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332.久しぶりの大霊峰

 さて、浮かれ気分もここまで、ここからはちょっとの油断で滑落死する。


 今回は指名手配中、死ねば監獄行き。


 ゆっくり深呼吸をして、一個目の窪みに手をかける。


 手に力を入れて、体重をかけていくと、しっくりくる。


 なんだろう、体と頭が崖を登る状態に切り替わっていく。


 細胞がざわめいて、全身に血が巡るのを感じられるようだ。


 足を窪みにかけて体を押し上げれば、肉体がどこまでも高みへ上って行くようだ。


 気持ちの高ぶりに合わせて、テンポ良く登っていく、下など見ない。


 上だけを見て、どんどん進めば、風の音がしてくる。


 この後の強風に煽られると体力が消耗するので、すぐに窪みに入り込み、一休み。


 流石にお酒飲むわけにも行かないしな~、


 ふと窪みの奥の草が目に入り、試しに<採集>してみる。


 〔霊峰の香草〕


 ふむ、香草か・・・お茶にするか、食事用のスパイスにするか・・・。


 風が止まったので、窪みから這い出し、再び崖登り、


 前回よりだいぶペースが早い気がするが、まあ、気持ちは全然焦ってないし大丈夫だろう。


 ちょっと、次の足場が届かなくても、ポーンと飛べば、ちゃんと辿り着けるし、余裕余裕。


 サクサク進み、早めに休憩して、生えてる草を毟る。


 うん、焦らず進めば、誰でも登れるよ大霊峰。


 途中のセーフゾーンで、一回食事タイム!


 崖の窪みって言う限界状態でも、温かい物が~食べた~い。


 実際、空腹度がかなり進んでるって事は相当体力を消耗しているのは間違いない。


 体力の付く温かい物か・・・。


 スタミナといえば!豚肉!


 白菜とニンニクと、スープ用青い瓶!後は刻み葱か、ちょっと塩と醤油足してもいいか!あとは唐辛子!


 出来上がり!現実でも良く食べる豚白菜鍋のようなスープのような奴!


 風が強く吹こうが吹くまいが、ご飯タイムは関係ない。


 あ~温っけ~。うめ~。


 さて、行きますか!なんか順調すぎて怖いくらいだ。


 うん、どうやら食事のバフで、耐寒が上乗せされたみたい。


 上着を一旦バッグにしまって、登る。


 服がごわごわしないので、さらに登る速度が上昇、なんかもう、


 ヒャッホーーー!


 ああ、もう、全然怖くな~い!ポポポポーーーン!


 何をビビッてたんだかな。最早大霊峰の最初の崖も自分を阻む壁とはならない!


 誰もいない事を良い事に、高笑いで登る。


 あっ風・・・。


 すぐに窪みに潜りこみ上着を着て強風が過ぎるのを待つ。


 さて、気を落ち着けて登りますか。


 上に行くにつれて、手をかける場所も足場も減るが、ちゃんと先まで見て進めば怖くない。


 前回は一回崖でログアウトした気がするが、今回は一日で登頂してしまった。


 成長を感じるな。


 崖上は相変わらずの吹雪き、薄暗い。


 一旦<索眼>に変えて周囲を確認、


 前回は気がつかなかったが、結構崖周りも色々あるわ。


 例えば<採集>ポイント、


 〔霊峰の水晶〕〔霊峰の氷石〕〔霊峰の雑草〕


 さらに魔物が一体、雪の中から飛び出してくるイタチっぽい魔物を一刀両断。


 ・・・一発では決められなかったので、後ろからもう一発斬る。


 振り返って威嚇してくるが、容赦なくもう一回斬れば、倒せた。


 前回は殆ど周りが見えてなかったから、今回は今回で楽しめそうだわ。


 ここからは、あれだな。吹雪の中の一本道、


 十字路をひたすら進み、方向が分らなくなるゾーン。


 確か、どこかにセーフゾーンがあったはずだし、目指しますか。


 まずは下り道を進めば、かえるの歌。


 予想通りだった上に今回は<索眼>が有るので、速攻見つけて倒す。


 ・・・?まだ終わらない?


 やばいやばいやばい!眠くなってくる。


 何とか見つけて、大急ぎで、近づき倒す小さい蛙。


 ちょっと離れて隠れてるとか、ずるくない?そんなの聞いてないよ?


 道なりに進もうとして、ふと気が付く、


 下り道の左右って、なんか程よい具合に段差になってるし、登れるんじゃない?


 ちょっと高い感じもするが〔空駆の長靴〕をうまく使えば・・・、


 ほら!行けた!


 は~なるほど十字路迷路の上にも道がちゃんとあったのか。


 まずは階段で結局は下り、雪に埋もれた人工建築と思える階段と回廊。


 そして、屋根。


 とは言え、吹きっさらしで雪風が吹き込んでくる。


 道なりに進めば、階段を下りて大部屋に辿り着く。


 そこは雪の吹き込みも少なく少し温かい。


 ちょっと嫌な予感に、雪山セットを脱いで剣を抜く、


 そのまま警戒しつつ部屋の中央に辿り着くと、部屋中に青白い炎が表れ、集まり人型になった。


 炎のヒト、多分実体が無いタイプだろうし、ここは、


氷剣術 凍牙


 動きがぎこちない相手を速攻一撃斬る。


 手応えは合ったが、なんか全然効いてない?


 もう一発。やっぱり駄目。


 相手が腕を振り回してきたのを避けて距離を取る。

 

 もしかして、冷気というか氷精系が効かないタイプか?


 自分は他に精霊術持ってないぞ?


 相手が、殴りかかってくる攻撃から、溜め始めた。


<青蓮地獄>


 術耐性を高めて、待つと、


 大部屋中に冷気が立ち込める。


 が、しかし、自分にも効果が無い。


 千日手か・・・と思ったが、一個だけ試してみる。


 腕を振ってきたという事は剣で切れるかは分からないが、実体は有るということ。


 距離を詰めて、頭を掴み


吸う右手


 やっぱり、掴める相手だった。


 相手の攻撃は食らわない。自分の剣攻撃もダメージにならない。


 しかし、ちょびちょび吸収し続ける事で、


 結構な時間をかけて、何とか倒す。


 〔霊冷石〕を手に入れた所で、部屋の隅にさらに下る階段があったので、


 進み、下がったのにまたすぐ上がり、そこには休憩できる小部屋。


 とりあえず、飯食って寝よう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 霊峰の雑草wwww
[一言] 誰にでもできる:職安において信用できない言葉の一つ
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