48.知彼知己 百戦不殆
■ 集団戦イベントルール1 ■
メンバーは総指揮官1名【ニューター】副官1名【ヒュム】
その他【ニューター】1:2【ヒュム】の割合で最小52人~最大102人のチーム戦を行う
馬やテイムモンスター等は【ヒュム】と同じ割合で計算する
副官に関しては、チーム内プレイヤーと交流のあるものから選択可能
雇用する【ヒュム】の兵装は【整備】任務の達成回数により上昇 チーム内で最も高い【ニューター】の回数を適用する
雇用する【ヒュム】の強さは【訓練】他 実践を伴う任務の達成回数により上昇 チーム内で最も高い【ニューター】の回数を適用する
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さて、上の命令は参加することだけだが、折角出場するのだし出来るだけの事はしてみようなんて思うのは、少しはこのゲームに愛着が湧いたって事なのだろうか。
そうは言っても、プレイヤーイベントにNPCばっかり率いて戦いになるのだろうか?いや、むしろその状態で少しでも喰らい付くのが今回の任務なのかね?
他のプレイヤーがどれくらい強いのかなんて想像もつかないが、一年もゲームやっていれば誰でも強くなっていようものだ。未だにNPCの訓練でぼろぼろのボコボコにされてるのは自分くらいのものだろう。
とは言え勝つためにはやるべきことがある。
戦争に勝つにはどうするか、要点は五つだ。
1,戦ってよい場合と駄目な場合を分別すること→これは強制的に戦わなきゃいけない今は意味ない
2,大兵力と小兵力の運用法に精通していること→最小52人最大102人であれば自分の器の範囲内だ
3,上下の意思統一に成功しているか→コレは今から自分の隊のみんなと相談だ
4,計略を仕組んでそれに気づかずにやってくる敵を待ち受けること→どんな仕掛けをしようか
5,将が有能で君主が余計な干渉をしないこと→将は今回自分だしな、どうなんだか
これらが、自分が折を見ては愛読している 孫子 の勝ちを予知する方法だ。
できることと言えば、3,4,くらいか。まずは、相談そして準備だ。
「兵長、自分の部隊の兵科隊長クラスの連中を部隊長として扱いたいんだけど出来るかな?」
「そう言うと思ったぜ、お前が頭を張って、あくまで手足として動かす分には問題ないだろう。お前の時みたいに部隊だけで勝手に動けってのはまだちょっと無理だろうな」
「じゃあ、ルークを部隊長とした弓兵隊20人、スペーヒを部隊長とした歩兵隊20人、ルーシーを部隊長とした偵察兵隊20人、カピヨンを部隊長とした衛生兵隊20人ってところかな重装兵隊の隊長をどうするか」
「おう、俺がやってやるぜ?」
「いや、先輩隊長いつからいたんですか。それに歩兵ですよね?」
「いや、【士官】なり立てだぜ!」
「副官はまだ考え中ですけど率直に言ってしまうと、先輩隊長よりは教官のほうが助かるんですけど」
「いや、重装兵隊の隊長やってやるって言ってんだろうが。歩兵つっても<半金属>のロングソード両手持ちが本来の俺のスタイルだからよ」
「盾持ってくれないと壁にほころびが出来るじゃないですか」
「<戦陣術>で防御系を担当してやるよ。そうすりゃ大分負担も減るだろうが。まずは受けて、相手が揺らいだところを突き崩すのがお前のスタイルだろうが」
「まあ、そうなんですけどね」
「お前達で盛り上がるのは構わないが騎兵とかは使わないのか?なんなら工作兵や術兵も紹介できるぞ?」
「兵科の種類やバランス的にはそういうのもいいかもしれないんですがね、まずはきっちり意思疎通できることを優先したいですからね。後、騎兵は初めから、無しの方向で考えてましたよ。だって馬が兵一人分で換算されるじゃないですか、確かに騎兵は強いけど、砦攻めるにはあまり向いてないですよ」
「その辺は魔物を使役するジョブについてる連中もいるからなその辺を考慮したルールなんだと思うぞ」
