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368.刀の特殊能力

 いきなり、視界を潰され戸惑う赤と青の、心の揺らぎを自分は見落とさない。


 寧ろ積極的にそこから崩す。


 <索眼>を使用しながら一息で飛び込み青の足を掴み、


擒拿術 照葉野茨


 太刀を振ってきた所を転がって避ける。


 青が振った気配を感じたのか、警戒を取り戻す赤のうなじを後ろから右手で掴む、


吸う右手


 吸収しつつ、暴れる赤を制御する。

 

 後ろ蹴りがとんで来たところで、手を放し間合いを取り直す。


 青と赤と剣聖の弟子が何か薬を取り出し、飲むとこっちを認識したようだ。


 赤がこちらに小太刀を振ってくるので、安定のブロック。


 鋭い斬りつけだが、自分の対応できる範疇の攻撃だ。


 小太刀を受けブロックが成立した所で、切り返そうとすると、何故か同じ場所に衝撃が走る。


 一定の間隔を置いて4回。


 ガッガッガッガッ!と言う音と共に、赤の硬直が解けて、さらに袈裟切りにしてきたところをブロックすれば、同じ現象。


 同じ場所に4回衝撃を受けて、こちらの動きも止まる。


 「どうだい?一郎太刀の謎は解けたかい?」


 「同じ場所に連撃が入る?」


 「おしいな。視界が潰れてなければ見れたんだろうに」


 いずれにせよブロックをすると連撃でこちらの動きも止まっちゃう。


 次の斬り払いを一歩下がり避けて、すぐさま斬るために距離を詰めた所で、脇腹に衝撃が走り、そのまま転げる。


 「ああ~分かった。剣を振った軌道に時間差で斬撃が襲ってくるんだ」


 「ご名答。正確には振った残像が時間差で襲い掛かってくる、だ。小太刀の攻撃力の低さを埋める。俺の相棒だ」


 残像が襲ってくるのは同じ軌道だから・・・打ち払うしか無いか。


 すると、赤が身の周りを滅茶苦茶に斬りまくる。


 そして残像が結界の様に赤の周りを取り巻き、攻撃どころじゃない。


 こりゃちょっと置いておいて、青に行きますか。


 と、青の方に向かえば、足が地面にくっついているのにも関わらず、剣を振ってきた。


 明らかに間合いの外の筈なのに感じる殺気を避ければ、目の前の地面を何かが斬り抉った音が響く。


 実際に音が響く訳じゃないが、自分の中に、


 嗚呼・・・こっちもかって言う自分の心の声と共に地面が抉れる音がリフレインする。


 わざわざ刀身を縮めたはずなのに、明らかに間合いの外に攻撃が当たる。これ如何に?


 自分が発生させた霧が晴れていく。


 青の太刀の長さはそのまま。


 また太刀を振るってくるが、それも殺気を信じて避ける。


 明らかに空気を切ってるんだよね。


 「その太刀、もしかして切っ先が見えない刀身になってる?」


 「正解だ。重さも無いので、片手でも振るえる見えない刀身があるぞ」


 「問題は長さだよね~」


 「それは自在だな」


 くそ~!なんなん?それ!刀強すぎじゃん!そんなんなら自分だって、脇差使いになるわ!


 攻撃軌道に残る斬撃に、伸縮自在の見えない切っ先って。


 青が虚空を袈裟切りにしてきたので剣でブロックしようとしたが、スルー。


 振り切った所からの切り上げが本命、腿当で受けつつ。


 適当に青の方に向けて、


吐き出す左手


 何とか離れようとした所で、


 赤が後ろから迫ってきた。


 完全な挟み撃ちを防具と剣で受けまくる。


 斬撃は避けたいが、残像が面倒なので、ブロック。


 太刀の見えない切っ先はあくまで太刀の延長だから軌道を読んで肩当で受ける。


 ブロック硬直中の赤を剣聖の弟子が襲撃。


 緑のエフェクトを纏った突きを放っているが、突進攻撃っぽいので、範囲外まで転がると、


 青も巻き込み、吹き飛ばす。


 青と赤が飛んで転がり地面を滑った所で、村雅を一振りすれば、


 二人の体が浮いて剣聖の弟子に引き寄せられる。


 そこを村雅で切り上げれば、地面から噴出す青い間欠泉の様なエフェクトと共に二人を打ち上げた。


 さらに縮地で空中に現れた剣聖の弟子が、大きくのけぞり、


 そこから黄色いエフェクトを纏った村雅で弧を描くように斬れば、


 二人が地面叩きつけられ、空中には昼なのに三日月の剣閃が残る。


 さらに、追撃とばかりに倒れている二人の真上から白いエフェクトを纏い、降ってくる。


 地面に突き立つと同時に白いエフェクトが広がり二人を吹き飛ばす。


 「剣聖の弟子の太刀はその青い炎を憑依させた相手を引き寄せる力かな?」


 「正解です。隊長のブロック対策ですよ。ブロックされた後に逆に引き寄せチャンスがあるじゃないですか」


 んもう!皆強すぎじゃない?


 まあ、仕方ない。起き上がった赤と青に近づき、再び攻撃を受ける。


 もうね、自分から攻撃する隙が無いのよ。赤はブロックもできるし、なんなら残像残して防御するし、


 青は間合いに入れない様な立ち回りがうまい。


 だから、ひたすら自分が防御に回って、隙を剣聖の弟子が突く事で、ダメージを蓄積させていく。


 「おいおい、さっきからクリーンヒット出来ないとは言え、これだけ当ててなんで倒れねぇんだ?」


 剣を振るのを止めずに赤がぼやく。


 「そりゃ、自分は()()取得してから長いし、剣のブロックは殆どダメージ抜けないし、剣抜いてる間は常時回復状態だから」


 「そんなん、どうやって倒せってんだよ!」


 そう言って、赤が剣聖の弟子に標的を替えようとした所で、


 剣聖の弟子は青を攻撃、


 青の気もそれた。


 自分から目線を切った赤を抱え込むように掴み、剣を鎧の隙間に差し込む。


 <復讐>


 何気に自分が普段修行を付けて貰えるのは第10機関の上司。


 大分育った<復讐>で、食らったダメージの3/4はお返しできる。そう言う事だ。


 一撃で、赤を倒しきる。


 そこからは自分と剣聖の弟子で囲い斬りまくれば、


 流石に腕前が近いもの同士、バランスが崩れ、青も倒せた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 圧倒的耐久力とガード技術で自動回復以上のダメージを受けずに自動回復で溜め込んだダメージを返すの流石です
[一言] 刀:強い 隊長:えげつない ちゃんと棲み分けはできてますよ! …あれ?隊長って武器種だっけ?
[一言] 下手に間を取れば回復されて、下手な攻撃をすればブロック硬直からの滅多刺し。 かと言って攻め続けても精神と連結されてる+常時回復のおかしな体力を削り切れないと、回復分含めた下手したら元の体力を…
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