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372.死者の洞窟

 ニキータは不死者相手の道具やら集めに行ってくれているので、今日のところは自分一人。


 大よその場所は聞いたので、軽く平原を走り始めるが、


 何だろう、足の動きというか回転と言うか、


 すっごい走れる!すいすい進む!


 徐々に全開まで上げていくが、早すぎて逆に怖い。


 途中魔物に遭遇するが、気が付かれる事すらなく横を通り抜けていく。


 走るだけじゃなく、ジャンプも軽やかで、尚且つ飛べる。


 平原と言えども起伏や障害物はあるが、それらを乗り越え、飛び越え、風を搔き分ける感触が快感だ。


 快感に身を委ねて一直線に目的地に向かえば、あっという間に現地着。


 平原の丘って感じかな?


 【馬国】やなんかとは到底比べ物にならないが、平原の真ん中にあれば山とも見えなくもない。そんな丘。


 多分ここが目的地だ。


 問題は入り口、丘に登れそうな道を探し、木々の隙間を抜けて行く。

 

 木々が深まり、妙にシンとした静けさのある空間で、声を掛けられた。


 「どこの手の物だ?」


 「一見【隠密】の様な格好だが、我らの目は誤魔化せんぞ?」


 「我らの目的を邪魔しに来たのか、はたまた忍の道を志して、我らを追ってきたか?」


 「いや、自分だけど?」


 「あっ玄蕃!何だお前・・・、そうか!ついに!」


 「よし、そう言うことなら何でも聞くといい、お前になら隠すような事は何も無いぞ」


 「玄蕃はそもそも俺達より腕が立つんだから、聞くも何も」


 「いや、そうか!じゃないし、【隠密】なら隠し事は隠そう。後、忍術は使えないから」


 「はっ!忍術って言ったな?その情報を掴むとは玄蕃、流石だな。だが玄蕃になら教えても・・・」


 「いや、いいから、自分は偶々装備品をメンテナンスに出してて、この装備を借りただけだから」


 「なんだ~。ショートソードだし、氷使いの和洋折衷NINJAでもやるのかと、ちょっと高鳴っちまったよ」


 「じゃあ、自分は今から死者の洞窟で不死者狩りして来いっていう任務なんで、行くわ」


 「死者の洞窟か?俺達もだぞ。最奥に古い樹があるらしくてな。今回は搦め手じゃない、普通の潜入戦闘らしい」


 「へー、自分は信仰の為に不死者狩りながら進むけど」


 「じゃあ、俺達も狩りながら行くか。一緒に行こうぜ」


 そうして、三羽烏と合流し、山頂付近にあった入り口から丘の内部に侵入していく。


 やや薄暗いが、全く見えないという程でもない。


 思ったより広い道を進むと、早速の骸骨。装備はロングソードと小盾に兜。


 早速、右小指の指輪の性能を試す。


法術 ホーリーブレス


 剣にアンデッド特攻の光を宿し、いざ剣を振れば、


 一振り一殺だった。


 ん~性能がいまいち分からんかったな。


 「まだ入り口だし、奥に進めばもう少し手応えのある敵がいるんじゃ無いか?」


 半蔵になんか気を使われたので、三人と猿一匹で進む。


 そう言えば、佐助の猿が前より成長している。


 <分析>したとかでは無く、見た目が成長した。


 「ねぇ、猿が前より大きくなってない?」


 「なったぞ、手先も器用で、腰に鉈を下げてるだろ?丈夫な武器なら扱えるようになったんだ」


 確かに腰後ろに鉈を横向きに差しているのを見ていると、何も言わずに抜いて見せてくれた。


 肉厚の無骨な鉈だ。


 なんとも気の利いた猿になったものだ。


 身長は四足で歩いてるし、分からないけど、座って自分達の半分くらいかな?


 結構な大きさに育って、本当に頼もしい。


 その後も骸骨達が現れたが、特に術を使わなくても、割と簡単に倒せた。


 斬るよりも叩き潰すように打った方がダメージが多いかな位。


 道なりに進み、広めの空間に出る。


 勿論警戒する三羽烏たちと自分。


 広い空間はちょっと強めの敵が出てくる合図だろうと、身構えるのはすっかりこのゲームに慣れた所為だろう。


 案の定、骸骨剣士と骸骨弓士がわらわらと、そして大きな・・・大きな、なんだろう?


 なんか、ヒトの姿を限界までのっぺり特徴を無くした様な、そう!埴輪の顔をしたぼんやりした何かだ。


 「ありゃゴーストだな。デバフを撒く術士だと思えばいい」


 半蔵はどうやら相手の正体を知っていたみたいだ。


 折角だし、右小指の指輪と左小指の指輪を試す。


法術 ホーリーブレス

法術 ライトシフト


 薄暗かった洞窟内が明るくなり、目に見えて動きが鈍るアンデッド達。


 4人と一匹で狩を始める。


 自分が前衛を勤め、速攻骸骨剣士を片付けていく。


 時折半蔵の鎖鎌で、自分を攻撃しようとした骸骨剣士を妨害してくれる。


 姿を一旦消した半蔵が、敵背後から骸骨弓士達を襲撃。


 攻撃態勢に入った相手を狙い、ひたすら妨害に徹してくれている。


 猿は膂力に任せて骸骨達をなぎ倒しているが、中々の迫力と筋力だ。本当にぶっ飛ばしていて、爽快。


 自分に絡む骸骨剣士がいなくなった所で、ゴーストに向かう。


 デバフ術士という割りに何もしてこないなと思ったら、


 佐助が遠間から術で攻撃を加え、足止めしてくれていた。


 「ゴーストは実体が無いが、術を乗せれば切れるから頼んだぞ!」


 自分は剣に既にアンデッド特攻の光を宿しているので、斬りかかると、


 空中に逃げられた。


 しかし、すぐ追うように半蔵の鎖鎌がゴーストに巻き付く。


 鎖鎌に緑のエフェクトが乗ってるって事は風精かな?


 空中で引っ張り合いになった所で、自分が思い切り<跳躍>して剣で斬れば、


 ダメージで、ゴーストはバランスを崩し、地面に落っこちてくる。


 佐助が地面に手を当て術を発動し、地面から生えた蔓状植物でゴーストを捕え、


 小太郎が炎を纏った忍刀で切った所で倒しきった。


 なんていうか、これだよね。パーティ連携ってこういう事じゃないの?


 今、自分、普通にゲームしてる!

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― 新着の感想 ―
[一言] よっぽど、この延々と続く玉のクエストがストレスなんだなぁ…………… 普通の冒険がしたい病になっちょる(笑)
[一言] 普通にゲームしてたら忍者四人衆になんてならないと思うんですけど...
[一言] >普通にゲームしてる 見た目はアレなんだよなあ
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