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367.小太刀、大太刀、太刀、ショートソード

 皆同格と言っていい使い手同士、こうなると動き出しが難しい。


 青は一番長い得物を一息で振ってくる。


 赤は二刀流で素早く細かく、尚且つ軌道も自在。


 剣聖の弟子は縮地で跳んで抜刀術。


 自分が一番地味かね・・・取り合えず自分は術発動しておく流れか。


<青蓮地獄>


凍剣術 獄霜界


 一瞬で二人を範囲に入れて、地面も生えてる草も真っ白に霜が降りた。


 すると赤が右手の剣を空に突き立てるように真っ直ぐ掲げ、術を使用。


 太陽が強く照付け、地面の霜が溶けて程よい涼気だけが残った。


 爽やかさにゆっくり深呼吸、緊張が一回解け、それでいて浮き立つ感情を腹の底に収めていく。


 軽く剣で自分の肩を叩きリズムを取る。


 すると赤が足取り軽くその場でステップを踏み、自分と赤の呼吸が揃っていく。


 自分と赤二人同時に踏み込み、赤の鋭い突きをスナップを利かせた打撃で思い切り弾き、


 そのまますれ違い、青を狙う。


 両手で頭の後ろに構えた大太刀を空気に断層を作るような勢いで振ってくるのを


 剣で捌きつつ間合いを詰める。


 青の渾身の振りをブロックしきれる自信が無かった自分は剣でギリギリまで軌道をずらしながら踏み込み、青の鎧の草摺りを掴み、


擒拿術 蛇結茨

擒拿術 猿捕茨


 硬直延長コンボで動きを止めた所を、


 青の後ろに跳んできた剣聖の弟子が抜刀からの黒い剣閃で、横薙ぎにした。


 逆に、無理に術を使い足止めした自分は後ろから赤の一太刀を浴びる。


 振り向き様振り払おうと薙ぎ払おうとすれば、小太刀をしっかり構えている赤。


 強引に軌道を変え、赤の手指を狙うが、それは避けられてしまう。


 避けながらも、こちらの膝を踏み抜くように蹴りを見舞ってきたが、打点をずらすのがいっぱいいっぱい。


 足が動かない一瞬を狙って、二刀で斬り払って来た所をブロック。


 相手は当然それを読み自在に二刀バラバラに小太刀の軌道を変化させる。


 左手で銃を抜きながら片方の小太刀を狙い打ち払う。


 もう一方が襲い掛かってくるのに合わせて発砲。


 至近距離で飛び散る氷片にたじろぐ赤の兜を思い切り打つ。


 赤がくらついて、空を見上げた所に、


 丁度その視線の先に現れるように剣聖の弟子が白いエフェクトを纏って上空から赤を突き刺した。


 地面を衝撃エフェクトが走るのと同時に、自分は背中に青からの一太刀を浴びる。


 「ねぇ、待った」


 「どうした?いい所で」


 「いや、さっきから自分後ろから斬られてる」


 「背中の傷は武士の恥という者もいるが、乱戦なら仕方なかろう」


 「いや、そう言うのはいいんだけど、装備変更していい?」


 「構わんぞ」


 許可が出たので、ベルトのギミックを回して押し込み、変身。


 蟹装甲にフォームチェンジ!これでいくらか防御がマシになるはずだ。


 「悪いね待ってもらって、続き行こうか」


 「いいさ、その間にこっちも動ける様になってるし、何の問題も無いな」


 ついでなので〔連結の首輪〕を連結しておく。


 青と対峙、


 自分が思い描ける最短最速の斬撃、


 突き軌道で、接敵しながら擦り斬る。


 それを大太刀の鍔元で受け止められ、弾かれ、


 逆に大太刀で袈裟切りに振ってきた所を肩当でガード。


 脇を下から突き上げ、急所硬直が発生した所で、大太刀を持つ手の指を一本掴み、


擒拿術 我樹丸


 一瞬で削りきり部位破壊を発生させる。


 大太刀を片手でどうやって操るのかと観察していると。


 「これはえげつないと言うか、実戦的というか、防具で受けてその間に指を圧し折るか、酷いもんだ」


 「悪いね、自分こういう戦闘スタイルなんだ」


 そして、大太刀を地面と水平になる様に体の前に出し、拝むような姿勢を取りはじめた青。


 「縮め『二郎太刀』」


 するすると身を縮め、それでも十分な長さはあるが、片手馬上刀として扱いやすそうなサイズになった。


 背中から殺気を感じて避ければ、赤が小太刀を振りながら自分を追い越し、青の横に立つ。


 「なんだよ、ずるいじゃねぇか。俺も行くぜ。戻れ『一郎太刀』」


 二本の小太刀が溶け合うように融合し、一本の小太刀になった・・・。


 「手数が減っただけ、何てこと無いよね?」


 「安心しろよ。ここからが本領発揮だ」


 「じゃあ僕も、怨め『村雅』」


 「いや、前は呪怨て言ってたのに」


 刀身から青い炎が揺らめく、温度を感じない人魂の火を移したかのような揺らめき。


 っていうか、あれじゃん自分だけ剣のパワーアップ無いじゃん!


 ずるいよ!そんな二段変形みたいなの。


 「隊長は防具が変身してるんだから、我侭言わないでください」


 「心で思っただけなのに」 


 剣を空に向けて突き立てるように思い切り掲げ、


凍剣術 獄纏霧


 視界が真っ白に塗りつぶされ、一気に周囲の気温が下がりきり、草木が氷はぜる音が響く中、


 呼気すら凍る冷気に頭が冷え、奇襲を仕掛ける。

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