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442.治安の悪い闘技場

 ログインして、早速騒がしい場所を探す。


 前回は雷精の祭殿まで行って<雷精術>を取得したかったのだが、氷精と相性が悪くて出来ませんでした!


 くそ!同じ陰仲間じゃなかったのか!


 どうやら自分は氷精の力を纏うと雷精に対してそれなりに耐性が得られるらしいって事だけは教わった。氷は半導体だからってことなのか!水とか金とかとは相性がいいとかそう言うことなのか!


 前に闘技場でガイヤの電光石火で麻痺喰らったのは相当運が悪かったのか・・・。それとも麻痺自体が低確率で設定されてた効果だったからなのか。


 まあ、仕方なし、自分は氷精軸なんだから氷精と相性のいい精霊を探すっきゃない。


 いずれ精霊探しの旅もいいかもしれないな。


 さて、騒がしい街外れに向かうと、荒廃した未来世界かよっていいたくなる金網。


 金網デスマッチは自分もやった事あるけどさ。


 老若男女が随分と熱狂している。でっかいボードが掲げられているのは賭け事の表かね。


 自分には誰が誰だか分からないので、別に賭ける相手もいない。


 のんびり観戦と行きましょうか。


 今戦っているのは、絡んできたけど手出しはしてこなかった奴と、全然知らないエルフ。


 どうやら手出ししてこなかったエルフはちゃんとした戦闘員だったらしく、武器持ちだ。


 道理で街中で手出ししてこない訳だ。絡んだり脅したりしたとしても武器を抜くタイミングはわきまえていると。


 武器は鎖分銅?結構な距離から相手にぶつけに行く。


 相手は使役タイプなのか陰の後ろに隠れてる。陰はちょっと大きめのゴリラ。自分より二回りくらい大きいかな。どうやって倒したんだか?・・・そうか仲が良くなって使役する事もあるのか。


 ゴリラに分銅の先がぶつかる度、雷電が弾ける。


 分銅の打撃に雷精の感電攻撃が上乗せされてるのか、中々カッコイイじゃない?


 ゴリラもさる者で、攻撃を喰らいながら前に出る。


 そして、いかにもな豪腕で殴りつけるが、分銅使いの空いた手から、しゅるしゅると蛇の陰が伸び、ゴリラの腕を絡めとり、完全に関節を決め、拘束した。


 動けないゴリラに鎖を巻きつけ、大技なのだろう。眩いほどの雷電が走り、ゴリラが消え、分銅使いの勝利。


 「消えた陰ってどうなるんだろう」


 『契約してるなら少ししたら普通に戻ってるよ』


 「あっそうなの」


 『契約してない個なら、何処かにまた現れるって聞いてるけど、また会えるかは分かんない』


 次はどっちも知らないエルフ。


 槍と犬?陰の使い手ともう一人は何も無い。どうなってるんだろう。


 犬?陰がくんくん匂いを嗅ぎまわり、急に一吠え、


 『ウォーン!』


 狼陰だったのかな?


 すると地面から何かがぬるっと出てきて、狼影から逃げ始める。


 トプンッとそこらの地面に溶けては、ぬるっと跳びはね。また溶ける。


 あれか?影を水に見立てて、イルカみたいな姿の陰が飛び跳ねて逃げてるのか?


 陰の中に潜んで奇襲するタイプだったのか、奇襲を見破られて正面戦闘になると弱いとか。


 その内、狼に追い立てられ槍使いの前で飛び跳ねた所を一突きされ、さらに雷電が走り消えてしまった。


 やっぱり、攻撃の度に雷精攻撃ってのはロマンがあるな~うらやましい。


 お次はいつも手紙の仕事を持ってくるお姉さんと、使役型のデカイ蜘蛛陰(アラクネでは無い)使い。


 蜘蛛陰がいきなりお姉さんにお尻を向けると陰の糸を網状に射出。


 あっという間に、数歩下がり金網にぶつかり、金網に背中をつけたまま登るお姉さん。


 どうやらスカーフが変形して、お姉さんの服の上から纏い、背中側に生える脚で登ってる。


 蜘蛛陰も負けじと追いかける。


 しかし、金網の天辺から蜘蛛陰を飛び越え、蜘蛛陰使いを直接狙い腰の大型ナイフを引き抜きながら襲撃するお姉さん。


 あっという間に試合が終わってしまった。もう少しあの背中から生えた脚の使い方とか見たかったな。


 その後も何戦も試合が続く。どういう組み合わせなのか分からないが、勝ったヒトも負けたヒトも何度か戦っているところから、リーグ戦的な感じなんだろう。


 陰の特殊能力が徐々に理解出来てくる。


 本当に普通に体が強いゴリラみたいな陰がいれば、一見どこにいるか分からない潜伏タイプ陰もいれば、武器のように扱える陰もいれば、って感じ。


 お姉さんの陰は本当に良く分からない。脚が生えてるので多分虫系だろうと思うけど。

 

 背中で走れるし、金網登るし、背中からの奇襲に対応するし、


 後ろ専門かと思ったら、お姉さんのナイフの連続攻撃に連携して、相手に脚で攻撃するし。


 6本の多脚なので、手数が数倍に増えてるのは完全におかしい。


 因みに武器屋のおじさんも出場していた。


 おじさんの陰は本当に壁。


 どんな生物だよって言いたいけど、壁なんだよな。地面から生えてきて、どうあがいても近寄らせない。


 大きさと硬さが自由自在って言ってたけど、普通にずるい。でも奇襲型にはすり抜けられて背後から攻撃されてたけどさ。


 さて、そろそろ何か作るか。なんかこの前お米食べさせたらいたく気に入ってたんだよな~。


 和食系が好みにあうのかね~。


 定番だけど肉じゃがとか作ってみるか?


 牛肉の薄切りとじゃがいも、人参、玉ねぎ。和風だしがないからスープ用の青い瓶でいいか。醤油と砂糖。

 

 肉と玉ねぎを炒めて、じゃがいも人参は電子レンジ無いから、蒸かすかな。


 火が通ればそれでいいのだ!


 全部火が通った所で、さっきの調味料と水をぶっこみ、水が飛ぶまで煮込むだけ~。


 あと、葉野菜の胡麻和え。余ったじゃがいもと玉ねぎの味噌汁。米!


 完璧じゃん!


 優勝はお姉さんだったので、お姉さんが一瞬で喰らい尽くした。


 まあ、自分の雑飯でそこまで喜んでくれるなら別にいいけども。


 多分ほっとするような味に仕上がったと思うんだがな~。


 っていうか、一応街のヒトが集まる大会で優勝するお姉さんは、どんな職業のヒトなのか聞いたら、


 一応この街の治安維持のヒトでした。そりゃ街で最強です。

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