388.会議と言う、現状確認と駄弁りタイム
「いや、それでなんで気がつかないんだよ」
「仕方ないじゃん!聖石が12個そろった時に邪神の化身が現れるから、第12機関長は残る理性で、がんばって対邪神の化身決戦兵器を作ったんだよ?それが邪神の化身になっちゃうなんて、思わないじゃん」
「でも、邪神の化身の核である聖石を取り込まれた時点で、やられたって思わなかったのかよ?」
「いや~思わなかったな~。瘴気が大量に出てきて、機関長達の安否の方が先に立ったよね」
「じゃあ、極太レーザーが出た時は?俺達はあれ見て、何が起きたんだと相当びびったし、大騒ぎになったんだぞ?」
「いや・・・故障かな~って思ったよね」
「まあ、隊長じゃそんな感じだろうな。これで一番最近までの話は終わりか。今日集まってるのはそれぞれ有名クランやクランでなくとも信用されてる連中だ。それぞれのサイトや攻略掲示板に今の話をアップして、齟齬があるところやお互いの解釈が違う所はまた隊長に確認て事で、いいな」
各々に自由に返事がある。
邪天使を倒すには、まずニューターであの瘴気を晴らさない事には戦力を使えない。
その為、参加表明してくれるプレイヤー達の代表を集めて、作戦会議しようという事になった。
しかし、折角集まったのだが、まずはあの邪神の化身がどうやって出てきたのか、その条件を皆知りたがってるって話になったので、
自分のこれまでプレイしてきた話を思い出すままに話していた。
「なんか、自分の代わりにまとめて貰って悪いね」
「こう言うのは本来有志で情報を集める物なのに、ここまで詳細をちゃんと説明してもらって、否も何も無いだろ。これで、個々人で隊長に話を聞きに来るような奴も減るだろうし、邪天使に集中できるってもんだ。しかも隊長は攻略サイト見ないんだろ」
「まあね、ホームページは見るけど、後はマイペースにやろうと思って」
「なるほどな。それでいつの間にか初の世界変遷級ボスを起こすってな。ちなみにホームページの年表の所に12英雄時代の話が増えてたぞ」
「え?それ気になる。後で見よう。じゃあ、対邪天使会議といこうか」
「つってもな。現状沈黙してるし、有志や記念に一発みたいな連中の話を聞いても毛ほどのダメージにもならないらしいぞ、唯一フェニックスフレアボムで、いくらかダメージになったらしいが」
「へぇ、朗報じゃん。一応自分も自分なりに仕込みはお願いしてるけど」
「朗報って、フェニックスフレアボムの100発やそこらじゃ倒せないぞ?あれは何気に一発金貨100枚消費する、その名の通り切り札だぞ」
「それにしても、本当に戦闘員Aが世界の命運を掛けて邪神の化身と戦う事になるとはな」
と、久しぶりの太陽の戦士。
「そっちこそ、いつの間にクランになってたのさ」
「あの闘技場の大会後、妙な人気が出てしまってな。今でもストーリーとか作りながら真剣勝負してるんだよ」
ヒーローとヒールでクラン作って人気者って、面白そうだな。
「まあ、あの時のメンバーが一緒に戦ってくれるなら心強いけどさ」
「そうだな。本当はプレイヤー、一丸と言うのが理想なんだろうけど、足引っ張る奴らもいるからな。今より不利な世界になれば、今上にいる連中を引きづり落とせるとか、そう言う考えのやつらがな」
「このゲームは強くなるのに時間かかるんだから、今がんばれない奴じゃ強くなれるわけないじゃん」
「俺もそう思う。まあ、そう言う捻じ曲がった連中はPKの奴らがお灸を据えてくれてるから、放って置けばいい」
「何でPKが?寧ろ足引っ張ってきそうなのに」
「このゲームでPKになる奴は、強いプレイヤーに勝ちたいってのが原動力の場合が多いからな。別にゲームが嫌いなわけじゃないし、ゲームの方もPKプレイヤーを切り捨てる訳じゃない。寧ろシステムとして受け入れてくれてるからな。力を合わせなきゃならない時に人の足引っ張るような奴らは餌食だよ」
「にしても、まさか【砂国】や【森国】のプレイヤーまで協力してくれるとはね。嫌われてると思ったけど」
「ソヘイラ様に頼まれて断るわけないだろう。協力してやるから、絶対に勝つぞ」
うん、動機はなんであれ、本気で勝つ気なら助かる。
「他にも情報を集める為に方々回ってくれてる奴もいるし、勝負どころだな。運営の発表を見る限り、今後も世界の変遷級ボスがゲームシステムの大型アップデートに繋がるらしいからな。まずは一発目、絶対勝たないとな」
おおよそ、勝つっていう気持ちだけは固まった所で、会議をしてたポーの店に飛び込んできたプレイヤー。
「大変だ!邪天使が動き出したぞ!」
「向きや、スピードは?すぐに出た方がいい?」
「スピードは超低速。このまま真っ直ぐ行くと、今度の祝日に大砦にぶつかるんじゃないかって!」
「よし!きたーーー!予想通り!」
「どうした?隊長?珍しくテンション上がって」
「いや、一戦目を平原の大砦にしたかったんだよ。ビーム撃ったのが、大霊峰の方だったから、あっちに目的があるのかな?って思ってさ。直線上の大砦に仕込んだって訳」
「しかし、大霊峰に何があるんだ?」
「今なら、何となく予想がつくね。山を貫いてその先で弾けた感じだったから、多分、世界樹」
「そういや、隊長って宝樹のクエストで世界を回って、世界樹の話を聞いたんだもんな。それもトリガーだったのかもな」
「そうなると、邪天使は世界樹破壊が目的。自分達はそれまでに邪天使を倒すって事になるのかな」