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453/613

453.久々の【訓練】

 黒蜘蛛のお誘いで【訓練】の日。


 この地域でも勿論怪我しても問題ない【訓練】場所ってのはちゃんと用意されてた。


 まあ、何があるわけでもない、平原のど真ん中に砂のひいてあるだけの【訓練】場だけどさ。


 でも、この前の闘技大会で戦ってるところ見て興味あったし、結構楽しめてる。


 予想通りの出入りの早さ。多足だから全然バランス崩れないんだよな~。


 からの、突き!頭上から来る突きに反応するのは、殺気感じられなかったら無理だったなこりゃ。


 そして、距離を詰めれば、下半身蜘蛛部の鎌攻撃!


 うん、隙が無い。


 と言うわけで、攻撃を誘う方法でやってる。自分下がれば下がるほど、攻撃の手が増える。


 ある程度攻撃パターンを読んだ所で、あわせ易い頭上からの突きをブロック、硬直が発生し、黒蜘蛛の動きが止まる。


 ちゃんと上半身も下半身も止まった。上下バラバラだったらどうしようかと思ったわ。


 ん~ブロック有効なら、やり様はいくらでもあるな。氷剣術 氷点で凍らせてからの大ダメージ狙いとか。


 脚を一本づつ部位破壊に持ち込んでもいい。


 そんな事を考えつつ、頭上からの槍を避け続けていると、避けた槍がそのまま地面に突き刺さり、


 そして、足元からの殺気を避けると、自分の立っていた場所に石が生えた。


 <石精術>を使うとは聞いてたけど、硬くなる系の性質のみじゃなかったのか?<石槍術>とかだと、鎌まで石精使える意味が分からないしな。


 それとも体内に流す系は別なのか?自分が完全にそれだもんな。


 今度は明らかに間合いの外から槍を振ってきたと思ったら、槍の長さが伸びたので、剣でブロック。


 それまでとは明らかに違う重さに、やはり<石精術>を使ったのだと分かる。


 石精いいな~。純粋防御アップに、間合い操作、重量操作、範囲または中距離の地面からの攻撃。


 自分が金属装備に盾持ちとかだったら絶対使ったなこりゃ。


 まあ、結局移動力重視にしちゃったんだから、仕方ない。


 さて、受けて避けてばかりじゃ、向こうも面白く無いか。ちょっと試したいこともあるし、


 剣を一回背中にしまい。ダガーの出番ですよ。と、ダガーを引き抜き逆手に構える。


 自分の腕を掴み、


気脈術 陰気


 相手は自分を見失う。


 うん、完全に見失ってる。タゲ外しも可能である事が証明された。


 そのまま、間合いを詰めると、はっきりと視認出来ていないようだが、勘で振り回してくるのを避け、


 左手の陰の尻尾で槍を絡める。そのまま腕まで絡み伸ばし、


 一気に縮めた勢いで、上半身に間合いを詰め、


 そのまま黒蜘蛛の首を掴み、背中に回りダガーを喉に突きつける。


 「参った」


 「ありがとうございました」


 「流石だな。中々やるようだ。もう少し打ち合っても良いと思うが、小さいのだから飛ばされても困るか」


 「そうだね。石精使いじゃないから重量も変わらないし、一応ブロックさえ成立すれば、それなりに飛ばないんだけど」


 「なるほど、それであれだけ止められたのか。それで、最後に気配が消えたのは<陰精術>か?」


 「そう言う事。正面からやったら、力も防御力もそっちの方が高そうだったから」

 

 「そうか。しかし、契約する陰がそれなのはどうかと思うがな?もう少し力や防御力を補強できる陰と契約できれば、もっと戦いを有利に進められるだろう」


 「皆自分の陰は弱いと思ってるみたいだけど、自分には必要な能力だからいいの」


 「そうか、まあ、結局は相性だからな。その弱い陰と話す事ができて、相性がいいのなら、それもいいさ」


 「ん?弱い陰と話す事って?陰って大抵は話せるじゃん」


 「そんな事ないぞ、相性のいい陰としか話せないと言うのが普通の事だ」


 あれ?何でだ?・・・<言語>があるからか?もう合成しちゃったけど。


 「まあ、いいや。もうちょっと続ける?」


 「うむ、そうだな。ところで、前に邪神の化身を倒したと聞いたが、何千人と力を合わせて倒したそうだな。イタチから聞いたぞ」


 「そりゃね。あんな大きい相手一人で倒せるわけ無いから」


 「すると、お前は何千人を率いる族長か何かなのか?」


 「一応【将軍】ってのが向こうでの階級だけど、向こうならどこの国でも魔物に対応する為に【兵士】を引き出せるんだ」

 

 「ふむ、ちょっと状況が良く分からないが、様々な部族から信頼されていて、戦える者を借り出せると言う事か」


 「そう言うこと。ただし、魔物に関する事に限りね。ここじゃ南にしかいないけど、向こうはどこにでも魔物はいるから、寧ろほとんどが魔物の生存圏だから、戦って生活する場所を確保するしか無いのよ」


 「それは、大変だな。でも、食べる物は豊富なのか」


 「国に寄るね。それぞれ名産を交易しながら協力してるって感じ。自分は【輸送】が主な仕事だったから、各国にある程度顔が利いたし、多少資金も多くあったから食料も大目に買い込んでたって訳」


 「うむ、う~む?」


 「要は、ここじゃ石とか白蜘蛛の糸とか、羊の毛とか割と余ってるじゃない?そういうのを必要としてる所に持って行って、代わりに食料とかを買い込んでくる仕事」


 「ふむ、つまり各部族に顔が利き、戦闘及び物資の調達を担当していた。それなりの地位なのだろうが、偉いのかどうか分からんな」


 「自分は偉いヒトが苦手でね。特に頭ごなしに何か言ってくるヒトとか、下手に出てるふりして実は何も考えないし責任も取らないけど、下手に出てやってるんだから無償で寄越すのが当然だ!みたいな人とか」


 「それは、なんとも状況に寄るが、なんでもかんでもそういう態度では、下は参ってしまうな」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 力の使い方は、一つじゃない人それぞれ。
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