503.射撃【訓練】
装備をメンテに出し、新装備の注文も出来たし、今日は料理にするかな~。何作るか?
アボガドがあったからアボガドの醤油焼きか、里芋の煮物も良いな。
栗があったから栗ご飯と行きたいところだが、振舞うほどは持ってないんだよな米。
地下のヒト達が食欲に負けて騙されないようにと思って、結構な量の食料を置いてきちゃったからな。
何なら根菜類が芋しかない。さつま芋と里芋!後は自分で食べる分の最低限だけなんだよ。既に人参とごぼうは使い尽くした。
酒と調味料は一応念のため、大量に持ってるけど。
出来うる限りこの地で採れる物で、まかなわないと・・・。
「おいっ!銃出来たんだな!じゃあ【訓練】に参加しろ!」
「いや、それ以外の装備全部メンテに出しちゃったから」
「えーーーー!おいおいおい、それじゃいつ【訓練】するんだよ」
「メンテが終わったらかな?」
「知ってるんだぞ!ここ最近食料の<採集>ばかり行ってる事」
「いや、なんか男は海に出て<採集>して女は帰るところを物理的に守るって聞いたけど」
「そうだな!この水上要塞を守るのは元々女の仕事だが、お前は余所者だから別にエルフの習慣どおりじゃなくて良い。なんならそんな古い習慣、別にそこまで厳密に守ってない」
「まあ、司令部に男のヒトもいたもんね、そりゃそうだ」
「そう言うことだ。まあでも装備を預けたんじゃ仕方ない、今日は射撃【訓練】だな」
「自分は散弾銃なので、ざっくり向けて引き金引けば当たるんですけど」
「そういう事言ってる奴が戦場でここぞという時にやらかすんだ!」
「まぁ、そう言う事ならやるけど、何で自分が戦闘員なのか・・・」
「いや、そりゃ邪神の化身倒して、しかも1000人も率いれるんだから当たり前だろ?逆に戦闘員以外何やる気なんだって話だぞ?」
言われてみれば、その通りか。元々【兵士】な訳だし戦闘力を求められても仕方なし。
そして、連れて行かれたのは明らかに射撃場。皆的に向かって銃を撃ちまくっている。
まあ弾は精神力の続く限り撃ち続けられるわけだし、別に資源の無駄なんて事は一切無い。
スナイパーエルフから渡されたのは一丁のハンドガン。
「自分はハンドガン使わないけど?」
「まあ、そりゃ散弾銃使いだからな。でもまずは止まってる的を撃ちぬけないと次には行けないぞ」
「散弾は動いてる的を当てなくちゃいけないの?」
「まぁ、そうなるな。まずはそれで<銃>のスキル熟練度を十分に高めるんだ!さあ!さあ!」
「分かったから詰め寄るなって」
渡された銃の装填を済ませ、両手で構え銃の上のサイトで的を狙い、引き金を引く。
特に反動も無いので連射で撃ち切る。
「えー、何で当たるんだー・・・」
「狙って撃てば当たるんじゃないの?」
「そんな簡単なもんか!それだけ当てるのにどれだけ熟練度が必要か!」
えー?まあ魔物相手とかには積極的に使ってたけど、そんなに使い込んだ記憶・・・あっ!
スキル熟練度だけだったら何かふわふわした陰にお金と引き換えに結構貰ったわ。
なんならお金余ったら、全部スキル熟練度に変えてた。
少しだけって割りにもしかしたら金額相応にごっそり熟練度貰ってたのかもな。
「じゃあ、動いてる的行く?」
「そうだな、動いてる分厄介だから、それはもう大変な【訓練】になると思うが、ちゃんと着いて来いよ!」
要塞縁の先には海しかない場所に案内され、海の方を向かされる。
「何にも無いけど、何狙うんですか?」
「私が今から的になる円盤を投げるからそれをどんどん撃ち落すんだ!」
はいはい、やった事は無いけどクレー射撃ってことね。
自分の散弾銃を抜いて、的が飛んでくるのを待つ。
そして、海のほうに飛んで行くフリスビーを撃ち落す?撃ち割る?
次から次から投げられたので、片っ端から撃ち壊す。
そして、5発で再装填。
「まぁ、ぼちぼちかな?」
「いや、だから何で当たるんだよ・・・」
「狙って引き金を引けば当たるけど?」
「前の試合を見る限り威力も異常だしさ。もうスキル合成したらいいじゃないか!」
ああ、そうかこのスナイパーエルフが言う通り、使い込んだくらいのスキル熟練度があるなら合成しちゃえばいいのか。
そして、スナイパーエルフの案内で、スキルセットの部屋に案内されたのだが、
西なら【教会】、地下なら祠だが、天上ではもう部屋だ。
何となく静謐な雰囲気はあるが、まあ暗い部屋から続く個室でスキルのセットと合成が出来る。
まあ案の定と言うか何と言うか、
<散銃士>=<銃>+<射撃>+<銃技>+<散弾>
アビリティをどうすっかな・・・
固定で、破壊鍵・・・一部オブジェクト破壊及び近距離ノックバック、中距離範囲攻撃
単装填・・・弾一発づつ装填
火力・・・威力増加
とまあ、こんな感じ。
オブジェクト破壊はちょっと意外だった。単装填は弾を一気に全部装填ではなく、一発づつ装填する事で、完全装填でなくとも再射撃可能。装填速度を補うために便利アビリティ。
火力はそのまんま、範囲なのか連射なのか威力なのかの選択で、威力に振った結果。
さて、もう一個合成できたのでしちゃう。
<反逆者>=<威圧>+<復讐>+<犠牲>+<防御>
何となく想像はしてたが<復讐>系クラススキルが出来てしまった。
固定で、抵抗・・・ダメージを受けるほどに攻撃力、防御力、士気増加
生贄・・・<復讐>使用時のダメージ量上昇
反射・・・ガード成立時ダメージ一部反射
とまぁ、こんな感じ。こうなると生命力の最大値や回復力について真面目に検討の必要があるぞこれ。
スキルを合成する事で、これまでの熟練度が一旦減ったので、真面目に射撃【訓練】に臨むとスナイパーエルフはご満悦だった。