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390.邪天使一戦目準備

 「さて、大方集まったし、作戦だけ伝えようか」


 予定通り、邪天使が大砦に辿り着こうというタイミングで、死者の平原に一応今集まれるだけプレイヤーを集めた。


 仕込みはしてあるが、予定通りいくとは限らない。一応作戦を伝えて、いざと言う時は総力戦しかないだろう。


 ざわついていた、一帯が静まる。正直な所集まった人数は2000人近くいて、ちょっと異様だ。


 「作戦は簡単。邪天使を大砦に突っ込ませるだけ」


 一気にざわつくプレイヤー達。


 まあ、それはそう。タネも仕掛けも言わずに納得するわけが無い。


 「はいはい、説明するよ。今大砦には現状最高火力と言われているフェニックスフレアボムを仕掛けた。運で手に入るようなドロップ品は分からないが、生産職で作れる物で、尚且つ邪天使の外殻にまともに傷をつけられるアイテムは現状これだけだ」


 「いや、ちょっとまて隊長。前にもいったが100個くらいじゃ到底無理だぞ?」


 「うん、だから、え~っとクラーヴンいくつ仕掛けた?」


 「あ?1万基だな。貰った金の分一杯まで仕掛けたぞ」


 「いや、それじゃ設置代とかかかるでしょ?足が出た分は払うから言ってよ」


 「俺も金は余ってるんだ。そんな事はいいからお前は戦闘に集中しろ」


 流石、クラーヴンだわ、何でも任せて想像以上の結果出しちゃうんだもんな。


 「って訳で、一戦目はあの厄介な外殻を壊そうと思う。あの中で変形してる筈なんだけど、外殻も変形したように見えたところから、あれは『異常に硬い外殻』の能力を付与されてるんじゃ無いかと思うんだよね。能力を一つづつ剥ぎ取って行って、最後には倒す。その予定」


 「そうだ、隊長言っておくが、一個でも爆発したら、全部誘爆するから、そこは気をつけろよ」


 「うん、まあ、全員外で待機するつもりだし、大砦の中にいたら大変な事になるでしょ?」


 「まあな、この辺り一帯は吹き飛ぶ威力になってるからな」


 「別にこの辺りは村も町も無いし、大砦一つ吹っ飛んでも別にかまわないよ。誰もこのゲームの住人が死なないならそれでいい」


 「そうか、俺も別に設置するまでが仕事だし、後は好きに使え」


 「え?何だこいつら?(隊長がおかしいのは分かってたが、クラーヴンも腕だけじゃなくて、中身もおかしい奴じゃねぇか。常識人だと思ってたのに)」


 そんな会話をしていると、佐助が走ってきた。三羽烏をはじめ【隠密】に着いたヒーローなんかは邪天使偵察に向かわせてたんだが?


 「隊長!ちょっと状況が変わったぞ。相手は眷属のような物を大量に生み出して、ぞろぞろとこちらに向かってきている」


 ん~なるほど。やっぱり一筋縄じゃ行かないか。


 しかし、一戦目から集団戦になるとはね~。こちらの手を読まれてるのかは知らないけど、真っ直ぐ向かってくる邪天使の露払いの眷属。


 つまり眷属に先に大砦に入られて誘爆されたら、外殻すら破壊できずに終わっちゃうって訳だ。


 勿論、いきなり一戦目で終了ってことは無いだろうけど、


 今後の展開を不利にされるようなペナルティはあるだろうし、出来れば景気付けにここは勝って置きたい。


 「うし!敵は大勢連れてくるらしい!迎え撃つよ!雑魚を狩って、敵本体を大砦に突っ込ませよう!」


 まずは、2000人の内1,000人を率いるのはソタロー。いつの間にか1,000人を率いれる様になって【帝国】じゃ、自分より真面目でよく出来た【上級士官】なんだってさ。


 ちなみに自分の官位は保留。指名手配になってた訳で、その間は【帝国】的には何もやって無い訳で、でも今回の邪天使は自分が総大将な訳で、


 結果保留!


 100人単位で動けるクランは個々に戦場をうまく分けて、ゾーンディフェンス。


 特異な立ち位置にいるのが【教国】の<法術>隊。


 いつだか一緒に炊き出しした女性が、実は聖女様で【教国】のプレイヤーじゃ、最高峰らしい。


 聖女様の手料理に胃袋掴まれて、実家の母親に電話したプレイヤーは数知れずなんだとか。


 「じゃあ、隊長さん<法術>を使用した回復と補助は任せて頂戴」


 「それは、お任せします。自分は門外漢なんで、全体の指揮と全体のバフに集中しますので」


 おおよそ誰がどこに配置されるかは決まった。


 後はまず一戦目『無数に手下を発生させる分裂能力』に抗い、仕掛けで『異常に硬い甲殻』を破壊できれば、うまく行けば2個の能力を消す事が出来る・・・かもしれない。


 何にせよ、邪神の化身、世界変遷級ボスってのはこのゲームで初めて出てくる敵なのだ。


 どんな予想外な出来事が起きても、対応するしか無い。


 そして、その為に戦闘前にする事は決まっている。


 「よし!敵が来る前に食事にするよ!ここからどれだけの戦いになるか分からないんだから、まずはお腹を満たす!」


 皆どのクランもそれぞれに料理出来る人を連れてきている様で、2000人分作らなきゃならない事態は避けられたが、


 それでも、個人で参加するような人間の中には携帯食で済ませようという者がいる。


 そんな物で力が出るか!いや出ない!


 「ちゃんとした食事をしてない者はこっちに並べ!」


 力が出る料理といえば!ニラレバ丼の他にあるか?


 まあ、あるか。


 でも今日はニラレバ丼だ。野菜と肉と炭水化物をかっ込んで、満たして、死ぬまで戦うぞ!


 まずはレバーは水でよく洗う。


 次に生姜とニンニクと醤油でよく揉みこむ。


 臭みが抜けたレバーを焼いて、火が通った所で、ニラともやしをつっ込み、炒め物用の赤い瓶で味付け。


 塩コショウで味を調えて、ご飯にぶっ掛けて、終わりじゃない!


 米にちょっと味付けする為に生卵を落とし、醤油はセルフサービス!


 ゲーム内の卵が安全なのか知らないけど、死なないから大丈夫。


 よし!食って、力つけて、邪天使倒すよ~!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 一万個は運営的に予想できてるんだろうか? もっとも形態ごとにHPがあってオーバーしたダメージが無駄になるタイプだと…w [一言] >常識人だと思ってたのに 常識人だと思ってたのに!
[気になる点] 奥義は! [一言] いぐぞ!ぐぅらぁ!
[一言] ソタローくんの成長著しい このまま成長していったら、帝国も何やら隊長の扱いを決めかねてるっぽいし、ソタローくんに色々任せて帝国から隊長が旅立ってしまいそう
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