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472.情報収集の基本と言えば

 「はい!お待ち!」


 「おっ来た来た!やっぱり一日の終わりはこれだな!本当は毎日食いたいが、そんな贅沢な事も言えないか!数日に一回が丁度いいのかね」


 「まあ、楽しみにしてもらえるのはありがたいけどね~」


 そんな会話をしつつ、次の調理に取り掛かる。


 酒場でご飯を作るのにもすっかりなれたが、相変わらずメニューは日替わり一択。あれもこれもと捌ける世のご飯屋さんは本当に凄いな。


 そして、次を調理しつつ、めっちゃ今日の定食を頬ばってる陰精の【巫士】さんに気になってた事を聞く。


 「それで陰って言うのは、具現化したりとかは出来ないんですか?」


 「・・・」


 「飲み込んでからでいいんで、ゆっくりで構わないですから、自分も作りながらなんで」


 「陰が具現化するって言う話は分からない。仮に出来るとしても食料とか必要になるし、あえて研究しなかったと思う」


 ああ、なるほどね。酒呑童子も酒飲みだったし、食料で困ること受け合いだわ。


 って事は具現化に関しては【森国】の技術なのかな。いずれ確認してみたいものだ。


 「じゃあ、陰は強くなったりしないんですね。やっぱり普通に防具装備した方が、いいのかな~。陰精を複数契約するメリットが・・・」


 「・・・」


 「本当にゆっくり食べていいですからね」

 

 酒をぐいっと飲み、口の中の食べ物を流し込み、


 「ぷは!一つは陰ごとの特殊能力。単純に防御力を挙げるもの、精霊の力を使用したり、拘束とか、もう一つは陰の特殊能力にあなたの補正が適用される事。陰とあなたはお互いがお互いを補完してる」


 ・・・?ああ、この前のサイだとアクセ屋の女の子の雷精の補正が、かかるのかな?


 そう言えば、自分の陰も拘束力に補正がかかるって聞いたな。


 自分が<掴み>使いだからかな?でも、確か<登攀>能力が高いヒトと相性がいい陰なんだよな?


 まあ、でも尻尾で拘束できるのは間違いないし、助かるからいいか。


 <登攀>と<掴み>を陰と補完し合えるなら、有りだな!


 補正は自分で、特殊能力は陰ってことか!今は右手から尻尾伸ばせるだけだけど、完全に契約出来たら、


 何が出来る様になっちゃうのかな~!!


 そんな事考えているとまた一食出来たので、


 「はい!お待ち!」


 「おっ!話し中なのに悪いな。陰の話か?そりゃ【巫士】様が一番詳しいけど、実用なら俺達だぜ!」


 「じゃあ、何か教えてくれたらありがたいけど」


 「そうだな~。陰精は契約すると、身体能力が上がるのは知ってるか?」


 「何よそれ・・・」


 「陰によって補正値は違うが、身体能力に多少加算されるんだ。だから複数契約するメリットはちゃんとあるぞ」


 「ほえ~」


 タトゥーで装備は出来ないけどステータスに補正があるみたいなものか。


 しかも特殊能力使えたら、メリットでかいな~。でも<粧印術>は使い手本人の場合、咄嗟で術の媒介にもなるのか。


 身体能力が頭打ちの自分としてはその辺そろそろ真面目に考えないとな。


 補正や装備にくっついた特殊能力を頼るのか、もっと身体能力補正を高めていく必要があるのか。


 ふーむ、また一食出来たので出す。因みに逆に引っ込めるのは酒場のおじさんがやってくれるので、楽だ。


 「はい!お待ち!」


 「お~!待った待った。いただきます!今日は陰の話でいいんだな」


 「なんか有るの?」


 「そうだな。今聞いてた感じだと、纏った時の話が出てなかっただろう」


 「ああ、全身に纏えたり、武器に纏ったり出来るんだよね」


 「そうだ。纏った状態だと更に武器や防具の能力に補正がかかるぞ。つまり纏っただけで防御力や攻撃力が上がる。更に陰によっては纏ったまま動かす事が出来る」


 「纏ったまま動かす?」


 「そうだ。本当に陰によるが、例えば纏った尻尾や腕だけ、別に独立して動かせる陰も居る」


 「ええ、って事は腕が四本?」


 「まあ、自分の腕と同じようには使えないけどな」


 もし・・・もしだぞ。自分の陰が纏ったまま動かせるタイプなら、陰だけ動かして、相手に陰で<掴み>を発動できるのか?


 いや、待て・・・それって、掴んだまま陰を通して気脈術とか使えるのか?そしたら、便利どころじゃないんだが?


 「(ねぇ、纏ったまま腕とか別に使えるの?)」


 『契約すれば使えるよ。身体能力の加算は少ないし、使役しても小さいから戦えないけど、全身に纏っても、両腕と両足と尻尾を使えるよ。拘束と壁とか何も無いところにくっつく力だけね』


 「(ちょっと荷物持ったり、自分の精神力通したり、術通したりは?)」


 『やってみないと分からないかな』


 なるほどな。可能性は無くも無い!ブロックして、そのまま陰の腕で相手を掴んで 気脈術 とか激熱!


 後ろから襲ってきた相手を尻尾で拘束したり出来れば囲まれてもめっちゃ戦える?


 新たな戦闘構想が浮いては消えて、テンションあがってきた。


 「うっし!もう一品作りますかね!」


 今日はしょうが焼き定食だったけど、豚汁も追加しちゃおうかな~。


 誰が言ったか、情報収集は酒場からって昔から定番だけど、ホントなんだな。

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