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494.石壷開封

 鞄に山ほど詰め込んである〔ランダム石壷〕は何の石が入ってるか分からない石壷。


 そいつを一つ出して、床に置く。


 「この中に石が入ってるんだけど、何が入ってるか分からない状態で詰め込んである」


 「ああ、さっきの話じゃ雑多に色々出るんだもんな。それなら石として纏めて持っててもおかしくないな」


 「話が早くて助かるよ。じゃあ、割るね!」


 壷を高く持ち上げると、


 「おい!待て待て!落ち着け一回!それ床に置こう!な!」


 「なんでよ?壷割らなきゃ中身取り出せないじゃん」


 「いや、蓋開けて一個づつ取り出せよ!いいか?土の入れ物なんてここでどれだけ価値が有ると思ってるんだ?壷焼き用の壷として売れば、それでもいくらかになるぞ」


 「ああ・・・壷焼きか・・・後でサツマイモの壷焼きにしよう!食べる?」


 「そりゃ、ご相伴に預かっていいのならな」


 「じゃあ、早速中身取り出そう」


 そうして、二人で手分けして中身を取り出し、並べると。


 「こりゃあ、宝石に鉱石に本当に雑多だが、どれもここじゃ超高級品だ。まさかとは思うがこの壷、他には持ってないよな?」


 「いや、山程持ってるけど」


 「分かった聞かなかった事にする。正直な所コレだけでも一財産だ。別に働かなくてもいいくらいだぜ」


 「そうは行かないでしょ。別に仕事する事自体は好きだし、無理やり頭ごなしに押し付けられたりとか、何をやっても文句言われたり、変に口出しされたりしなければさ」


 「そうか・・・、まあいい。これらを提供してくれるならそれなりの装備を用意しよう」


 「そりゃ助かるけども」


 「まずは銃だな。お前さんは予備のつもりでその弾持ってるんだろうが、連結すれば弾数も増えるし、絶対使いやすくなるからな。あと、知ってるかもしれないが、お前さんの相性のいい精霊が氷精だって言うなら、本来宝石から引き出した力を増幅できるのが普通だ」


 「ああ、そう言えば、地下のエルフ達は雷精増幅してた気がする・・・けど自分は<氷剣術>にしちゃってるから銃は意味無いのかと思ってた」


 「はーん、なるほどな。でも剣専門だとすると逆に何で氷精が得意だと思った?」


 「なんでだろう?何かって言うと氷精を使ってる気はするんだけど」


 「そもそもお前さんは今でも<氷剣術>セットしてるのか?」


 「いや・・・、<青蓮地獄>に変わってそれを合成して<氷剣士>になった筈」


 「それってのは、剣に限ったスキルじゃないんじゃないか?」


 「まぁ、全身に冷気を纏うスキルの筈だから、それによって術全般の威力が上がるとかそういう・・・」

 

 「ふむ、多分だが<氷精術>が無いから氷銃は使えないだろうが、水晶を媒介として氷片を飛ばしてるんだから、そっち系の攻撃補正があってもいいと思わないか?」


 「思う!」


 「その辺をちゃんと引き出せるように作り直してやるから、任せろ」


 「そりゃ助かるな~」


 「それで、その他の装備だが」


 「うん・・・」


 「どれもいい出来で、手を入れる余地がねぇ」


 「まあ、クラーヴンの作った装備ならそうなるよ」


 「しかし唯一お前さんの弱点がある。左上半身だ」


 「ああ、まあね。でも仕方ないよ<粧印術>の刺青と〔酒呑みの親友〕着けてるもん必要な補正だよ」


 「じゃあ、それらの邪魔にならないような肩当を作ってやろうじゃないか」


 「え?それは助かる」


 「お前さんは地下で作らなかったみたいだが、宝石があれば精霊の力を引き出せるんだから、精神力を流せば防御範囲を広げられる盾代わりの肩当だって作れるぞ」


 「な!精霊の力を流せるって言ったって、耐性とかちょっと補正が入るだけじゃ?」


 「そんな事は無い!防具にだってちゃんと精霊の力は流せるぞ!とは言え、ここじゃ金属はかなり希少だ」


 「自分は<皮殻甲>だから金属防具は寧ろ困るかも」

 

 「ふん、じゃあ木製防具なんてどうだ?単体の防御力は低いが術や精神力と相性がいい」


 「そんなの有りなんだ?」


 「なんだ?木製防具を知らないのか?術を使うものには割りと扱いやすいのだがな。勿論全身木じゃ大変だろうが、いざ詰められた時に最低限の防御力を担保するには便利なんだ」

 

 「へ~そうすると、肩にも氷精で氷を纏うってこと?」


 「ふむ、防御力というか耐性を上げるなら氷精だな。防具と相性が高いのは確かだ。単純に防御力なら石精か・・・。陰精・・・、陰精か・・・一考の余地ありだな。吸収系は面白いぞ・・・」


 何かおっさんが考えに没頭してしまったので近くの炉を借りて、サツマイモの壷焼きの準備にかかる。


 コツは温度!


 要は芋を糖化するのに最適な温度は何度かって事。


 60℃~70℃って言われてるけど、じゃあ低温で焼けばいいかってそうはならない。


 まあ、でもそこはスキル的な勘で、そこそこの温度で壷に詰めたサツマイモを焼いていく。


 中を覗いて勝手に皮がめくれる程度まで焼けば完成!


 蜜たっぷりサツマイモの完成!


 壷から取り出し、皿に載せているとおっさんも匂いに釣られて正気に戻ったので、一緒に食べ始める。


 「まぁ、肩当の事は任せるよ」


 「そうか、まあ悪いようにはしないぜ!」


 って事で、装備の追加が決まった。

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[一言] 交換レートが大変なことに
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