460.ペペロンチーノ
まずはニンニクをスライス!薄切りたっぷり!
そして〔火辛子〕を細かめに切っていく。
ちなみに〔火辛子〕は端っこをちょっと噛んだだけで、尋常じゃない辛さの唐辛子だった。もう、馬乳酒で何とかかんとか流し込んだよね。
パスタを茹でて~茹で汁を少しだけ残していく~。
からの~~~たっぷりオリーブオイル!ニンニクを炒めて香りが出てきたら〔火辛子〕と茹で汁とパスタを投入、塩コショウで味調えて!完成!
「はいはい、辛いから気をつけて食いねぇ!」
白蜘蛛に報告に行ったら、黒蜘蛛といつものイタチも一緒にいたので、手に入れた辛子を使った料理でも出そうかって言う流れ。
「おお~これが赤い川で取れる植物か~すごーーい!この赤いのが辛いの?こんなの生えてたんだね~」
「確かに初めて見た気がするな。もしかしたら誰も食べられる物だと思わなかったのか?」
「まあ、辛いっていうのがどれほどの物なんだろうな。取り合えずいただくわ」
そして、三人共割と普通に食べ進める。
「辛いけど、美味しいな~。こういうのもっと色んな所にあるのかな~?」
「そうだな、俺達が知らない食材がもっとあってもおかしくないな」
「うん、体が芯から温まってくるな。これなら北の寒い地域の奥までいけるかもしれないな。この赤いのもっと貰えるか?」
「いいよ。でもそのまま齧ると辛すぎたから、油で炒めるなり、もしくはお酒に漬けて置くなりした方がいいよ」
「辛いお酒にするの?」
「いや、食べるものにちょっとかけるだけで、辛くできるし、辛さの調整し易いから」
「なるほどな。そういう形にすれば、体が温まるものを食し易くなるって訳か。面白い事を知ってるものだな」
「まあ、今回の収穫はそんな所、赤い川の先に進もうと思ったけど、溶岩被った化け物に追い回されただけだったわ。流石に無理だな」
「俺は南は暑くて手伝えないからな~」
「私は手伝うよ!一緒に倒そうよ!」
「いや、100人位必要だし、溶岩てあの赤い川を被った状態ってことだよ?糸燃えない?」
「そうなると、俺とうちの者達しか行けないのか・・・、しかし追い掛け回してくるだなんて、大昔の赤い川の主のようだな」
「あれ?あれが主か?じゃあ黒蜘蛛があいつ引っ張って行ってくれれば、自分と白蜘蛛で取り合えず南に抜ける事は出来るのか?」
「え?じゃあ、大昔の主は凍ったんじゃなくて、赤い川に戻ったのか?」
「いや、絶望の壁の所に凍ったまま、いたよ。下手な事して動き出されても困るから放って置いたけども」
「???何がなんだか、分からなくなって来たよ?私は南から外に出られるの?出られないの?」
「赤い川の主がいた場所の奥がどうなってるか分からないね。後は黒蜘蛛が大昔のヒトみたいに絶望の壁まで逃げられるのか」
「残念ながら、足の速くなる陰って言うのに会った事が無くてな。走るのが好きならきっと相性もいい筈なんだが」
「え?ナメクジみたいな陰じゃなくて?めっちゃ早かったけど」
「そんな陰がいたのか。探してみるとしよう」
「じゃあ、その陰が見つかれば外に出られるんだ!」
「白蜘蛛一人だけ出るつもりなの?」
「い、いや違うけど??一旦出て色々持ち帰って、今度は皆で出る方法を探そうって事だよ??」
「「「ふーん」」」
「まあ、何はともあれ、足が速くなる陰と契約できれば、一歩話が進むな」
「そうだな、それよりお前は何で、向こうが煩くなったんだ?」
「あっそれ!私聞いたよ!何か邪神の化身倒したら、絡まれるようになっちゃったんだって」
「そうだね。自分は当分ここでいいや」
「ここでいいって事は、どこか行きたい場所も無いのか?」
「まあ、今のところはね」
そんなこんな、解決はしないが何となく話が進んだところで、エルフの街の治安維持のお姉さんがどこからともなく現れた。
「うまそうな匂いさせてるね」
「珍しいねこんな所に、食べる?」
「そうしたいのは山々だけどね。話があるんだ」
「そう?長くなりそう?」
「ちょっとね。面倒事を頼めればと思ってね」
「そう・・・、じゃあ、そう言うことだから街に戻るわ!また何かあったら、声かけてよ」
「うん!またね!何かまた見つけたら教えてね」
そして、エルフのお姉さんと連れ立って、何も無い平原を歩く。
「それで、わざわざこっちまで来るって事は街じゃ話せないことなんでしょ?」
「そうだね、調べ事をしてもらいたいんだが、心得はあるかい?」
「心得は無いけど、経験はあるよ。ヒトに話聞いたりするくらいならね」
「そいつは重畳、正にそれをやって欲しいんだ」
「なんでまた、自分に?余所者だし、そこまでまだ信用されて無くない?」
「信用はされてるさ、そこにうまい食事と酒があれば、ぽろっと出ちまう真実を知りたいのさ」
「仲間同士で、疑心暗鬼なんて、狭いコミュニティなのにあまり宜しくないね」
「仕方ないさ。別に何したところで他人に迷惑さえかけなければ、何も言う気は無いしね。でも迷惑かけそうだったら止めなきゃなんないし、面倒な事だが私の仕事なんでね。手伝ってくれるかい?」
「いいよ。分かった」