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394.邪神の化身内部

 下の事は任せたので、自分はさっさと登って行く。


 そして、登りながら今更一つ気がつく。


 どうやら、あの空中隊はどうやら輸送隊だったようだ。


 トンボ状の空中隊が、蜘蛛状の地上戦力を上から運んでいる。


 自分に目もくれないのは、気がついてないのか、はたまたそう言う指令が出てないだけなのか。


 ひたすら、上の方から降下して行く、邪神の化身の手下空中隊地上隊セット。


 今の所、地上が苦戦する様子は見えない。


 新たなタイプの手下を出すか、もしくはまだ見せてない他の能力でも使われれば、また大変だろうが、雰囲気は変わらない。


 兎にも角にも、登らない事には進まないので、途中に風が吹くでもないし、大急ぎでガンガン登る。


 流石に山ほどのサイズの相手を崖登りしても、そうそう目的地には辿り着かない。


 いっそ、浮いちゃった方が体力温存できる気もするが、


 途中で攻撃を受る可能性や、登るスピードでは普通に登った方が今は速い。


 しかし、この邪天使の目的は何なんだろうか?


 今のところ予想では世界樹の破壊だと思ってはいるが、実際のところは全く意思疎通出来ない相手だし、何考えてるのか分からない。


 でも、極太レーザーが遠くで弾けたって事は、あれを防げるだけの強力な存在がいたのは間違い無いと思うんだけどな。


 防がれたからもっと近づいて、もう一発食らわしたろうみたいな?


 何にせよ倒せばいいんだ!って事なんだろうけど、相手が何してくるか分からないからな。


 酩酊させる霧、空中を泳ぐ力、攻撃を防ぐ透明の壁、強固な壁すら破壊する衝撃、無数に手下を発生させる分裂能力、異常に硬い甲殻、瞬間移動、完全隠蔽、必殺の剣、遠くの標的を消し飛ばす破滅の光、炎を吹き出し加速、大量の瘴気の垂れ流し。


 空中を移動してるし、大量の瘴気の垂れ流しは間違えようないし、


 極太レーザーを破滅の光とするのは、いいだろう。


 異常に硬い甲殻が入れ物になってる外殻・・・じゃなきゃもっと硬い中身が出てきたらどうするの?って感じだし。


 手下がずっと送り込まれてるのが、無数に手下を発生させる分裂能力。


 今のところ五つだよな。


 これらすらまだ本気では無いのだ!とか言われても、対処しようが無いよ?


 まあ、第12機関長が大量にぶっこんだ魔素を燃料に動いているんだろうけど、外殻内部の形成にも使用されるわけだし、


 節約しなきゃこんな巨体を浮かせ続ける事なんて出来ないだろうし、っていう希望的観測。


 そして、いつも考え事をしているとあっという間に時間が過ぎる。


 頭部の大穴に辿り着いた。極太レーザーで消し飛んだ顔部と言ってもいいかもしれない。


 中にあのレーザーの発射装置でもあれば、危険な武器を一個壊せると思ったが、


 そううまくは行かないらしい。


 内部は汚い泡のような物がボコボコと湧きあがり、その泡が音を立てて、増えている。


 そして、時折その泡が割れると中から、びしゃびしゃの粘液に包まれた蜘蛛状手下とトンボ状手下が放り出され、


 乾けば、トンボ状手下が蜘蛛状手下を掴んで、外に飛んで行く。


 正直なところ不潔感が半端無いので、これ以上進みたくないのだが、


 一応自分が総大将、単独で敵ボスに登頂に成功した以上、頑張るしかない。


 大穴の縁から、邪神の化身の手下が生まれては放り出される足場があるので、そこまで降りて行く。


 泡の間には、なんとも生物的な血管か太い管状の器官が通っている。


 その管は伝って行けそうなので、泡の隙間を抜けるように、管の上を歩き、時にぶら下がって移動。


 第12機関長は中身は好きに作り変えられるように魔素と霊子で満たされてるって言ってたけど、


 随分生物的な雰囲気に作られたものだ。


 突入する側としては、もう少し無機質な雰囲気でも良かったのにな。


 とりあえず、産み出された手下達が投げ出される足場に辿り着いたが、ブヨブヨして、気持ち悪い。


 問題はどっちに進むかだよな~。


 その時、まだ産み出されたての蜘蛛が襲ってきたので、迎撃。


 通常武器でも攻撃できる相手らしいので、ここは一先ず通常使いの雪竜舌蘭で攻撃。


 細長い足を2本まとめて斬り飛ばせば、バランスを崩したので、核と見られる足が生えてる中心の球状部をぶった切れば、あっという間にただの瘴気に替わる。


 自分の攻撃力で二撃で倒せる相手なら、苦戦はしないか。


 すると相方だったのか、トンボ状の方が空中から急降下してきたので避けたら、ブヨブヨの地面に激突。


 その瞬間を狙って、横薙ぎにするだけで、倒せる。


 さらに蜘蛛状が数体襲い掛かってくるが、まあ、対応可能だ。全ての攻撃を避けて倒しきってしまう。


 何体倒しただろうか、気がついたときには遅かった。


 足元の感触が変わったと思った瞬間には引き込まれていた。


 いや、一瞬後に訂正、吸い込まれただわ。


 凄い勢いで管の中を流され、吐き出された。


 べしゃっと、自分が謎の粘液まみれなのが、本当に勘弁して欲しいが、


 不思議とあっという間に乾いていく。匂いは瘴気臭。


 まあ、慣れた臭いだし、我慢しますか。


 一応周囲が見えるだけの明るさはある。


 頭上の粘液層を通して、赤かったり、紫だったり、茶色だったり、青かったりする光が漏れている。


 まあ、開けた空間になっているし、今は進むしか無い。

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