504.サバゲー?
「あらあら、仲のよろしい事ね」
ここの所ログインの度に射撃【訓練】も習慣にしてたら、スナイパーエルフの同期の姫毛カールに絡まれた。
「何の用だ!今、私はこいつを一人前の戦闘員にして、この水上要塞の守備に・・・」
「貴女よりずっと多くのヒトを率いれる者を一人前にするなどと・・・あっ!あなたは一人も率いれなかったですわね。自分より格上に指導する事で、なけなしのプライドを保っているのかしら?」
「ムキー!なんだと!やろうってなら、いつでも受けて立つぞ!オラァ!」
「あら野蛮ね!私の小隊と勝負する?」
「ぐぬぬ・・・他人の足元見やがって~・・・、お前も何とか言えよ!」
「自分は大人数率いるから逆に小隊戦はそこまで得意じゃないかな」
「あら、流石ね。能力が高いヒト程出来る事出来ない事をちゃんとわきまえているものだわ!すぐにイキリ立って、喧嘩を売るような下品な真似はしないわね」
「なんだよ!お前だって自分より遥か格上にびびってんだろ~!や~い1000:5!二百分の一!」
どんな喧嘩だよ。っていうか同期の喧嘩に自分を巻き込まないでくれ。
あ~ヤバイ、姫毛カールのおでこに青筋立ってる。
「まあ、そんな喧嘩しなくてもいいんじゃない?同期でしょ?寧ろ力を合わせる事が古の【巫士】様の意に適うんじゃない?」
「ま、まあそれはそうだけど・・・」
「そうね、上を目指すなら、色んな個性を受け入れる器も必要ですわね」
うん、丸く収まりそうだ。
「おっ!二人とも何やってるんだ?喧嘩か?喧嘩だろ?よっしゃ私も参加してやろうじゃないか!」
「何をおっしゃってるのかしら?今その様な事は古の【巫士】様の意思に背く事だと話がまとまった所ですわよ?」
「そうだぞ?例え鼻に付く相手でも、ちゃんと力を認め合おうとそういう流れだぞ?」
「あら?鼻に付くとはどういう事かしら?寧ろ格下であっても同期として扱ってあげようというのに」
なんか銀髪ショートが現れて引っ掻き回し始めたぞ・・・。
「そうは言ってもお互い反りは合わないんだから、どっちが下風に付くか白黒つけないとよ・・・」
「そうね、乱射馬鹿にしては良い事言うわね。私もそろそろどっちが上なのかはっきりさせたかった所ですわ」
「何人率いようが【巫士】様の護衛は誰なのだ?誰が一番【巫士】様から信用を得ていると思う?」
「そんなの偶々それぞれ適正の問題じゃん。下も上も無いんだからさ。程々にして、仕事に戻った方がいいんじゃないかな・・・」
「ほ~1000人も率いれると余裕があって、綺麗事にもよく口が回るんだな」
「そうね、さっきは器が大きいのかとも思ったのですが、今はただ事なかれ主義の中間管理職にしか見えませんわ」
「はは!ここまで挑発されて、何にも無いとかそんなつまらない事言うなよ?」
なんなの?結局気が合ってんじゃんこの同期三人組。
「じゃあ、自分にどうしろっての?」
「それは、もう実力を見せていただくしか・・・」
「そこの銀髪ショートとエリーゼ様は倒したんだけど?どうする?二人もやればいい?」
なんか皆黙っちゃった。多分個人戦では銀髪ショートはそれなりなんだろう。さらにガトリングのエリーゼ様もやってるからな。面倒事回避!
「でも、私は遠距離専門だし、負けたわけじゃ・・・」
「じゃあ、調理場で料理対決でもする?」
「無理ね。私も貴方の料理食べたけど、はじめて味わうのにまるで幼い頃から食べなれたような安心感を感じたもの」
女子力勝負でも自分の勝ち、もういいだろ?
「やっぱり、ヒトを率いる実力を見ないと・・・」
「そうね、私もそう思っていたところだわ。小隊指揮は苦手と言われても、経験はあるのでしょうから是非この目で貴方の指揮を見たいわね」
「別にいいけど、今散弾銃しか持ってないんだけど?」
「じゃあ、通常兵装を貸し出そう。寧ろ装備込みで単独でやられても納得いかん!」
「確かにそうね!多対一で敵を薙ぎ払う超火力のエリーゼ様を一蹴したんですもの、個の能力は十分認めてますわ」
「分かったよ。それでどうやってやるのさ」
「多人数戦専用のフィールドがあるからついて来い!」
いや、ついて行くけど囚人じゃないんだから、そんな勢いで言わなくても。
連れて行かれた船の甲板の上には何か大きさがまちまちの障害物。
箱が多いが、物見台のような物も存在してる。何なら意味の分からないオブジェまである。
「ここで、お互いスタート地点に設置した標的を破壊し合うんだ」
「当然敵に遭ったら、倒しても良いと」
「そりゃそうだな!倒されたら待機ゾーンに強制的に飛ばされるからな」
「それで?自分は通常兵装を借りるとして、当然全員通常兵装でやりあうんだよね?」
「いや、全員各々の得意装備で行くけど?」
「自分不利じゃん」
「散弾銃は持ってるやつを使って良いぞ」
「剣は?」
「剣とか必要か?」
「いや、必要でしょ?剣があれば君らの銃弾防げるんだよ?」
「ずるいじゃん。そんなの」
「ずるく無いじゃん、どちらかと言うとそれが自分の戦い方だよ?」
協議の結果。自分の剣はずるいという事になったので、天上の通常戦闘服に散弾銃・・・鬼か!