423.新衣装
「やあ、クラーヴンできたって？」
「イラッシャイマセ ゴヨウムキ ヲ オウカガイシマス」
えっと？ゴドレンの店に入った筈が、なんかロボットに出迎えられたんだけど、どうしよう？
「クラーヴン技師長 ニ ゴヨウ デスネ？？？」
「えっと、そうです」
「おう、待たせたな」
「えっと、このロボットは？」
「よく分からないんだが、アップデート後に始まった古代のごみのリサイクルクエストがあってな。そこで拾った」
「全然訳わかんないんだけど」
「まあ、ネジやら歯車やらが山ほど落ちてるから、何かに使いつつ片付けてくれって言う生産系クエストだ。何かは分からないが、大昔に施設か何かが大破したあとみたいでな」
「そこで拾ったんだ？ロボット」
「ああ、拾った瞬間しゃべったから、直してやろうかと思ってな。まだ喋るしかできないが、どうやら大事な任務の途中だったことだけは覚えてるらしくて、早く動けるようになりたいそうだ」
「それで、直してやる代わりに店番させてると」
「まあ、用件聞いて俺を呼ぶとか、伝言くらいなら出来るからな」
「ふーん、それで？装備は出来た？」
「ああ、まずはこの剣を持ってみろ」
渡されたのは、黒い古代の剣って感じ。グラディウスよりさらに古いイメージの柄も鍔も剣と一体になってるシンプル剣。グリップだけ皮紐が巻かれているが何となく日本刀の柄っぽくも見える。
「え？これ、凄いしっくりくる」
つい、体の横や頭上で回すが、羽の様に軽くそれでいて遠心力が鋭くかかり、自分に手に納まるように作られた剣としか思えない。
「そうか、剣魂使ったからな。霊鳥霊亀の力は引き継がなかったが、素材にアダマンタイトを混ぜて丈夫さとガード性能を上昇させたんだが、重くは無いか？」
「いや、全然。ところでこの刀身の浮き彫りは？おしゃれに目覚めた？」
「ふん！嵐の岬と懇意にしてるアクセ職人と知り合ってな。ちょっとその浮き彫りに触れて、精神力流し込んでみろ」
言われるまま、精神力を流し込むと剣の回りに雪の結晶の様なエフェクトがふわふわ浮いては消える。
「これは、もしかして腕輪の能力？」
「そうだな。氷精ダメージ及びデバフ効果上昇と耐性貫通。腕輪の方は無消費だったんだろうが、こっちは精神力が必要になるぞ」
「いや、十分！まさかあの能力を再現してくれるとは！流石クラーヴン」
「まあ、剣が問題なかったら後は一気に出して行くぞ。まず、銃はほんとに補修程度だが、装填時間と威力が向上してるはずだ。次にダガーは基本は変わらんが装備スキルに＜復讐＞追加しておいたぞ」
銃の見た目は変わらないが、ダガーは前と比べればかなり細い。突き刺せるように両刃だが、アシンメトリーになっているのはナイフとして使いやすくするためだろう。
しかし、ダガーを逆手持ちでも使う自分としては細い方が使いやすそうだ。
「このダガーはいいな。使いやすそうじゃん」
「それなら良かったな。防具関連はコージァからだ。まずは全身タイツ」
ほぼ黒に近い濃いグレーの全身タイツ。かなり薄手で競泳水着に近い。
「うん、絶対くると思ってた。けど七分丈じゃん」
「左腕の＜粧印術＞を出しておきたいんだろ？次が手袋、あと右腕用の筒籠手」
手袋はシンプルな黒皮に手首を絞められる様にベルトが一本。
筒籠手も黒、装甲に当たるであろう甲殻が若干緑がかった光を反射する。
「ほーん、ベルトで左脇に留められる様になってるんだ。剣闘士のマニカみたい。何で右手だけ籠手？」
「右手で剣を振ることが多いだろ？因みに装備スキルに＜防御＞がついてるから取得しておけよ。ガード性能上げる補助スキルだ」
「了解＜防御＞ね。ガード性能上がるのは助かる以外何も無いし分かったよ」
「後は、ブーツと防護ズボンと防護ベスト」
「おっズボンだ！やった！」
