表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
514/613

514.またギャング

 「東の者って言うと刺青の綺麗なヒト達だろ?<紋昌術>も元々向こうの術とエルフの石から精霊の力を引き出す技術がくっついて出来たものらしいからな」


 「へ~、確かに刺青だらけだったね。なんか貿易とかしてるんだったっけ?」


 「そうそう俺も話した事あるが、なんでも空高くの事を天て呼んでて、そこに神様が住んでるから少しでも近づきたいとかそんな感じの教えに従って生きてるヒト達だったな」


 「ああだからこんな雲の上に住んでるのか」


 「みたいだぜ。昔は雲より高い塔を作ってそこに住んだらしいが、世界樹様のおかげで海が出来てからは魚みたいななんかでかい生き物の中に住んでるんだ」


 「生き物の中に住んでるんだ!って、消化されちゃいそうだけど」


 「でも住んでるんだ!興味があるならお前も話を聞いて来ればよかったのに」


 「それはそうなんだけどね。あれもこれも手をつけて中途半端で失敗したばかりだから、一個づつやっていこうと思ってさ」


 「ふ~ん・・・」


 若いエルフと再びダンジョン攻略に向かう小船で、ちょっと東のヒトの話を聞いた。


 興味はあるが、面倒ごとっぽいし、地下で暴走に間に合わなかった事を悔いている今。出来そうな事から順に進める事にする。


 本来一個づつやってるうちに終わっちゃうってのが自分のスタイルだしさ。


 いや~でもあの刺青とか気になるな~。


 そんなこんなダンジョンに辿り着き前回の続き。


 普通の魔物ゾーンは邪魔な魚だけ狩って、切り身を頂戴する。


 そして、未踏ゾーンの探索を開始。

 

 とは言ってもここも基本的にただの迷路。魔物は普通水棲生物。


 強いて言うならイカとか蛸とかが増えたかな。そんな大きなものでないし狩って、炙って食ってやろうと思う。


 イカは一夜干しもいいな~。誰かに頼めないかな~。


 蛸も干せば甘みが出て、いい酒のつまみになるんだよな。


 勿論生の刺身も食べたいがお腹壊したくないから、湯通しはしたいもんだ。


 でもイカそうめん!イカそうめん食いたい!


 あ~口の中がイカそうめんになってきたー!


 イカ焼きとたこ焼きも食いたいな~たこ焼きは大事な粉が無いから無理か、いずれ作ろう。

 

 そんなこんな、また行き止まりの部屋。


 サイズ感は前回のウツボと同じ、つまりボス部屋って事。


 慎重に進めば、上から細長い影。


 またウツボかい!と思ったら、


 細長い体に長ーく切れ上がった口に凶悪な牙が並んでる。


 やっぱりウツボかい!・・・いやウツボにしては細いな?蛇みたい。


 あれ?うなぎ?


 いや分かった!鱧だ!多分。


 随分凶悪な顔してるな~この魚。


 ぬるーっと大部屋を泳ぎ回る所に若いエルフの銛が突き刺さる。


 すると、血が水に溶け広がり嫌な色に変わっていく、


気脈術 冷気


 何となく血の色が消えない事が気になって自分の耐性を高めたところで、若いエルフが苦しみだす。


 とにかく部屋から引っ張り出して、そのまま引っ張ってダンジョンから脱出、


 若いエルフを船に乗せ<手当て>してやると毒状態だった。


 つまり鱧の血には毒が含まれている。それを対応してからじゃないと、倒せないと言うことか。


 何気に若いエルフが<陽精術>を使ってダメージ中和していてくれなかったら、危ない所だった。


 若いエルフを置いて、鱧は単独でやる事にする。


 再び泳いで例の部屋に戻れば、何事も無かったかのように再び鱧が上から現れる。


 ますは速攻の<青蓮地獄>からの、


気脈術 冷気


 これで、ほぼ毒はくらわないだろう。


 悠然と長い体をくねらせて泳いでいたが、一気に間合いを詰めて噛み付いてきた。


 すぐに足ヒレを使い避け、そのまま胴体を擦り斬って行く。


 さっきと同じように水の色が変わって行くが気にしない。


 それにしても手応えが中々・・・、そう言えば鱧って小骨が多いのか?


 まぁ、いいか。ばっきばきにしたる。


 「根住」


 『うん、いいよ』


 本当に根住の手足や尻尾があるだけで、掴める手足が増えるんだから、チート級の強さだと思ってるの自分だけかな?


 しかも普通ならぬめって掴めない筈の鱧ですら、くっついちゃうとか!


 超有能!最強相棒!


 するっと避けて、ぺたっとくっつき、グサグサ刺しちゃう。


 水の色がいくら変わろうがお構いなし!


 もう耐性で毒くらわないし、色つきの水で隠れようが<索眼>で見えてるもん。


 鱧、はも、ハモ、は~~も~!

 

 熱を通せば美味しい、はもさ~ん!


 と、斬りつけ刺しまくってる内に動かなくなって、お腹を上に向けふわふわ漂ってるので<採集>する。


 美味しそうな食材!ゲットだぜ!


 部屋にはまた大きな貝が一つ。中には予想通り透明な石で出来た地図。


 地図を頼りに小船に戻り、そのまま水上要塞に引き上げた。


 毒をくらって今回は活躍できなかった若いエルフと鱧を食う事にする。


 自分で調理するには難易度が高い食材だが、天上エルフは海で過ごしてるだけあって料理できるヒトがいたのでお任せ!


 自分はタコを使って、唐揚に!


 そして、蛸のオリーブオイル炒めを作ってるヒトがいたので、それも買い。


 イカ刺し誰か作れないかな~と思ったら、若いエルフは刺し身が得意らしいのでお任せ!


 なんか、豪華な食事に舌鼓を打ち、今日も満足して寝る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 地階より、上階の方が、やっぱり、裕福……………
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