいんじゃないですか?」


 「おっしゃる事は分かりますが、備蓄とは?」


 「西では宝樹様の根を計画的に少量づつ備蓄して、いざという時に備えてます。だからこそ邪神の化身とも戦えました」


 「宝樹様とは世界樹様の子供だったな。根を採ってしまって大丈夫なのか?」


 「勿論宝樹様達に相談の上、問題ない範囲ですよ」


 「ふ~む、いざと言う時のための備蓄か・・・」


 大人達が長考に入ったところで、スナイパーエルフが、


 「兎にも角にもまず世界樹様を救わねば!船で南へ向かおう!いざ!!」


 「いや!お前は待ちなさい!多分相手は水中にいる筈です。隊長に男衆を連れて様子を探ってきてもらうというのはどうですか?」


 まあ、そうなるよね。落としどころかな。


 「了解。世界樹様の感覚で少し南ってどれくらいか分からないけど、探ってみますわ」


 そして、小船の編隊を組んで南に滑るように漕ぎ出す。


 【訓練】よりはよっぽどマシなのか、皆元気!


 問題は根の少ない広いゾーンを探るって事は、自ずとレギオンと衝突の危険性があるって事。


 ユニオンなら最悪自分が時間稼ぎって選択肢もあるけど、今の小船編隊でレギオンを相手に出来るかと聞かれれば、まず無理。


 そして水上要塞からそう遠くない、広いゾーン。


 一応自分が責任者だし皆に待機してもらって、自ら探索に向かう。


気脈術 陰気


 念のため隠れながら進み、メガマウスの様な魔物を見つけるが回遊してるだけで、根を齧っているようには見えないので、水面に上がり、次のポイントへ。


 ふと、木が一本だけ水面から伸びている不思議な光景に出会う。


 近づいてみれば、水面からそう高くない位置に枝が広がって登れる様になってる?


 なんだろう・・・秘密基地感漂う微妙な木の枝の隙間、そして火を使った跡。


 「セーフゾーンに何かあるんですか?」


 「え?せーふぞーん?」


 「知らないんですか?魔物が近寄らない休憩できるポイントですけど」


 「いや知ってるけど、天上にもあったんだ」


 「ありますけど?」


 知らなかった。ちゃんと天上の海の上にもセーフゾーンがあったんだ。


 でも木の上で火を使った跡があるって何か剣呑じゃない?


 一応土で出来た窯みたいなのがあるけど、それでも木が燃えないとは・・・水に浸かってるから水を含んでる量が多いとかそう言うことなのかな?分からん。まあいいや。


 天上にもセーフゾーンはある!火も使えるからご飯も作れる!何の問題も無い!


 そして、次はセーフゾーンを中心に周囲を探索。くれぐれも無理をしないように伝え、


 皆もぐって行くがどこもハズレ。根を齧ってる魔物はいないらしい。


 次のセーフゾーンにも心当たりがあるらしいので、そこまで安全なルートを辿り、


 自分がご飯を作っている間に皆に探索に出てもらう。


 やっぱり水に長時間浸かって体が冷えてるだろうし、鍋にしようか。


 味噌はあった筈だから、魚の切り身と貝類と適当に野菜を突っ込んで煮るだけ!


 何か雑な飯ばっかり作ってる気がするけど、主食になる物が無くてな~。


 ちょっとこれが食いたいってのが無い。


 でも味噌海鮮鍋って良くない?


 鱈とホタテ?と牡蠣?で鍋だ!あと葉野菜があればな~。


 天上は木になる野菜が中心だからな~。

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― 新着の感想 ―
[一言] エルフの、クエストはのんびり(笑) イライラする運営が見えるよう(笑)
[一言] >【訓練】よりはよっぽどマシ わかってるじゃないか…
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