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395.一方その頃

 - Kingdom Knights -


 「隊長は足にジェットでもついてるのか?」と青騎士


「ブフッ!やめろよ青!キャラが保てねぇんだけど。隊長まじで飛んでった」と白騎士


 「何となくノリで、ジャンプ台とか言っただけなんだけどな。それでも何とかする奴だから、未だに勝てないのかもな」と赤騎士


 「でも、空中に浮く相手に手が届く方法があるから、登るとか言い出したんでしょうから、我々は最善を尽くしました。ここからは敵の手下を殲滅する事に集中しましょう」と金騎士


 「はは!手下っつっても雑魚ばっかりじゃねぇか。数だけ多くても烏合の衆にゃ負けねぇっつうの」と黒騎士


 「雑魚とは言うがな、重装備で固めてる者にはちときつい相手だぞ」


 「そうだな。基本が防御無視攻撃の相手がこんなにワラワラいたんじゃ、戦列組んで防御って訳には行かないし、本隊にソタローを任命したのがいい方向に出たんじゃないか?隊長だとまずは耐えてからだろ?」


 「やられる前にやればいいだろ?相手の耐久力は低いんだ。攻撃特化を数用意して少しでも削ろうって腹なんだろうが、こっちも同じ事をやってやればいい」


 「それだと、無限に湧き出る相手の方が有利になりますね。こちらは死に戻ればペナルティがあるわけですし」


 「そうは言っても、邪天使本体が大砦にぶつかれば、勝ちなんだから、決まった時間を稼げばいいだけじゃねぇか?」


 「それは、あくまで隊長の作戦だな、敵は本当に大砦に突っ込むのか、それで外殻を剥がせるのか、そこは確証は無い筈だぞ?」


 「じゃあ、どうやって勝つんだよ。普通に攻撃してもダメージ与えられない。空中に浮いてて直接殴りにもいけない、そんな相手にどうしろっつうの」


 「いや、だから隊長が直接殴りに行ったじゃないか」


 「ブフッ!だからやめろって、隊長はやっぱりおかしいぜあいつ」


 「まあ、俺達は今やれることをやろうぜ。次は俺の番だな『チャージ!』」


騎戦術 重突撃(チャージ)


 槍を揃えた各種騎兵達が一丸となり戦場を割る。


 - 六華 -


 「自分達じゃ、修行不足で分からないんですけど、隊長はどうなりました?」とクロスボウを持つ男のプレイヤー


 「私の目でもギリギリだけど、本当にあの鐘を登ってるみたいなの」とビエーラ


 「しかし、あんな大きい物に登るには時間もかかるだろうし、大砦(ここ)にぶつかってくるのとどっちが早いですかね。そもそもアレがぶつかってきたらどうします?遠距離攻撃もちは大概ココに集まってますし」


 「分かんない、状況見て逃げるか一緒に消し飛ぶか、どっちでもいいように覚悟だけ決めておくの。あとあのスピードなら、ぶつかってくる前に到達するから、隊長に任せておくの」


 「へ?あの大きさですよ?どんなスピードで登ってるんですか」


 「どう見てもG並みの速さで、登ってるからそう時間はかからないの」


 「Gってあの黒かったり茶色かったりする。かさかさ動く、あれですか?」


 「あれなの。さっ変なこと言ってないで働くの」


 飛んでいるトンボ状の手下が丁度空中で一直線上に並ぶ瞬間を狙い、矢を貫通させ数体を一撃で撃ち落すのだった。


 - ソタローとプレイヤー本隊 -


 「すみません、重甲の方々は盾も鎧もあまり効果が無いとは思いますけど、潤沢な生命力で後衛を守って下さい!」


 「つまり、肉壁になれって事だろ!ならば!『キャストオフ!』」


 それまで装着していた太陽を模したような鎧が弾け飛び、兜以外殆ど裸に全身入れ墨の様な絵柄が刻まれている。


 巨大な両手持ちの大剣をそれまで以上のスピードで振り回す。


 「え?プロミネンスレッドさん、あの姿にこだわりがあったんじゃ?」


 「ふん!ヒーローとは装甲ではない!正義の心こそ人々を照らす日輪となるのだ!あと、大会の時の戦闘員Aの変身が羨ましくて、考え抜いた末に見つけた攻撃特化スタイルだ!」


 「あっそうですか・・・」


 その後も方々で、装甲や大盾を捨てる姿が見受けられる。ソタローの元には集団戦を得意としない、闘技場や個人及びパーティのプレイヤー達が集まっている。


 正直なところ寄せ集めだが、人数的にそれらの者を中核にせざるを得ない。


 それでも、羊の群れを狼に変え無限に増える邪神の化身の手下に抗う。


 「おい!ソタロー、気負わなくていいぞ。まだ嵐の岬(こっち)も余裕あるし、どんどん流せ。責任取るのは隊長だし、お前は好きにやっていいんだぞ。それにもうすぐ隊長が術を使えばいくらか楽になるからな」


 「アンデルセンさん。じゃあ、今そっちに流すので、お願いします。左翼は少し下がって休んで下さい。回復お願いします。それにしてもこの規模の戦闘を一人で把握しながら、術一つで戦況を変えて、本人は敵本体に単独突入って、まだ追いつかないか・・・」


 「いや、気にするなって、ソタローはソタローだろ。あと隊長は把握してるんじゃなくって、任せたから困ったら言ってきて、ってスタンスだからな。そうじゃなきゃ、総大将が敵本体に突入するかよ」


 その時、プレイヤー達の士気が大幅に上昇。そして術の効果で、味方の戦闘力が増し、逆に敵は弱体化する。


 敵を追い詰めた時、どんな反応をするのか、一層気を引き締めるソタローだった。


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― 新着の感想 ―
[一言] 隊長の登るスピードそんなに速かったのか…一つでも真っ当なところがあると思ってた自分が馬鹿だったようです
[一言] 今更すぎるけど隊長の士気上昇量も多分異常なんだろうなぁ... 多分本人はソタローが指揮官として育ってきたし今後は指揮じゃなくて前線行くかーとか思ってると思うけど「率いる人数」は同等になれても…
[一言] キャストオフ ソタロー「そんな!巷で全裸仮面と 騒がれてるのがあなただったなんて!」 プロミネンス「いや、他にもいるだろ!」
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