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360.木精術攻略

 「んで、具体的にどうするの?自分も流石にあの中じゃ駆け抜けるのが精一杯だよ」


 「木精術は一個だけ致命的な弱点といわれるものがあるんですよ。木が苦手とする事です」


 「火と見せかけて、地面攻撃?」


 「正解です。木の魔物なんかと戦ったことありましたか?【森国】でも結構深い所にいる割とレアな魔物なんですけどね」


 「まあ、やった事あるけど、あの木の葉の範囲外から当てるとなると、結構思いっきり使わないとだな」


 「あの地面を凍らせるやつですよね。術に合わせて僕も動きます」


 「っていうか、地面攻撃が苦手って、木精術弱くない?」


 「弱点が設定されている点では対人向きでは無いですが、丁度僕らのようにやられる事もありますし、動かず戦場に拠点を作るつもりで使えば、結構いいバフが付くんですよ」


 「バフ、デバフ、攻撃を一定範囲内で行えるのか、それはいいな」


 「手に持ったタネや、竹筒に水と一緒に入れた植物を媒介に手元から術を使うこともありますし、結構厄介な相手なんですよ。と言うわけでそろそろ」


 相手は完全に待ちらしい。


 軽く肩を回し体を緩めて、はじめる。


青蓮地獄


連結の首輪


凍剣術 獄霜界


 霜界は込める精神力の量によって範囲が広がるタイプだ。


 青蓮地獄と合わせて、効果範囲を思いっきり広げた。


 地面が一瞬で真っ白く染まり、一帯に冷気が立ち込める。


 吐く息が白くなり、相手二人の動きも心なしか鈍い。


 木も一瞬で白く霜が下り、生気を感じない。


 自分が一歩踏み出すのと同時に剣聖の弟子が、僧衣の男を後ろから抜き打ちで斬りつける。


 僧衣の男も負けずに錫杖に陽光と同じ色の光を纏わせ、太刀をガード。


 霜界の効果時間のこともあるし、自分は槍の男に向かう。


 間合いに入った所で、突いてきた。術を纏わせた鋭い突きだが、


 素直すぎ!穂先の先端をきっちりブロック、相手を硬直させる。


 そのまま、槍を掻い潜り胴を一打ち、


 動き始めた槍の男が、槍を立てながら引き戻そうとしているが、遅い。そして石突で攻撃したいのがみえみえ。


 兜の上から水平切り気味にこめかみをスナップを効かせて打つ。


 兜の中で頭がバウンドした感触を感じると同時に動きが止まり中空を見あげる槍の男。


 さらに相手の後ろに走り抜けつつ一発顔にも打撃を見舞う。


 意識を取り戻したのだろうが、完全に自分を見失い戸惑っている所に後ろから鎧の隙間を一刺し、


 後ろを向いたままの体勢で槍の石突で突いてくるが、避ける。


 避けると同時にこちらに振り返った槍の男の肩口を垂直に振り下ろした剣で叩く。


 十字槍の間合いは完全に潰している。どうやって距離を取り直すのか観察していると、


 前蹴りを放ってきた。


 両手が塞がった状態での蹴りは手段としては妥当、


 だが自分は剣を手放し、小脇に抱えるように伸びた足を掴みそのまま地面に押し倒す。


 右手で喉を押さえ、


吸う右手


 左手で、手首の腕輪に収まるダガーを引き抜き、鎧の隙間を滅多刺しにする。


 相手は叫んでいるが、中々生命力を全損しない。


 そうこうしている内に相手の頭突きが当たり、よろめいてしまった。


 その隙に逃れ槍を構えなおした相手、自分もダガーを仕舞い、剣を拾い上げる。


 相手が明らかに間合いの外から術を纏った槍を一突き、紫のエフェクトが飛んできたので、避ける。


 追い討ちの様に黄色いエフェクトを纏った飛び込み突きを放ってきたが、体勢が悪くブロック出来そうも無いので、転がって避けた。


 地面に串刺しにするように飛んでくる追い突きをさらに転がってかわして、その勢いで立つ。


 立った所に体の真ん中目がけてきた突きと体の間に剣を差し入れ、


 十字槍の十字部に引っかけて、強引に相手の突きを止める。


 相手の下段回し蹴りと同時に、


吐き出す左手


 相手の顔を熱閃で焼く。


 視界が塞がれた相手の腕を絡めるように掴み、脇下を滅多刺しにして、


 ようやっと倒しきった。


 やたらと生命力のある相手だったな。もしかしてダメージ無いのかもと一瞬焦ったわ。


 そして、剣聖の弟子の方を見れば、両手から木の枝を生やす僧衣の男を仕留めた所だった。


 「きつい相手だったね」


 「そうですね。相手にどんな感想を抱きましたか?」


 「なんか生命力がありすぎて、きつかったかな」


 「確かに鎧から見ても高耐久タイプでしたからね。こっちの術士は手数と術の展開スピード、無尽蔵の精神力でしたよ」


 「そうか、強敵相手だったんだな」


 「いや、確かに技量は一定以上の相手だったようですが、身体能力がNPCにしては高かったような気がします」


 「そうかな?そうかも、それが一組づつ倒した方がいいって言う根拠?」


 「そうですね、何よりさっきの乱舞する木の葉を抜けた時の隊長の足の速さ、ちょっと引く速さでしたよ?」


 「痛くて必死だったからな。正直大陸中歩いたり走ったりしすぎて、自分がどれ位足が早いかわからないんだよね。いくら走っても、疲れないし」

 

 「それは素の状態で酷い事になっていますね。ただ、多分一戦するごとに身体能力に補正が付いてますよこれ、どんな理由があるか分かりませんが、積極的にやって行きましょう」


 「分かった!じゃあ、まずご飯にしよう!」


 少しでも多く戦闘しなければならないのなら、もう思い切って火を使って煮炊きして、炊煙で見つけてもらおうじゃないの。

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― 新着の感想 ―
[一言] 戦えば戦うほど異常な速度で身体能力が上がるやべーやつ その身体能力は基本輸送に使うんですけどね
[良い点] 律儀に待ってるのでなく動けないと [一言] ホイホイごはんタイム!はっじまっるよー!
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