表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
377/613

377.潜入大空洞

 さて、準備は完了。


 潜入用は蛇装備肘当は外套に合わず装備は出来ないが、すっかり慣れたフル装備で、気合も入った。


 戦闘用は蟹甲殻にニキータが買ってきてくれた装備で、ガッチガチだ。

 

 「俺は野暮用で一緒に行けないが、うまい事潜入してくれ。最後の蛇を倒せばお前さんの潮目もかわる」


 「まあ、自分の事だしがんばるよ」


 蛇は何だかんだ強いのばっかりだったけど、流石に指名手配生活は疲れたし、ここで勝負つけないと

ね。


 ニキータと共に【教国】の外れ、世界樹のあった大穴まで、移動する。


 「それで、どうやってこの大穴に入るの?飛び降りる?」


 「死ぬよ、取り合えず正面入り口に行ってみるか」


 二人で、大穴の縁を移動するが、人影が無い。


 確か第12機関が封鎖してた筈なんだが、人っ子一人いない。


 「誰もいないね?」


 「そうだね、普段なら歴史的観光地、今は封鎖地帯の筈なんだけどね」


 一箇所だけ衛兵の駐在所らしき場所があり、そこを覗けば二人ほど駐在してる。


 「どうする?強引に突破する?」


 「いや、下に降りるには逆に悪い方に転ぶね。ここまで予定通り、別の入り口を使うよ」


 そして、大穴から大分離れ【教国】の外れも外れの墓地。


 ただの野ざらしの墓場の端にある小屋に入る。


 一切周りを気にせず進むニキータに着いていくだけ。


 小屋には階段があり、そのまま地下墓地へ。


 地下墓地は時折墓から腐った死体がもぞもぞ出てくるが、出てくる前に通り過ぎる。


 遅いんだから仕方ない。相手にしてる暇は無い。


 そして、墓の一つをひっくり返せば、また下に向かう階段。


 どんどん降りて次の階に辿り着けば、そこは墓というより、寝台のように死体を寝かしているゾーン。


 中央の通り沿いに部屋が均等に並び、部屋の中に木の寝台が置かれている。


 地面は石というかコンクリのような素材なのに木の寝台の素材感の違和感。


 ばたばたと、寝台に寝かされてる死体が落っこちてきて、呻きながら四つんばいで近寄ってくるが、


 「煩い、忙しい。死んでるんだからそこで倒れておけ」


 そう言って、さっさとニキータと隙間をすり抜ける。


 すっとろい死体にかまってる程余裕は無いのだ。


 そして、また突き当たりの部屋の寝台を崩せば、地下の階段。さっさと下る。


 「ここからは面倒なのが出るよ」


 いつだか見た、食人鬼。


 こいつらはちょっと早いし、攻撃的だ。


 でも、今日に関しては攻撃的なのは自分も一緒。


法術 ホーリーブレス


 速攻、首を狩る。容赦しないよ。多少のダメージは気にせず、乱暴にぶん殴り斬る。


 前は【教国】の【兵士】達に任せちゃったけど、今日は自分が斬らせてもらう。


 自分は全然優しくも慈悲深くも無いよ。全部斬り倒す。


 はっはっは!なんか簡単に倒せる!テンションあがってきた!


 「まだまだ行くけど、体力は大丈夫かい?」


 「なんか、全然大丈夫!元々持久力はあるし、楽しくなってきた!全部斬って抜けるわ!はは!」


 「完全にハイになってるね。まあ、もう少しだから任せるよ」


 次の階はもっとアクティブに飛びかかってくる食人鬼と色違い食人鬼。


 でも、まあ、


法術 ライトシフト


 動きを緩めれば、どうという事も無い。


 ガンガン斬り抜ける。


 そのゾーンも抜け、下りはボロイ螺旋階段。


 丸い壁沿いに打ち付けられた螺旋階段、まるで大きな井戸を降りるかのよう。


 何故か天井から漏れてくる外の光に上を見上げれば、遠い天井に穴が見える。


 底は広い一本道、半円の石造りの通路。


 通路の真ん中には体が二つ、下半身が一つの不死者。


 やたら動きはのろいが、力はありそうな巨体。


 「片方が強力な術を片方が豪腕で物理攻撃をしてくるよ」


 「でもあんなに遅くちゃ付き合ってられないよ」


法術 ミステリアスサークル


 敵を法陣に封じ込め、道端をすり抜ける。


 コレから蛇と戦うのに、消耗するなんて、ナンセンス!


 法陣が消えるとすぐに、追いかけてきたが、知らん。サヨナラ~。


 奥の小部屋に駆け込むと、


 何だろう、ブーーーンと低音を鳴らし降下する箱??


 エレベーターだなこれ。

 

 なんか電気付いてるし、なんぞこれ?


 独特のエレベーターが停止する時の重力を感じ、扉が開くのを待つと、

 

 チーーン!!


 明らかにエレベーターが止まった音じゃん。


 開く扉に降りた場所は暗い部屋。


 しかし、エレベーターの明かりで照らされた範囲は何かのコンソールがある。


 そう、ファンタジーだった筈なのに、いきなり現代的。


 近づいて触れてみても、金属と樹脂の現実で触りなれた感触。


 正面には広い窓、外は暗くて判然としない。


 「あまり驚かないんだな」


 「まあ、ニューターからすると向こうで見慣れた雰囲気だからね」


 エレベーターのある部屋から、扉を開き隣の部屋に移動。


 扉もなんか普通の取っ手を捻るやつ。


 そこは、更衣室か?細長いおなじみのグレーのロッカーが並んでいる。


 一個づつ確認したいが、隅っこに気配がある。


 食人鬼か・・・。


 探索の為に、倒す。


 ただ、本能のまま噛み付いてくるだけの相手だ。


 大きく開いた口に剣を噛み付かせ、そのまま口裂けにして、脳まで切り飛ばす。


 不死者だが、脳は急所なのか硬直した所を滅多切り。


 倒しきった所で、ロッカールームの探索を始める。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] おや? 世界観のようすが…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