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515.ほら厄介事

 さて今日もダンジョン攻略に勤しみますかね~と甲板でゲーム内の日差しを浴びて伸びをしていると、


 「起きたようだな。早速で悪いが来てもらおう」


 と、いきなりエリーゼ様が話しかけてくる。


 「随分根詰めた感じですけど、今日の【訓練】はそんなにヤバインデスカ?」


 「そう言うことじゃない司令部で話を聞いて貰いたい」


 そう言って踵を返すのですぐについて行く。


 どういう事かね?自分は何もしてないと思うのだが、何で呼び出されたんだろう?


 色々考えながら司令部に着くと、見慣れたメンツが集まっている。


 「お越しになりましたね。急な呼び出しで申し訳ないのですが、外の世界を知っている方の意見を伺いたくて足を運んでいただきました」


 「そういう事ですか、別に構わないですけど」


 「この前保護した東の者の話によると、東の者が一人で漁をし住処に戻ると仲間の様子がおかしかったので逃げてきたと言うのは聞いてると思う」


 「出かけてたのは知らないかったですけど、概ねそう聞いてますね」


 「うむ、その様子と言うのがあからさまにおかしくてな。誰に話しかけても反応が無く。強引に自分の方を向かせようとしたら、襲い掛かられたという」


 「う~ん、おかしいのは間違いないですけど、その情報から何を読み取れと?」


 「それは全くその通りなんだがな。しかし東の者達とは現状友好的な関係にある。それがおかしな事になっていると言うのは我々にもデメリットが多いので、もう少し詳しく話を聞いてみようと思ってな。それで同席願いたいのだ。気になる事は聞いてもらって構わない」


 「了解」


 そして、この前の刺青のお姉さんが連れてこられた。ご飯食べて元気になったようで良かった。


 「あの、この前話した通り、様子がおかしかったから逃げてきただけなので」


 「うむ、だが住処から逃げ出すほどと言うのは少々不穏だろ」


 「はい、でもなんか危険を感じたんです。それで世界樹様の方角なら絶対間違いないし、距離的にもギリギリいけると思ったので」


 「その割りに限界と言う感じだったでは無いか」


 「途中大きな魔物に襲われて、船が難破してしてしまい木片にしがみついて何とか泳いできたので」


 「ふむ、それで?様子がおかしいと言うのはもう少し具体的にどういう状態だったのだ?」


 「帰って門番さんに話し掛けても何の反応も無くて、居眠りしてるのかな?って、奥に向かっても皆ただその場に佇んで何の反応もしてくれないし、それで知ってる子の肩を持って揺さぶったら・・・」


 「襲い掛かられたと」


 「はい、何か正気を失ってるみたいで、しかもその子に反応して皆一斉に襲い掛かってきたから、怖くて逃げました」


 「その襲い掛かられたと言うのは武器で攻撃されそうになったとか?」


 「いえ、ただ攻撃意思を持って掴みかかってくるだけで、具体的にどうこうじゃないんですけど」


 「なんか精神操作っぽいね」


 「どういう事だ?」


 「いや、意思を乗っ取られてる状態みたいだねって」


 「そんな事あるのか?」


 「まあ、稀にね」


 まあ、第12機関長の時は本人の思考を捻じ曲げられてた感じだったし、もっと高度な感じだったから、


 邪神の化身よりは格下かな。格下ならいいな。


 「それで他には何か無いか?別にどんな些細な事でもいいんだ」

 

 「え・・・なんだろう・・・。ちょっと思っただけですけど、何か臭かったかな?」


 「その門番って言うのは結構いい年なのか?」


 「いい年ですけど、そういう臭さじゃなくて何か生臭いのとも違うんですけど発酵してるような。それでいて生理的嫌悪感を感じるような・・・」


 「分かった!皆変な物食べてお腹が痛かったんだ!」


 「貴女は黙ってなさい」


 スナイパーエルフの説は一瞬で却下された。


 「瘴気かな?」


 「瘴気?」


 「邪神の化身が現れると共に発生したといわれる魔素の事ですね。魔物の核である魔石に多く含まれている筈です」


 「魔石ってそんなに臭かったっけ?」


 「大量にこもるとそういう臭いになるんだよ。邪神の尖兵なんかを倒すと凄くよく分かる」


 「流石、邪神の化身を倒した方ですね同席してもらって良かったです。我らは習慣的に魔石は世界樹様に納め、浄化してもらっていますが、東の方達はどうされていらっしゃるのです?」


 「えっと、地上の者がなんか素材に使うので売ってます」


 「ふむ・・・」


 「実は皆には内緒にしておくように言われたのですが、私達にも英雄が現れました」


 「な!100人を率いる者が現れたというのか!」


 「はい、長年の交流で少しづつヒトを率いる力を研究していたのですが、遂に一人現れまして、その成果を見せようと今までは倒せなかった大型の魔物をそこら中で狩って回っていました」


 「んで、レギオン級の魔石を一箇所に大量に集めてた?」


 「はい、普段から売り物にするので一箇所に大量にまとめてました」


 「その魔素で何か変質したか、下手したら邪神の尖兵が発生したかもね」


 「対応策はありますか?」


 「宝剣は国に返却しちゃったからな~。世界樹様に相談かな?分かると思うけど下手したら世界樹の根が必要な案件だよ」


 「それは・・・」


 実際の所は分からないけど、今聞いた情報だと久しぶりに邪神の尖兵戦かこりゃ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 世界樹、話せるんだから、よ~く『おはなし』して、根っこなり、枝なり葉っぱなり貰って叩くしか無いね~
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