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416.対邪神の化身追い込み

 落下したカブトムシと切り落とされた角。


 二手に別れ、全員で激しく攻撃を浴びせていく。


 切り落とされた角の方は、透明な壁を発生させながら、その内部で形態変化をしようとしている。

 

 しかし、形態変化の途中で魔素が切れてしまったのだろう。


 壁が消え、どんな形態になるのかも分からぬまま、


 「もらったよ!電光石火ぁぁぁぁ!」


 どこに隠れていたのか、ガイヤが破壊してしまう。右手には珍しく金属のナックルをはめている事から、それが宝拳なんだろう。


 集団戦でいまいち出番が無いな~とおもってたら、ここぞという時に美味しい所持って行くのが、流石だな。


 「なんでガイヤ、馬に追いついてるのさ」


 「わしが、乗せてやったんじゃ。何だかんだ長い付き合いじゃしの。どうしても参加したいと言ってのぅ」


 「悪いねじいさん!助かったよ」


 そっか、ガイヤも騎士殿もβプレイヤーか、まだ人が少なかった頃に面識があるんだろうな。


 さて、後はカブトムシだが、なんかいつの間にか追いついた三羽烏が、角に鎖をかけてる。


 それを他のプレイヤーも一緒に引っ張って、破滅の光を撃たせない様にしたいらしい。


 さらには、尻尾も尻尾で、地面に突き立てようとする瞬間を狙って、妨害。


 例の衝撃波の地震も起こさせない。


 しかし、流石にカブトムシの形をしているだけあって、相当な膂力で、鎖を引っ張るプレイヤーを振り廻し、


 尻尾はしっぽで地震は起こせなくとも振り回すだけで、プレイヤーがやはり吹っ飛ぶ。


 一部重騎のタンク職だけは踏みとどまるが、中々決めきれない。


 シンプルにでかくて重量があってパワーがある相手が暴れまわるだけで、被害が増える。


 術騎兵もついてきているが<法術>の心得がある者は限られ、そろそろ回復手段が欲しい。


 騎士殿の強力な攻撃が時折敵の動きを止めてくれるのが、救いだ。


 とにかく我慢しどころと、攻撃を続けつつも無理に突っ込まず、避けたりガードしたりできる距離を保ち、ちくちくダメージを蓄積させていく。


 そして、三本あった角のうち、中央の一本に先に聖石が露出、赤騎士がとどめをさし、


 カブトムシは魔素と霊子に変わる。


 その内側に、待っていたかのようなトカゲ。


 尻尾が衝撃波、ちょろちょろと口から見える舌先が鋭く鋭利になっている事から必殺の剣か?


 完全に連戦だなこりゃ。 


 カブトムシよりさらに俊敏な動きで、尻尾を地面に突きたて、地震を起こす。


 自分は上に<跳躍>からの二段ジャンプで、トカゲを上段から斬り伏せる・・・?


 剣が当たる直前で姿が消えたトカゲ。


 「ぎゃぁ!」「ぐわ!」「そんな防御したのに」「何だってんだ!」


 方々から悲鳴が上がる。


 「どうやら瞬間移動からの必殺みたいですね。真似されました」


 「追える?」


 「次に行く先が読めません」


 「どうやら、フルプレートの者からやられているようじゃの。しかも斬られて数秒は生きてるようじゃ」


 「確かに、斬られてから叫んでるね」


 「僕の体感で2秒位ですかね。だからと言って何が出来るわけでもありませんが」


 「補助術使える者は適当にバフ撒いてみて!直接ダメージじゃなくて死ぬ状態異常かもしれないから、何かで治せるかも分からないし」


 「ふむ、望み薄そうじゃの、わしが何とかするからトドメは任せたのじゃ」


 「え?騎士殿も奥義か何かで、斬られた瞬間に斬り返せるの?」


 「わしの奥義は全身を連動させて、体中の力を使い強力な攻撃を行うものじゃ」


 「ああ、あれであの威力なんだ。便利でいいな・・・ってそうじゃない!じゃあ、どうやって何とかするの?」


 「こんな事もあろうかと用意しておいたのじゃ」


 そして、取り出すのはフェニックスフレアボム。


 「え?自爆」


 「そうじゃ、後は若い者に任せるでの。頼んだぞ」


 それ、自分がやりたかったやつ。


 近くにいた剣聖の弟子に引っ張られ、騎士殿から引き離され、会話を聞いていたプレイヤー達も一斉に騎士殿から距離を取る。


 トカゲが、騎士殿の背後に現れるなり、舌を突き刺す。


 そのまま、引き抜く隙も与えず、大爆発。


 衝撃に吹き飛んだトカゲを剣聖の弟子が縮地で飛び、切伏せる。


 大口あけた所に切り札フェニックスフレアボムは効いたのか、剣聖の弟子の攻撃をまともに受け、


 それでも二撃目は瞬間移動でかわし、


 そして、今度は自分の背後でフェニックスフレアボムが炸裂する。


 どうやら、青騎士も殉じたらしい。


 再び吹っ飛ばされたトカゲを、肩から炎を噴出させるガイヤが拳で打ち上げ、


 白騎士の細剣の先から飛ぶ細い光線のような術が貫く。


 剣聖の弟子が濃紺の剣閃を飛ばし、それが掠めながら、また瞬間移動。


 さらに爆発。


 見回せば、残るタンク職は皆手にフェニックスフレアボムを持っている。


 人によっては何かに祈るように両手で持って顔の前に掲げて待ち構え、


 また人によっては、力が入りすぎて今にも押しそうなのを堪えているようにしか見えない。


 っていうか、いつのまに皆フェニックスフレアボム持ってるのさ?


 誰か配布でもしたんかな?最悪自爆特攻とかそう言う悪い事考えた奴がいたんだろうな・・・。


 そして、爆破でトカゲが打ち上げられるたびに、他のプレイヤー達の攻撃が集中し、


 トカゲも聖石露出させ、爆発で打ち上げられた所を縮地で飛んだ剣聖の弟子がとどめを刺した。 

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― 新着の感想 ―
[一言] 酷い(笑) 自爆特攻でやられていく邪神(笑)
[一言] 自爆人海戦術は思いつかなかった
[一言] 隊長がメインに進めてきたせいか、最後が隊長の奥義を前提にしてる感ありあり 正直、この自爆殺法なかったら攻略無理くさかったのでは
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