「ドラゴン100体と戦うことになったら速攻白旗揚げますよ」
「そんなやつは、いないから安心しろ。どんなに強くても【ニューター】と一対一で戦える程度を使役するのが関の山だ」
「十分強いじゃないですか!」
「その代わり使役している【ニューター】は魔物を使役することに力を割いてるから、トントンだろうな」
「なるほどね、後はぶつかってみなきゃ分からないか。じゃあ、先輩隊長に重装兵隊の部隊長お願いしますよ」
「おう、いいぜ!ただな、隊長って呼ぶのは止めろよ!お前が隊長だからな!」
「了解!先輩」
「と言うわけで、今度の祭りに自分の隊が参加することになった。と言うより自分が参加するので皆も強制的に巻き込んだ!」
「別に構わないですよ!むしろ【ニューター】しか今まで参加できなかったお祭りに自分たちも参加できるなんて興味深いですよ。でも、まあやっぱり【ニューター】って強いんですね。自分たち2人分換算ですもんねそのルールだと、隊長も出世早すぎるし強すぎるとは思ってたけど隊長だけが特別だったわけじゃないんですね」
「むしろ自分は弱い方だろうからな、それにいつも訓練でボコボコにされてるのに強い訳ないだろう。今回も指揮に集中するよ」
「指揮に集中するのは構わないですけど相変わらず隊長は自己評価が低すぎると思うんですよね、確かにこの辺りは【ニューター】も少ないし比べようも無いですけど」
「ふっそれで副官は選んだのか?隊長」
「正直迷ってるんだがルーシーは誰がおススメだ?」
「自分は、ですねぇ。やっぱり教官がいいかと思うんですよね。本気であの人は強いですからね、伝説の氷の剣鬼ですからねヤヴァすぎですよね!」
「ルークよルーシーに今は聞いたんだぞ。後噂には聞いているけどいつから教官は伝説になったんだよ。ちなみにだがな一応候補としてはミランダ様も良いかと思ってるんだよな。常時発動型の技能こそ無いけど一発で戦況をひっくり返せそうな切り札がいくつかあるタイプだ」
「隊長がそう言うなら否はありませんよ」
「おし、ミランダ様に後で会いに行くとしようか」
いつも一緒にいる隊の連中と話しながら、お互いに使用するスキルや戦い方のパターンなんかも相談する。ある程度の事には十分対応できるだけの心構えと準備は出来た。
準備と言えば控えだらけだったスキルも思い切って整理した。今はこんな感じ
<軽剣士><不動心>
<防衛圏><軍術士><行軍>
<古樹><円盾>
控え
<言語><跳躍><分析><小剣><皮殻甲><掴み><生活><氷精術><戦形><疾走>
<軍術士>=<指揮>+<戦陣術>+<戦法>+<策戦>
クラススキルなのでアビリティは三つ、4種混合戦闘教義と作戦(策戦強化)と戦力運用(戦陣術強化) ってところだ。
<古樹>=(生命力+精神力=心身力)+自然回復+体幹+(吹き飛ばし耐性+弱化軽減=辛抱)
前の発展スキルより上位になる代わりに熟練度が1/8 成長スピードも1/8になるらしい。でもゲームってそういうもんだしな、レベルが上がるほど成長が遅くなるもんだ。
本当は他にも取得できるものがある。
<剽剣士>=<小剣>+<剣技>+<皮殻甲>+<歩法>
<軽剣士>の上位版で教官からも勧められているのだが、<小剣>と<皮殻甲>をくっつける代わりに<片手剣>と<軽甲>が消滅するのだ。<軽甲>は、ほぼ革と甲殻装備に換えているからいいとして<片手剣>は無いと困る。メイン武器の『魔鋼剣』が使えなくなるのはちょっと困るだろう?
それから<疾走>は軍狼を倒したときに手に入れたんだと思われる。雪の上でも軽快に走ってたからな、そういうスキルだったのだろう。<跳躍>と同じくちょっと溜めの後一定時間ダッシュ出来るスキルだ。他にも鍛え始めたばかりのスキルは有用だが、今回は使用しない方向で行く。信頼できる仲間と実績重視のスキルで行く!
保守的な感じになってしまったが、地に足つけて今回のイベントを一歩づつ乗り切ろう。