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353.剣修行

 クラマ山に逗留の間、のんびり修行の光景を眺めている。


 自分的には【訓練】だが、プレイヤーの姿もちらほら見えることから、


 日本刀使いには割りと有名な【訓練】場なのかもしれない。


 しかし、まあ、繊細と言うか、足捌き体捌きでかわして、当てて引き切る。


 日本刀ロマンは分るけど、この修行だったら、自分は面倒になっちゃったかもな。


 でも実際対峙するとなったら、どう戦うか・・・。


 綺麗な戦い方は出来ないか、早いし鋭いし繊細って辛いわ~。


 中には居合いをやっている者もいて、よく見ておく。


 剣聖の弟子とは何だかんだ縁があるし、どうやって剣を扱いたいのか見ておけば、今後の為になるだろう。


 こうやって他人の【訓練】をじっくり見れることって少ないから、勉強になる。


 ああ、でも槍の扱いもいいな。


 距離を取りつつ、素早い突きを中心に内巻き落とし、外撥ね、長柄を利用した足狙い。


 やっぱり槍だよな。両手を使いながらも距離で防御できる武器、


 長槍は流石に携帯性が悪いし、短槍とかどうだろうか?


 長柄ゆえに握り場所が広く、間合いも自在。


 この【訓練】場では普通の直槍だが、渋い!槍使いの修行していこうかな!


 「熱心に見ているようだが、もし気になるなら参加しても構わぬぞ」


 「え?いいんですか?じゃあ、自分はあの短槍を・・・」


 「いや、得物が違うと思うが?折角だしうちの者と模擬戦をしないか?」


 ああ・・・自分は教官の陰謀でショートソード使いだった。


 仕方ないので、鞄から剣を取り出し、空いた場所に立つ。


 烏天狗に声をかけられた一人の男性が片手に太刀を持ち自分の前に立つと、


 なんか皆一斉に見学に来る。


 【訓練】なんだから、バトルのつもりじゃなかったんだけど?


 あくまで相手の刀の扱いを体験させてもらうつもりだったんだけどな。


 まずは正眼でこちらの様子を窺う相手、摺足で横移動するのにはどんな意図があるのかな?


 いきなり、足捌きの意図が分らず、困惑してしまう。


 何せ自分は足場の悪い【帝国】で【訓練】してきたのだから、転がるか受けるか、攻撃に攻撃で返すかの三択。


 一応足捌きもあるが、こんな細かいものじゃない。常に足場を確保して、瞬時に斬りあえればいいのだ。


 「きぃぃぃえい!」

 

 なんと言っているのかは分らないが気合と共に真っ直ぐ斬り下ろしてくるが、


 打点があってなくない?


 ああ、最終的に引く事も加味して少し投げ込むように振り下ろすのか。


 軌道を確認しながら横に避けると、振り下ろしと同時に斜めに斬り上げてきた。


 一歩踏み込み、相手の肘を掴みつつねじ込む事で、動きを止める。


 一撃に気合を乗せると見せかけて、次の手を決めているわけか、それもそうか、あからさまな唐竹割で決めてくるわけないもんな。


 大した力で掴んでいた訳でも無いので、すぐに振り払いまた間合いを取る相手。


 今度は少し遠間から飛び込んできた。


 しかし、着地と同時にしゃがんでしまう。なるほど狙いは足か。


 ジャンプするには一回屈む必要があるし、仮に片足浮かせても、もう片方を切られてしまうだろう。


 中々いやらしい手もあるんだな。


 剣を地面に突きたて、太刀をブロックする。硬直が発生したので、自分の方から間合いを空けなおす。


 硬直が解けると、真っ直ぐ胴を突いてきた。


 胴体の突きはセオリー通り半身になって避けたが、


 そこから相手も体ごと横に捻転し、切り払いに変化してくる。


 うーーん折角の太刀の間合いをさっきから自分で潰しちゃってるんだよね~。


 相手が掴んでる太刀の柄を押さえれば、そこで動きが止まる。


 もう少し、無駄なく変化しないと当たらないんじゃないかな?


 力いっぱい変化してるから止められちゃう。


 もっと嫌なポジション取り出来るだろうに?


 間合いを取りなおした相手が今度は待ちに入っている。


 下段で構えてるが、下に刀があるってのは、なんとも入りづらさがあるかも。


 ちょっと考え、まとまったので、一気呵成にやりますか。


 自分のタイミングで、走って間合いを詰める。


 そして、剣を踏みつけようとすれば、流石に嫌がって剣を不用意に横にずらす相手。


 そこにショートソードでスナップを効かせた打ち落としを当てていく。


 手が痺れたであろう相手が一瞬びくっとすると同時に剣を相手の首に添えた。


 「それまで!なるほど、どうやらそちらは我々が直接相手せねばならぬようだな」


 と、烏天狗が言ってくるが、面ができるまで数日のんびりしようと思ったのに何言ってるの?


 「いや、お邪魔しちゃ悪いし見学してますよ」


 「はは!遠慮するな!腕の立つものに指導できる機会など中々無いからな。存分に太刀の扱いと相手にした時の戦い方を研鑽されるがよい」


 はい、このパターン。


 烏天狗は流石にさっきの人とは格が違いすぎて、そりゃ斬りまくられましたよ。


 最早何でそうなるの?って言う身体操作術で完全にこちらの手を封じられて、相手は一方的に斬って来る。


 攻撃を避けても避けても無限に鋭い攻撃が続くのに、切り返す隙も無いんですけど!

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― 新着の感想 ―
[一言] ×腕の立つ相手に指導 ○歯ごたえのあるサンドバッグ 経験にはなってるんだろうけど…w
[一言] 一方的に滅多ぎり…氷剣術習い初めの頃の教官のしごきを思い出しますね
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