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41.兵長の要請

 ■ 黒の防壁 ■


【黒の森】と【旧都】を結ぶ線上にある防衛ライン

非常に強固な砦だが、迂回して都に向かうルートがある為 都を防衛するためには打って出るしかない


魔物(モンスター)もはじめは直線ルートで向かってくることから 出撃さえすれば都への侵入は防ぐことが可能


///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


 「よう、いいタイミングだぜ。お前に頼みたい任務があるんだ急いで向かってくれないか?」


 「まさか【黒の防壁】ですかね?先輩隊長から怪我人が出てるって聞いてますよ?」


 「それ所じゃねぇ。チータデリーニを故郷に返してやらねぇといけねぇ。急いで【黒の防壁】に詰めて指揮をとってくれ。階級的にもお前さんが行くしかない。」


 「何をそんなに急いでるんですか?そもそもあそこって戦闘用の砦だけど、100人くらいはいつも詰めてるじゃないですか。指揮をとれって自分には無理でしょう?」


 「【士官】なら最低限の基準は満たしてるから、とりあえず行け!そして指揮を引き継げ。<行軍>は取っていたな?」


 「一応、この前取得しましたよ。まだ、初期の『横隊』と習いたての『密集隊形』と『縦隊』しか持ってないですけど」


 「十分だ!そのスキル取得して無いと20人以上の指揮は苦しいからな。ちなみに20人単位で隊形を替えられるからな。例えばルーク隊20人は 横隊 /スペーヒ隊20人は 密集隊形とかな」


 「え?これ二つもセットできるんですか?<指揮>と同じで一つしかつけてなかった」


 「セットできるのは、何も指示をしないときのベースの隊形だ。指示をすれば別の隊形に変更できる。当然隊形を変える時間はかかるがな。戦闘中に隊形を変えるってのは結構難しいもんだ。重装兵に防御を任せてる間に中衛後衛を変隊させるか、いっそ弓隊に牽制させている間に変隊させるのもいいだろう。隊形によって<戦陣術>の効果も上がる場合があるから色々試してみると良い。まあ、はじめのうちは、防御系や攻撃系で分けるのが分かりやすいだろう」


 「兵長、いきなり立て板に水に解説を始めて、教官でも乗り移りましたか?」


 「まぜっかえしてる暇があったら、とっとと準備しろ!<戦陣術>も使い慣れてきてるんだろ?そう聞いてる。術枠もそろそろ増えて良い頃だし、ちゃんとセットして置けよ。魔物(モンスター)相手といえど【黒の防壁】となれば、多少勝手も変わってくる」


 「了解!すぐ準備して行ってきます。」


 とは言えだ。正直なところスキルだらけで何セットしたらいいか分からん。いつの間にか強制でセットされてた<指揮>が外せるようになったのは助かるが、隊を率いるタイプのスキルが多いほうがいいだろうな。


 <軽剣士><不動心>

<防衛圏><戦陣術><行軍>

 <策戦><大樹>


控え

<言語><精神強化><跳躍><分析><小剣><皮殻甲><掴み><指揮><生活><円盾><耐性>

<戦法>

 こんなところか、超不安だ。盾装備しておいた方がいいのかどうか。でも、他に削れる物もないしな。苦しいところだが、行くしかあるまい。とにかく大急ぎで部隊を集めて【黒の防壁】に向かう。


-【黒の防壁】-


 「よう!すまんな!【士官】になってそれほどでもないお前さんにいきなり砦を任せることになるとは、でもお前さんなら出来ると思ってるぜ!別にこのタイミングじゃなくても遠からず100人迄はすぐに率いることになるしな!」

 

 まあ、【下士官】の時も結構早々と20人率いたしな。【輸送】やれって言われてな。あれだろう、【士官】なりたてだと少尉、任務をこなしているうちに大尉とかになるんだろうカピタンっていえば中隊長だろ?確か自分の記憶が正しければ・・・・それよりもだ。


