448.種族間闘技大会
闘技大会は各種族から代表1名が勝負するっぽい。
水源のほとり、何にも無い丸いリングフィールド代表者は、
いつもの黒蜘蛛、いつもの白蜘蛛、いつものエルフのお姉さん、ムシャマッシュ、黒いが妙に艶のある毛皮のイタチ。
5人の総当たり戦、勝てば要望を少し聞いてもらえるらしい。
息抜き程度のお祭りって聞いてたけどそれなりの人数がいる。まぁ、外の街程の人口もいないかな。
まさか、全人口ってわけは無いよね?留守番の人とかもいるだろうし、留守番の人が必要かも分からないけど。
まず黒蜘蛛の戦い方はシンプル、前足の鎌がメイン武器。素早く動きバランスが崩れない、さすが八足。
体の大きさから想像出来ないフットワークで左右の動き、距離を詰めるのが早く、下段は前足の鎌、上からはヒトの体で細長い物干し竿のような槍で突く。
これは戦うのが難しそうだ。自分が戦う時の事をつい想定してしまう。
上下同時攻撃だもんな、スピードでかく乱しようにも、相手も結構な早さだ。
距離とって、銃かな。防御手段は乏しそうだし、それしか無いか。いや<石精術>使いか素の防御力を術で補正してるのか?
じゃあ目先を変えて、正面から距離つめれば下段が両側から挟んでくるから、うまくブロックできれば氷剣術で凍らせて、一発大きいの食らわす。
もしくは、槍を掴んで、一瞬動きを止めた所で、陰の尻尾で拘束かな。どの程度まで拘束できるのか試した事なかったな。
いずれにしても、強力な純戦士って感じ、苦戦必死だな。
次は白蜘蛛は糸使い。
中距離戦を完全に支配してる。糸を一瞬で編んで変形、遠距離攻撃は全部防ぐ。
細い糸は視認しづらい上に当たると切れるっぽい。一発のダメージはそこまでではないようだけど、
地面に張り巡らせた糸の結界上にいると、吸収攻撃かな?
この相手は距離詰める以外ないな、強引に詰めて、近接戦闘に持ち込めば何とか。
後はあの糸をどう攻略するかな~。確か火に強いんだよな。
地面の糸は 氷剣術 霜界 で相殺できるかもしれないけど、柔らかい武器って言うのは防ぐのが難しいよな。
基本的には手で操ってるみたいだから、糸を掴んで引っ張りあいに持ち込むくらいしか今のところは思いつかないな。
次は黒いイタチ。
毛が逆立ち、そのまま固定されている。素手でいったら刺さる。ナチュラルカウンター。
高防御でちょっとやそっとの攻撃では崩れない。攻撃手段は鋭い爪。
しまいには、地面を爪で削り砂かけでダメージが出るから、範囲攻撃もあり。
挙句には陰と契約していた。毛の色が抜けたと思ったら、爪に纏いなおし、飛ぶ爪の斬撃。
抉るような強力な爪攻撃が、連続で飛ぶ。
うん、これも距離詰めてやるしかない。爪をブロック出来るかどうかが肝だな。
戦士タイプだし、正面からやればなんとかなる・・・かな?
中距離は相手の飛ぶ爪の斬撃の方が手数が多いし、押し負ける未来しか見えない。
うん、やっぱり自分はまだ離れて戦う攻撃手段が乏しいな~。
後は、エルフのお姉さん。
背中から生える陰の6本脚が面倒だな。近距離では手数に繋がるし、いざ逃げる時は6本脚をうまく使って軌道がなんかおかしい。
しかもよく見ると6本脚は長さが結構自在に変わってるように見える。他種族との体格差を簡単に埋めてる。
手に持ったナイフの雷精攻撃は攻撃にそのまま使っているようで、ガイヤの電光石火みたいな事はしてこないけど、
雷撃ってそのままで十分威力があるな。当たれば一瞬だけど相手が怯んでるし、
攻撃同士がぶつかるだけで、一瞬相手が止まるなら、それだけで有利じゃん。武器のぶつけ合いで不利になるとかどう戦えばいいんだ?
氷精纏って、どれだけ軽減できるかだよな。装備やなんかでも氷精は強化してるけどそれに<青蓮地獄>使って、雷撃軽減できるかな~?次第。
でも、まあ最後は真打ムシャマッシュ。
まずは、頭から胞子を噴出させてフィールド支配。効果は複数の状態異常っぽい。
これだけで、困っちゃう。そう言えば状態異常に対策した方がいいって、前に剣聖の弟子に言われてたかもな。
一応吸う系の状態異常にはストールのおかげで対応できるけど、麻痺睡眠は対応してなかったし、
体にくっついた胞子から、茸が生えて精神力を奪っているようなんだけど、それってどんな状態異常?
戦闘は肉弾戦!って感じなんだけど、これもおかしい。
黒蜘蛛にスピードで互角かそれ以上。案の定槍を掴み、力勝負に持ち込めばムシャマッシュの勝ち。
白蜘蛛は糸という糸に茸が生えて精神力を吸い尽くされて、肉弾戦であっさり負け。
イタチは痛みを感じないかのように、硬いはずの毛皮の上から鉄山靠でぶっ飛ばす。
エルフのお姉さんは頑張ったけど、二本腕で、6本脚と二本のナイフを全部捌かれ、崩拳で文字通り崩れ落ちた。
うん、優勝はムシャマッシュ。どんな生き物だよ!
まず、状態異常に対策して、接近戦でどこまでやれるか?いや強すぎ訳分からん。