502.銃完成と装備メンテと新装備と諸々
のんびり水中及び水上の<採集>で程々に稼ぎ、懐に十分な余裕が出来て使いどころに迷い始めた頃、
銃を預けたおっさんに銃が完成したと聞いて、工房に向かう。
「そら、お前さんが扱いやすいであろう範疇で、最大限弾数を詰め込んで5発まで撃てるようにしたもんだ」
ぱっと見はソードオフのポンプアクションショットガン。
「弾数ががっつり増えたのはありがたいんですけど、何でスライドできるようになってるんです?」
「威力調整だな。やっぱりそれだけの弾を使うんだ威力浪漫を追うだろうがよ?そのスライド位置で、何発分の威力を使うか調整できるぜ」
「え? 縮砲 あるから、威力まとめる事は出来るんですけど?」
「違う違う。それだと確かに弾が一つにまとまるから、最大ダメージにはなるだろうが、散弾の持ち味である範囲攻撃が無意味なるだろ?」
「ああ、あくまで散弾のまま2発分3発分と一射の威力を上げられるんですか?」
「そう言う事だ。勿論消費量も相応だがな」
「そりゃ凄いですけど、再装填も時間かかりそう・・・」
「ああ、その点はな、スキルとかで頑張れ」
「そうなりますよね。でもまあ使いやすくなって助かったし、ありがとうございます」
「後、肩当だよな。色々迷ったんだが、普通に氷精にしておいた」
「全然問題ないし、十分ありがたいですけど」
「それでなガード性能があるが、皮と木製なんで防御力はまあ知れてる。後はちょっと装備してみて精神力を流し込んでみろ」
見た目は複層装甲風の黒く塗装された皮製肩当部分的に木が使われている。装備しても肩の動きの邪魔にならないし、別段これと言って困る感じでも無い。
精神力を流すと、
「えっと、氷盾出てきたんですけど」
「うん、正直金属や石ほどの防御力は期待出来ないが、そのまま防具で受けるよりは断然ダメージの貫通量は少ないぞ。術に至っては右腕より貫通ダメージ量が少ないんじゃないか?」
何か、肩に接続される縦長の盾が左上半身を覆うが、透明なので視界が塞がれる事も無いし、便利は便利か?後、術は術で相殺するとでも言うのか、術ダメージを軽減できるらしい。
「なんか、凄い物作って貰っておいて何なんだけど肩当は木製だし、ここ何屋なの?」
「何屋っつうか、装備工房だが?」
「要は武器も防具も何でもござれの工房?」
「そうだな、兵器屋とか言う奴もいるが、俺は個人装備が得意だから兵器ってより装備の方がしっくりくるな」
「へ~物のついでで悪いけど、装備のメンテと欲しい装備の作成頼んでも良い?お金は貯めてきたから」
「いいぞ、それが仕事だしな。後この前の石も結局捌き切れん額になっちまって困ってるしな」
「ああ、そうなんだ。一応水晶系は自分と相性良いらしいから別に持ってるからこれ使ってさ、作って欲しい装備があって」
「おう、また石持ち込みかよ。それなら安く上がるんじゃないか?取り合えず言ってみろよ」
「一応、これが自分の所属してる国の制服なんだけど」
自分の制服を見せるが、これで石の力を流すものは地下で武器屋のおじさんに作ってもらった。
しかし、あの時の材料は白蜘蛛の糸と水晶だったので耐熱耐暑と精神力を流した場合の氷精の冷気系の全耐性。
「ほう、上下揃いの服か。それとお同じものか?」
「いや、これと同じものは作って貰ったんだけど、この羊毛を使ってコートと帽子が作れないかなってさ。後ブーツとベルトと手袋を作るなら素材は何がいいかなってさ」
「ふーむ、なるほどなそっちの服の方が耐熱耐暑で、新しく作るのが耐寒耐冷って事か、内着とベルトと手袋とブーツはそのままでいいんじゃないか?」
「なるほどね、確かに〔防護装甲〕と〔防護洋袴〕は耐性だけだから、氷精で対応出来ちゃうのか」
「問題は左腕の刺青が隠れる事、右腕の筒籠手が装備出来ない事、左の肘当が装備出来ない事、新しい肩当もな」
思った以上に大事な部分が装備不可で辛いな。
とは言っても、これは折角エルフの技術があるんだから、氷精全開防具作ってみたいってだけの、趣味みたいなものだからな~。
「アクセサリーとかは?」
「全部大丈夫だな。うーん差し引きだと、便利なスキル補正がいくらか減るが、基礎的な防御力って言うか、お前の場合耐性が尋常じゃ無いほど重なるから、ちょっと相手が可哀想だな」
ふむ、防御力の代わりに耐性が重なって相手が可哀想とな・・・、有りだな!
「じゃあ、それで・・・」
「でも、コートと帽子は違うんじゃないか?」
「え?」
「その服身に着けて袖折ってみろよ」
言われたとおり〔防護装甲〕と〔防護洋袴〕を脱いで【帝国】制服を着用。袖を折る。
「やっぱり肩当と筒籠手と肘当が無理っぽい」
「でも腕の刺青は効果あるだろ?後はガード用の籠手と左側のガードを考えるだけだ」
「ああ・・・なるほど?」
「右手はまず袖を折った前腕の範疇に納めるガード補正付きの籠手があればいい訳だ」
「まあ、そうなるけど、そんな都合のいい物が?」
「ガードなんてのは防御の基本中の基本だからな、素材さえあればどうとでもなる」
「じゃあ、左側は?」
「お前さんのその制服から連想できるのはどう考えてもカタマントだろうな」
「え?襟巻きと干渉しない?」
「逆にそれしか俺は答えを持ってないぞ」
「じゃあ、それでお願いします。あと水中で活動しやすくなる補助具なんかを頼みたいんですけど」
「そりゃ型どおりの物でよければ、用意するぞ」
コートと帽子を考えてたんだけど、どうやらちょっと思ってたのと違う形になりそうだ。