 「思ってたより余裕そうですね。急いでくる必要なかったんじゃないですか?」


 「いや、実はうちの子がな・・・」


 「お子さんに何かあったんですか?もっと慌てましょうよ!」


 「いや、生まれそうなんだ」


 「いや、だったらなおさらもっと慌てましょうよ!ここは自分に任せて早く奥さんのところへ!!」


 「そ、そうか?悪いな。基本的に管理的なことならお前さんのほうが得意だし心配してない。問題は【黒の森】から、魔物(モンスター)が溢れてきた場合だ。砦の兵は自由に采配してくれて良い。お前さんの戦いやすい形でうまく使って、とにかく都に、魔物(モンスター)が入り込まないようにしてくれ!頼むぞ!」


 「了解!だから急いで家帰れって!」


 全くどこぞのブラック企業じゃないんだ。出産の時位奥さんの近くに居てやれって言うんだ。冠婚葬祭病に至るまで、一切休みを認めないのにうちの社員は有給とりたいって言わないんですぅとか自慢をしてる社長を思い出させるな。それどころかいかに社員の休みを削ってさらにそれを個人の裁量でやったことで会社は関係ないんですって顔をするかに血道を上げてるような経営者の顔を思い出すだけで吐き気がする。もうどれくらいの日数休みを取っていないか思い出せないぞ。


 そんな会話をしつつチータデリーニをさっさと追い出し、中隊を編成する。と言っても固さだけが取り得の田舎砦だ、兵科もそんなにバリエーションがあるわけじゃない。


 重装兵20人

 歩兵20人

 弓兵20人

 偵察兵10人

 軽騎兵10人

 衛生兵9人

 それに自分だ。


 本当は自分の部隊の隊長達を20人長として扱いたかったが、まだ経験も能力も不足しているらしい。それを言ったら自分もじゃないかと思うのだが【士官】は少なく、中央から呼び寄せるにもまだいくらか時間がかかるらしい。一応チータデリーニ以外にも交代の中隊長は居るのだが、見たことは無い。自分が居ない間だけ現れるのだろうか?

 

 今使える隊形は 横隊 縦隊 密集隊形

 <戦陣術>は 陣術:方陣 陣術:雁陣 戦術:激励 戦術:戦線維持 戦陣術:後詰

 <策戦>は 兵糧攻


 以上だ。兵糧攻はどういう理屈か知らないが、相手の腹が減る。魔物(モンスター)相手だと結構使いやすい、複数の相手にかかる範囲指定の上、弱体化したり混乱したりたまに凶暴になったりもするが、いずれも弱体化がかかった瞬間、行動が一個キャンセルされるので間を作るのに適している。戦陣術は【座学】や【訓練】で少しづつ増えている。


 とりあえず魔物(モンスター)を迎え撃つ準備は出来た。何事も無ければ良いが、そういうことを言っていると大抵、厄介ごとのほうから向かってくるもんだ。


 「敵襲!!ヤバイです。魔物(モンスター)の群れが、ヤヴァァイっす!!」


 物見に出していた偵察兵が慌てた様子で砦に戻ってきて叫ぶ。


 「どうした!慌てずに敵の種類と数を言え!」


 「敵は、犬型。魔物(モンスター)の群れ数100頭に狼型2頭に明らかなボス個体1頭!」


 「うぉい、いきなり数100頭とかなんぞそれ、とにかく迎え撃たないと都に回りこまれたら、まずい。戦闘配置!!」


 砦の正門前に自分が陣取り、自分を背に砦の守備兵が並ぶ、

 前衛重装兵 

 中衛歩兵 

 弓兵は砦の上から打ち下ろす形で

 衛生兵は自分の両側 

 偵察兵は潜伏  

 軽騎兵は好きに動けるようにやや離れた場所に固まっている。


さあ、いきなりの多人数戦闘だ。胃が痛くなってきた。

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