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384.決

 「相手は現決闘王にして、1,000人を率いられる猛者。ここで決を採るのは賛成だが、一度殺した者を復活したからそれで良しとは私は言わんぞ」


 恰幅のいい男性、多分教区長の上司かね。


 「それについては一個言わせて貰いたいんだが、隊長の言い分では【帝国】東部地区長は魔物化して、襲い掛かってきたということだ。そして、それが事実だったと判明した」


 と言う、第10機関の上司の台詞にざわつくお偉いさん達。


 「ふむ、つまり隊長殿と一緒に戦ったと言う第10機関の手の者が、目を覚ましたという訳か」


 「隊長の言い分が事実だという事なら、指名手配をいつまでもかけて置くのはおかしいだろうな」


 「そもそも、ニューターはヒュムを始めとした神側のヒトを殺せない、傷つける事すら条件付なのだから、おかしいだろって話だろ」


 「そうだが、本人に釈明させる為にも【教国】に連行する必要があるって言う意見も捨て置けない」


 「連行と言うのがそもそも物騒なのですよ。相手は【帝国】にて一定の地位のある方、御招きするのが筋と言うもの」


 なんか、話が主題からそれてる気がするんだけど、地位とかどうでもいいから、指名手配外せるなら外してくれ。


 自分だって出頭する事も最初は考えたけど、第9機関って言う絶対的に事実を確認できるポジションのヒトが、実は自分を陥れようとしてましたとか、そう言うのだったらアウトだなと思って逃げてた訳だしさ。


 ああでもそうか、一応自分も地位があるわけだから、今後補償とか大変なのか、別に自分はどうでもいいけど、自分に仕事させられなかった【帝国】からは突っつかれるよね。


 知らんけど。


 「はいはい、そこまでにしましょう?決を採るまでも無いと思うけど、一応指名手配の件だけでも決着をつけないと、今回の件で被害を受けてるのは誰なの?まずは謝罪しないと」


 「そうやって、迂闊に謝罪をすれば、そこを突かれるのが・・・」


 「隊長はそういうタイプじゃないし、こんな地底での話を公式に持ち出す事も無いだろう」


 「そもそも、強硬な手段に出た第3は、どう責任を・・・」


 「はいはい!決を採りますよ!指名手配を外すのに賛成の方」


 ほぼ全員が手を上げる。そう言えば、第9機関長がいないな。まあこんな危険な場所だし、一人位はお留守番か?


 一応自分も死と再生の秘術を手に入れたわけだし、手を上げておく。


 「隊長、手に入れたのか?」


 にやりと笑い、確認してくる上司。


 「まあ、なんなら勲章見ますか?」


 「悪い、一応な」


 と、自分の元に寄って勲章を確認し、告げる。


 「どうやら、隊長は第13機関の資格を手に入れたらしい。公式に発表していない不文律、死と再生の秘術を手に入れた者は第13機関の機関長としての権利を認める。かつてのように義務を負わせる様な事はしないが、死者復活については勝手をしないでもらいたい」


 「それ聞く前に教区長生き返らせちゃったんだけど」


 「聞く前だからな~・・・」


 「あと、死と再生の秘術は自分の死と引き換えだってさ」


 「隊長はニューターだから何度でも肉体復活できるじゃないか、使いたい放題ってわけか」


 「みたいだね。困ったね」


 自分と上司の話を聞いて、頭を抱えだす【教国】幹部陣。


 「まあ、何はともあれ、指名手配は即刻解除。補償については後日話し合おう。金銭面はこれまでの賞金額に上乗せして、迷惑料を支払うし、普通じゃ手に入らない素材や装備なんかについても応相談。今後【教国】は隊長に閉ざす門は持たないし、機関長としての権利も好きに使っていい。死者復活だけは勝手にしないでくれ。そんな所でいいか?」


 「自分は指名手配さえなくなれば、それでいいや」


 「ところで、どうやってこんなに早く、着いたんだ?それどころか蛇すら倒してるってのは、訳分からんな」


 「第10機関長殿はどういう予定だったんですか?」


 「うるせぇ、今まで通りでいい。タイミング合わせるって言っただろ?先に指名手配を解除するか、機関長の中で隊長に協力できる者を募って、一緒に蛇攻略するつもりだったんだよ。俺の予想では票がばらけたところで第13機関の事を持ち出して、蛇を精鋭で攻略して、隊長を【教国】幹部に据えちまおうって考えだったんだ。そうすりゃ蛇の件で協力したって言う事実で、補償が安く上がるって考えるタイプもいるしな」


 「まあ、なんか倒せちゃったし」


 「そうだな。隊長の戦闘力は分かるが、問題はどうやってこんなに早くここに着いたかだ」


 「普通にこの穴降りてきただけだけど?」


 「フツウニ?普通ってのはな、世界樹の直根跡の周りに張り巡らされた側根の空洞に造られた通路、通称地底迷宮を下るのが普通なんだ。どうやってこの大空洞を降りてきたんだ」


 「いや、だから普通にリフト使ったり、壁際の施設とか通路を伝ったりとか」


 「意味分からない。何で初めて来た場所の古の設備使いこなせるんだよ・・・」


 上司も頭を抱えてしまったので、帰ろうとすると。


 「ちょっと待っていただけますか!隊長は何故僕達がここに集まったか知らないと思いますが、機関長になった以上は是非参加してもらいたいですね。遂に完成した対邪神の化身決戦兵器の御披露目にね!」


 対邪神の化身兵器からいつの間にか対邪神の化身決戦兵器に昇格したそれは、


 第12機関長の指差す方を見る限り、どう考えても山のようにでかい鐘。


 鐘鳴らして煩悩と一緒に邪神も祓うとか?

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― 新着の感想 ―
[一言] 邪神は煩悩だった...?
[一言] どの道最下部は瘴気だらけで援護できなかっただろうから、タイミングあってても道中が少し楽になってただけ説
[一言] 鐘が変形してモビルス いや、なんでもないです
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