「股がタイツだけだと辛かろうってさ。内側に股当て腿当、膝当がくっついてるから、穿くだけで下半身防具になる。ベストも内側がプロテクターを連結してあるが、隙間が見えない様に外側は一枚に見えてる。いずれにせよ変身できなくなったお前さんが着用しやすいように設計されてる」
ブーツは黒くて、足にぴったりフィットする皮長靴。ズボンは膝がぴたっとすぼまって膝当だけは存在感があるが、他のプロテクターは外からじゃ分からない。
ベストに関しては、Tシャツみたいに着るだけだが、着てみれば、防護感に安心できる。意匠がお寺風というかなんと言うか、毘沙門天とかの鎧を控えめにしたようになってる。お洒落はお洒落。
「なんか、全体的に黒いけど、形とか柄とか着やすさについては文句ないかな。でもなんかさ。デザインがいつもと雰囲気違わない？」
「まあ、お前さんに丁度いいような効果もついてるからその辺はおいおい確認しろ。後、デザインはもう【帝国】だけの【兵士】じゃないんだから大丈夫だろ」
「まあ、そう言われればそうか」
「それより左腕防具は肘当な。あとバンクル、これも直してさらに石も追加しておいたから、効果も増えてるぞ。それにベルトな、腰からホルスターを下げて、腿に縛る用のベルトがついてるから、ナイフは右手の逆手抜き。左は銃用ホルスターになってるぞ」
「おお！至れり尽くせりだな！肘当もサポーターみたいで全然邪魔にならないし。いい仕事してる～」
「あとは顔だな。まず長い幅広ストール作ったから、これで首と肩を隠すんだな。戦闘時口も隠せば、霧状のデバフに耐性だ。後は鼻から額まで守れる仮面兼ゴーグル兼額当。そして珍しく耳が出てるからイヤリングも作ってやったぞ。これで完成だ」
黒いストールを緩く巻き、片耳に黒い羽のイヤリング、そして仮面を装着する。額部からは小振りの角が斜め上に生え。仮面は目の部分が黒いガラスの入ったスリットで、なんかSF鬼って感じだけど、何となく不気味。
「一応、全部装着してみたけど、どんな感じ？自分では思った以上にいいんだけど」
「いい出来だな。全体的に真っ黒だし、完全にファンタジー忍者の出来上がりだ。腕が剥き出しなのがどうかと思ったが、逆に所属する組織の紋章にも見えるし、有りだな！」
「ふぁ・・・ファンタジーNINJA？？？謀ったなー！自分で遊びやがってー！」
思わずゴドレンの店を飛び出した。
「あいつ大丈夫か？＜疾走＞とか通常の移動速度にも補正がかかるようになって足とか前より速くなってるのに、他人にぶつからないか？・・・あっ屋根の上走ってるから大丈夫そうだな。さすがNINJA」
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雪竜舌蘭-黒- ・・・氷精効果補正
耐久〔特大〕
耐熱耐暑
ガード貫通ダメージ軽減
装備スキル＜殴剣＞
打撃補正
氷牙 ・・・氷精効果補正
装備スキル＜採集＞＜復讐＞＜ダガー＞
銃 ・・・散弾
アスリート鎧下・・・装備スキル＜水泳＞
＜水泳＞＜疾走＞＜登攀＞＜跳躍＞補正
心身力補正
耐寒耐暑
防護長靴 ・・・打撃耐性
装備スキル＜疾走＞＜跳躍＞
＜疾走＞＜跳躍＞＜登攀＞補正
防護洋袴 ・・・斬撃・打撃耐性
耐寒耐暑
防護装甲 ・・・打撃・斬撃・射突・術耐性
耐寒耐暑
防護手袋 ・・・握力補正（特大）
腕力補正
装備スキル＜登攀＞＜掴み＞＜組討＞
＜登攀＞補正
防護筒籠手 ・・・打撃・斬撃・射突耐性
ガード
装備スキル＜防御＞
＜防御＞補正
防護肘当 ・・・打撃・斬撃耐性
転倒ダメージ軽減
黒羅紗襟巻 ・・・毒・猛毒・病毒・衰弱毒耐性
耐寒耐冷
視認妨害
気配低下
未来型鬼面 ・・・装備スキル＜威圧＞＜分析＞＜索眼＞
視覚保護
暗視
気絶耐性
黒羽の耳飾 ・・・装備者及び、装備者が率いる隊の行軍速度上昇
装備者及び、装備者が率いる隊の戦闘時初期士気値補正
黒帯 ・・・装備許容重量補正
筋力（全身）補正
酒呑の親友 ・・・自然回復補正（大）
心身力補正
酩酊耐性
酩酊症状軽減
