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463.続・聞き込み

 まあ、この陰とは何とか一緒に外に出たいなとは思うが、それはつまり昔のエルフとは別の方法で外に出る方法を探さなきゃいけないって事だ。


 まあ、が~んば~るぞ~。


 落ち着いて外に出る方法を探すにも、まずはやらかしそうなヒトを探さなきゃな・・・。


 ここは一つ罠を張るか!普通にご飯作って話聞いてても、いつもの事でしかない。


 敢えて怪しげな行動をとる事で、余所者に邪魔される前に脅しを掛けようって奴がいないかな~?


 この作戦がうまく行くのは相手が強気タイプの時だろう。


 つまり、この前の闘技大会予選をやってた人達を対象に調べてますよ感を出していけば、入れ食いって訳よ。後ろ暗い所があればだけども。


 そんな事を考えていると、鎖分銅使いのエルフが向こうからやってくる。


 はい!チャ~ンス!


 そこいらで、飲んだくれてるエルフに近づき酒を出して尋ねる。敢えてちょっと小さい声でだ。


 大きい声でアピールしたいのは山々だが、後ろ暗い人間ってのは、他人の噂が妙に気になるもんだ。


 つまり小さい声でしゃべられれば、しゃべられるほど気になってしょうがないとそういう寸法さ!


 「なぁ、最近ちと様子がおかしいと思わないか?何でもいいから教えて欲しいんだけどな」


 「あーん?なんだってんだよ。気持ちよく酒飲んで寝てるってのによ」


 「じゃあ、これ飲んでもうちょっと気持ちよくなったらいいじゃないか。自分もさ折角この街に慣れてきたんだ。何事も無く静かに過ごしたいんだよ。何が起きてるかだけでも知りたいんだよ」


 「あー・・・あんた酒場で飯作ってる丸耳か、そんなに様子がおかしいか?天界派がこそこそしてるのも、結束派がわいわいやってるのも、いつもの事だから気にしなくていいぞ?何か事あるごとにテンション上がっちまうんだあいつら」

 

 あっれーーー?普通に情報手に入っちゃったぞ。


 「その二派についてもうちょっと知りたいんだけど」


 「あー・・・嫌だよ・・・寝かせてくれ」


 「そっか、悪かったね。お酒置いていくから、風邪ひかない様にね。お休み」


 「お休み~・・・zzz」


 鎖分銅使いはどっか行っちゃったか。


 さて、気を取り直して普通に情報収集しますかね。なんか結構普通に情報手に入るし、お酒出して聞けばいいだけの話だったとはな。


 取り合えず、道端で酒飲んで寝込んでるヒト達に聞き込みを続けると、


 天界派ってのは、西の山の上に残ったエルフの様に力があれば、いつか天界に行けるって考え方らしい。


 天界って言っても、要はここよりはずっと上の方って位の意味らしいけど。


 力が無いから、安全なこの地に留め置かれてるって考え方らしい。


 力をつければ、平和じゃなくてももう少し上に行けるのだろうと、そうすればここよりもう少し広い世界を見れるんじゃないかって、考えてるんだってさ。


 まあ、平和になれば勝手に出られるんだって言うよりは向上心があるって、何となく維持派に対して自分達の方が意識が高いと、そんな感じらしい。


 別に今の平和を維持するのも、もっと危険な世界に行くのも、どっちが上という事も無いと思うが?


 実際、治安維持のお姉さんの方が強いわけで、向上心云々に実力が追いついて無いじゃん。


 もう一派が結束派な訳だけど、


 要は結束し、もっと大きな力を使いこなせるようになれば、外に出られるって言う考え方の派閥。


 世界樹の根を使い切ってしまった責任故に今はこの地下世界にいるけども、結束出来るようになれば、晴れて外の世界で戦う資格が与えられると考えてる派閥。


 随分と戦闘脳だが、集団戦研究家なのかね。


 だとしたら、ちょっと教えてもらいたい位だがな~。自分は大人数率いれるけど、ソタローとかの方が実際の指揮はうまいんじゃないかとか思っちゃうもんな。


 まあ、いずれにしても、平和になったら出られると言うよりは、強くなれば出られるって考え方らしい。


 他の種族みたいに出る方法を探すと言うより、今は出られない理由があるんだ!みたいな?


 やっぱり、元々この地にいた種族と外からこの地に来た種族じゃ感覚が違うのかね。


 さて、どっちがやらかしそうなんだろうな~。


 いずれにしても、力をつけようって話だから、戦闘得意な人達かな。


 って事は、闘技大会予選出てたエルフ狙い撃ちは、そう間違っちゃいないか?


 よく話すのは、武器屋のおじさん。鎖分銅使い。


 でも、今こっちを見て近づいてくるのは、狼の陰と槍使いのエルフ。


 「なんか、こそこそ嗅ぎまわってるらしいな」


 「こそこそしてるかな?自分としては折角静かに隠れられる場所が、変な感じがするから何が起きてるか知りたいだけなんだけど」


 「なるほどな。やめろって言ってもやめないんだろ?ならこうしよう。この街では、どうしても話し合いで決まらない事の決着をつける方法がある」


 「へーそんな方法があったんだ?比較的話しやすいヒトばかりで、困った事なかったからね」


 「どうしたって意見が合わない事もあるさ。だから闘技場があるってわけだ」


 「それじゃ、ただ強いだけのヒトの意見が通っちゃうじゃん」


 「結局の所、強い者が纏める必要があるのさ。もし横暴な者がいれば他種族に仲裁を頼む事もあるが、種族内でのちょっとした揉め事は何か方法を決めて勝負するしか無いさ」


 「なるほどね、それでどんな方法で勝負する?酒で決めてもいいよ?何なら一番平和じゃない?」


 「はは、それは魅力的な提案だが、闘技場だぞ?」

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