表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
484/613

484.闘技大会見学

 出場メンツは変わらないので、戦い方を知ってる出場者ばかり。


 今回は余裕を持って戦闘を見学させていただきますか。そして次回出場時、勝ちに行くにも情報を集めとかなきゃね。


 まずはイタチと黒蜘蛛だが、どうにも黒蜘蛛が精彩を欠いているように見える。


 イタチはパワーと防御力と中距離範囲攻撃がバランス良く揃ってるし、シンプルに強い。


 しかし、逆に搦め手の無い力押しタイプ。


 黒蜘蛛も似ているが、お互い石精使いの物理タイプだし、互角に打ち合えそうなものだが、


 どういう訳か黒蜘蛛が押されてる。


 単純に強引に入り込み槍を振るっているものの、当たってる数や当たっている位置ではイタチの方が優勢だろう。


 イタチは完全に避けられずとも、クリーンヒットだけは貰わないようにうまく動けているし、


 この勝負はジリ貧で黒蜘蛛の負け。


 次は白蜘蛛とエルフのお姉さん。


 白蜘蛛の武器は糸!まずは両手を中心に戦闘フィールド中に一気に広げる。


 頭上から降りかかる糸を冷静に見極め、触れそうな糸のみナイフで切るお姉さん。


 纏った陰から伸びる細い6本足で、糸の隙間をうまく抜けて距離を詰めていく。


 白蜘蛛は手から別の糸を伸ばし鋭く振れば、斬撃になる。


 間合いを詰めたいお姉さんと、間合いを詰められたくない白蜘蛛の構図。


 張り巡らされた糸を一本踏んだり、斬撃は喰らわずとも防御に使った糸に触れると、徐々にお姉さんにまとわりついていく。


 まとわりついた糸を引かれ体勢を崩されるのは基本だが、


 時折まるで楽器の弦のように爪弾くとお姉さんにダメージとなって伝わる。


 しかし、一回ダメージを与えるとその糸は切れてしまう様だ。


 相手をコントロールするのに使うのか、ダメージを与えるのに使うのか、選択できると言うことらしい。


 てっきり地面に効果のある術なのかな?と思ったのだが、何か間接的な使い方だ。


 でも自分はほとんど動かずに、最初に撒いた糸のフィールドで相手をコントロールできるのはいいな。


 さらには、近距離であれば一瞬で巣状に展開して柔らかい壁か盾の様に使う。


 クリーンヒットは貰ってないように見えたお姉さんが、生命力を失い負け。


 ・・・?ああ、酒場で聞いたんだ。糸に陰精術通して吸収してるのか。これはきつい相手だな。


 その後、黒蜘蛛とエルフのお姉さんは黒蜘蛛の勝ち、勝因はシンプルに攻撃の間合いとスピード。


 イタチと白蜘蛛は白蜘蛛の勝ち、


 黒蜘蛛と白蜘蛛は黒蜘蛛の勝ち。


 白蜘蛛かなり強いと思ったのだが、黒蜘蛛には攻略法が分かってるっぽい。

 

 どうやら、ちょっとやそっとの事は諦めて強引に突破してしまえば、接近戦は超弱い。


 それだけの重量とスピードが必要ってわけだ。


 因みに重量はイタチもあるが、逃げ回られながらひたすら糸を絡み付けられているうちに負けてた。


 エルフのお姉さんとイタチはエルフのお姉さんの勝ち。


 イタチはやっぱり攻撃がシンプルな分エルフのお姉さんの変則的な動きに翻弄されて、最終的に削られてしまった。


 雷精は石精で防いでたみたいなんだけど、お姉さん何気に雷精以外の武器も用意してるんだもの。


 確かにエルフの武器は対応する精霊術持って無くても宝石から精霊の力引き出して使えるって聞いてたけどさ。


 火に水に陽ってさ。ナイフだからそりゃ複数本持ち込めるよね~って言うね!


 自分とやりあった時は、ナイフ対ダガーの技巧戦でナイフ自体取り上げちゃったもんな。


 でもまだ隠し持ってた訳だから、やろうと思えば続行して色んな精霊の力を喰らう事になったのか、ぞっとしないな。


 しかし、まあこう見るとほぼ互角の腕前ながら相性次第ってことなんだろうな。


 白蜘蛛は威嚇射撃で一瞬止めれば、間合いに入るのは行けそうかな?多分移動スピードなら自分がこの中でも一番ぽいし。


 面倒なのはイタチだよな。複数の中距離攻撃で間合いに入りづらい。前回はうまく入って転がして泥仕合をしたが、それじゃ勝つか負けるか運任せだし、もうちょい考えないと。


 黒蜘蛛は前より早くなってるし、結局は間合いなんだよな。


 さて、そんなこんな真打ムシャマッシュ。


 白蜘蛛は最早デバフの胞子すら使われずに、一瞬で間合いを詰めて鬼のような強打で沈んだ。


 黒蜘蛛は体型を活かした上からの槍攻撃を軽く足捌きで全てかわされ、槍の引きに合わせて飛び込まれ、頭を打たれて、後は一方的な展開で沈んだ。


 そしてエルフのお姉さんに至っては突き出したナイフを持った手に一発づつ手刀を喰らって、速攻両手部位破壊。纏った陰の6本足で粘ろうとしたが、ボディ連打に耐え切れず、沈んだ。


 最後にイタチ、中距離攻撃はどうやって防ぐのかと思ったら、拳に術を纏わせて普通に飛ぶ爪撃を殴った。


 精霊術では無さそうなので拳術とかなのだろうが、あの飛ぶ爪撃は術で相殺できるんか!氷剣術使って受ければよかった。


 後は地力と技巧差でムシャマッシュの勝ち。鳩尾に肘を喰らってイタチも沈んだ。


 まるで、接近戦はこうやるんだと見せられた気分です。はい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 師匠ようしゃね~。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