497.食料庫と
拠点に戻れば、採って来た木の実を食料庫に運び込むらしいので、それも手伝う。
ちなみに採集班は皆疲れて戻っていった。
自分はまだまだ余裕なので、木箱を持って食料庫について行く。
食料庫のある船は全部倉庫。
そして、山の様に積まれた食料の箱、
やっぱり天上は食料資源が豊富で食うには困らないんだな~。
ちなみに、蛇素材は工房の方に持ち込まれた様だ。
そしてお給金は!!貝殻!え??
どうやら金属が無さ過ぎて、貝殻を貨幣代わりに使ってるらしい。
そんなに金属資源が無いなら、いずれ【帝国】から鬼のように鉄を持ち込んでやろうかな・・・。
そして取り合えず、火を使える場所を聞いて移動。
何をするかって、ご飯作る以外無いよね?林檎しか食ってないもん。
食料はただ同然でいくらでも手に入る土地だし、どうしようかな。
水に浸かってたし、温かい物食べたいな~。
教えられた区域に辿り着けば、完全に食事処。
なんだろ・・・フードコート?ぐるっと外周に調理場が並び、間は勝手に座って食事出来る様になってる。
偶には買い食いもいいけど先立つ物がな~。ちょろっとバイト代が入ったくらいで贅沢出来ないし、
どこか調理場貸してくれないかな~?その辺のヒトを捕まえて聞いてみる。
「すみません調理場って借りたり出来ませんかね?」
「なんだ?料理に自信ありか?ここは戦場さ!うまい飯を作れる奴が一番稼げる。そういう場所だ」
「いや、そう言うんじゃなくて、自分は割りと自炊派なので、ご飯作りたいだけなんですけど」
「うんうん、じゃあここの支配人に一つ借りればいいさ!連れて行ってやろう」
そして、調理場裏手の事務所らしき場所に連れ込まれた。
支配人は身長が自分より頭二つは高く、筋骨隆々のデカイ!としか言えないイカツイ女エルフ。
「なんだい?あんたも出店希望かい?珍しく余所者が来たとは聞いたけど、ここで店を出すのはそう簡単な事じゃないよ?」
「違うんです。自炊するのに火を使える場所を聞いただけなんです」
「言い訳も謙遜もいらないよ!腕に物を言わせな!」
そう言ってフードコート片隅の調理場に引きずられていく。
適当なものを作ったら怒られるだろうけど、自分が食べたいだけなので程々の物にしよう。
普通に体が冷えたので、温かい物・・・スープにするかな~。
でも、スープとか食べやすくて逆にこういうフードコートとかで売れても困る・・・。
いや、まあ戦場とか言われてるし、そうそう出店したりは出来ないよね。
しかし、念には念を入れてここは煮物にしよう!
煮物をフードコートで売るなんて無いもん、多分。絶対売れないし大丈夫!自分の分だけ煮物作ろう。
ああ、でも支配人食う気まんまんだ。じゃあ、二人前ね。デカイヒトだからちょっと多めに作るか、怒らせて残っちゃっても自分で食べるし、別にいいや。
まずは鍋に油をひいて~、鶏肉に火を通す!
肉はねちゃんと火が通らないと良くないよね~。
【帝国】の人参と【森国】のごぼうと地下のさつま芋に地下のキノコも一緒に炒めちゃう!
キノコって言っても、食べれるやつよ。動いたりしないやつ。
炒めて炒めて、みりんと醤油で味付けしつつお湯を入れて煮る。
超簡単!ほっくほくのサツマイモが甘くてほっとする煮物~。
さて、食べようかと思ったが支配人が目をぎらぎらさせて待っている。
仕方ないので備え付けのお皿に盛り付けて出すと、吟味するように具を一つ一つ食べて行くが、
駄目なら駄目でいいので、この鍋持って撤収させて下さい。
皿を空にした支配人が天を仰ぐように、静かに上を向いて動きが止まる。
うーん、鍋持って逃げようか・・・。
「うまい・・・食べた事ない食材ばかりなのに優しさを感じる・・・」
「そうですか、まあフードコートには合わないからコレ持って撤退しますね」
「いや、こんなうまいもの私だけ食べて独占していいのか・・・否!」
「自分は自炊したいだけなので屋台の使用料だけ払って、立ち去りますけど・・・」
「いいだろう!お前の出店を認めようじゃないか!取り合えず、今日のところはその煮物を売ると良い!他に何か作りたければ、いつでも私の所に持って来い!」
そう言って、事務所に引き上げる支配人。
まあね、監視するヒトがいなくなればこっちのものなので、煮物食って寝ようかと思うと、
既に店の前には長蛇の列。
「あっじゃあ・・・すぐに仕込むので・・・」
大急ぎで大量の煮物を作り、適当に皿に盛っては出すを繰り返すと、大量の貝殻が集まる。
結局どこに行っても飯作らされるのかと、ヘトヘトになりながら煮物を食ってログアウトした。