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362/613

362.4対2

 赤い方の守護者と別れ、真っ直ぐ進めば、崖。


 あ~ここから落ちて来たのか。


 自分なら十分登れるが、剣聖の弟子を置いていくわけにも行くまい。


 崖沿いを進んでいけば、広い川に突き当たる。


 下は川で流されたような小石がゴロゴロ。正直足場としてはあまり良く無いか。


 そして、上流側・下流側から一組づつ姿を現す。


 「いや~、引きがいいわ。適当な雑魚蹴散らして丁度乗ってきた所で、獲物に会えるとか」


 「剣聖の弟子と組んでるとか誰こいつ?仮面にフードローブでなんか暗そう。ださぁ」


 嗚呼・・・いつかのイライラさせられちゃう雑魚カップルか。がっくり来た。


 なんだろうさっきの赤い方の守護者とやった時の緊張感とか全部台無し。


 剣聖の弟子の方を見ると、もう片方の組に声をかけられている。服装から察するに隠忍の連中かな。


 「だんまりか?びびってんのか?こりゃだせぇわ!まあ、いいか、死ねよ。あんたをさっさと屠って、剣聖の弟子の方行くからよ」


 取り合えず剣を抜くと、


 「こいつ!あのコロコロ雑魚と同じ武器だ!ださぁ!」


 自分のあだ名コロコロ雑魚なんだ・・・。まあしょっちゅう転がるけどさ。


 男の方が相変わらずのナックルダスター。色が若干違うから金属の種類が変わったのかな?


 女の方は男の背後に完全に隠れてる。


 男のストレートを軽くブロック。硬直が発生すると同時に、


 女の方がレイピアから細く光る術を射出し、自分のわき腹を貫通した。


 思わず食らった場所に左手を当てて、それでも男の方に剣を振ったが、狙いが甘く、顔横に構えた腕を掠るのみだ。


 「はっ!ブロック使いの所まで、あいつと一緒かよ。こりゃいい練習台になるな。今動きも絶好調だしな」


 「だね~。こいつと剣聖の弟子やっちゃえば、もうほぼ私らが最強じゃない?」


 「そりゃ、最強のPK食っちまえばな。こりゃいいぜ」


 そして、今度はボディフックを見舞ってくるが、迂闊にブロック出来ないので、一歩下がると、

 

 死角にいた女がステップしながら、間合いに入ってきて、連突きの術を放ってきた。


 たまらずブロックすると、男のミドルキックで、わき腹を抉られる。


 重さのある蹴りに動きが止まった所で、硬直している女の前に立つ男。


 連携ってやつか、お互いの隙を埋めあってるんだな。


 相方の動きが分かれば、敵の動きも予想できるもんな、そこを狙い撃ちか、いやらしい。


 真似するか。


 銃を引き抜き背後の剣聖の弟子に向かって、撃つ。


 丁度縮地のタイミングだった剣聖の弟子は上空にワープし、氷片の散弾を食らった隠忍の連中はあたふたしてる。


 上空から白いエフェクトを纏った剣聖の弟子が、二人を吹き飛ばした所で、自分は、いやらしカップルに視線を戻す。


 「あ?なんだ?あいつらあの程度で、うろたえやがって、もうちょいまともに時間稼ぎできねぇのかよ」


 そう言いながら蹴りを放ってきた所を横に避ける。


 待ってましたと女が出てきて突いてきた所をブロック。


 そのまま、剣を左手に持ち替え、右手で女の武器を持っている腕を掴み、


吸う右手


擒拿術 我樹丸


 男は剣聖の弟子が放った濃紺の剣閃を迎撃するのに一瞬動きが遅れていた。


 女は細剣使い。つまり自分と同じ非力系。


 掴んだまま離さない。


 「オラ!放せや変態!」


 「そうだよ!放してよスケベ!」

 

 残念でした。ドスケベです!


 男が大振りのパンチを放ち、


武技 身代わり

 

 女の顔が受け止めた。


 さらに女を剣で串刺し、急所硬直が発生。


 男が攻撃してこようとするが、徹底的に女を盾にして逃げ回り、


 「この外道が!」


 我樹丸の効果で部位破壊が成立し、手が離れる。


 レイピアを取り落とした女を他所にさっさと男と決着をつけようか。


 男のジャブを食らったら食らったでもいいかと、ギリギリでかわしながら、喉に一突き、急所硬直が成立。


 男の額を掴み、向こうを見せて剣を鎖骨の間に差し込み心臓急所を徹底的に突きまくっていると、


 殊勝な女が使える手でレイピアを拾い、突いてこようとする。


 「前にこの男アンタの事、うんざりだって言ってたよ。すぐ煽るから付き合いきれないって」


 「「へ?」」


 その時、男の生命力を削りきり倒す。


 レイピアを持った女と相対すると、


 「ねぇ、ちょっと待って!私もうあんな男と別れるから、アンタ私と組まない?」


 なんだこのカップル一人になると言う事同じかよ。


 「やっぱり組むなら強い男じゃん?いいでしょ」


 「全然良くないよ。特にお前は無い」


 スナップを効かせて相手の剣を払えば一撃で手が痺れたのかレイピアを取り落とし、


 無防備になった女を切り刻む。


 女も倒し、剣聖の弟子を見やると割りと優勢に戦ってるっぽい。


 自分が近づくだけで、相手がこちらにも警戒心を振って、どんどん動きが荒くなる。


 そこに付け込む剣聖の弟子の動きが逆に生き生きして、


 相手の斧を受け止め、ブロックが成立した所で、完全に流れがこちらに傾き。倒しきった。


 「お疲れ様」


 「お疲れ様です。よくあのタイミングで、銃撃ってくれましたね。助かりました」


 「丁度、縮地使うタイミングだと思ったから、撃ってみたんだけど、うまくいってよかったよ」


 「そんなに隊長に動きを研究されてるとは思って無かったですよ」


 「いや、別にそういうんじゃないけど」


 「じゃあ、何であのタイミングだと分かったんです?」


 「そりゃ、自分は普段から100人とか1,000人の集団を動かしながら、自分の戦闘もしてるんだから、そりゃ出来るじゃん。逆に自分の意図読んであの剣閃撃ってくれて助かったよ。自分は殺気読めるしいつでも撃ってきていいからね」


 「ああ、よく考えたら、やっぱり隊長って異常なんですね・・・」

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― 新着の感想 ―
[一言] 似たもの同士は引かれ合うんですねぇ...怖い怖い 隊長は1000人の団体じゃなくて1人が1000つと見てそれでしっかり指揮を取れてる辺りヤバいよね でも君も人のこと言えないよね( ¯-¯ …
[良い点] そういえば隊長は師匠お墨付きのドスケベだった! [一言] 最近周りの戦闘力が上がってきてちょっと薄まって見えてたけど、やっぱり隊長ってやべーわ
[一言] >なんだこのカップル一人になると言う事同じかよ にたものどうしおしあわせに(棒)
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