表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
328/613

328.領主の館(賭場)

 なんとかかんとか、三人をねじ込み自分の仕事は終わった。


 一応約束の日に例のカジノに入って行く三人を見送る。


 これで、終了かと思い切り伸びをして、カジノの前を立ち去ろうとすると、


 「賢樹様に面会の方ですよね?」


 以前ちょっとだけ話したセキュリティのヒトに問われるが、用があるのは三羽烏。


 自分はお役ごめんなんだけどな。


 「いや自分は見送りだけですよ」


 「以前お会いして時に立ち去られてしまったので、言いそびれましたが、その制服は【帝国】【上級士官】の物ですよね?さらには勲章も1000人長クラスのものと御見受けします。しかも一定の戦闘力を有した状態で、どの国にでも立ち入る許可が有ると・・・そうなりますと、賢樹様に会っていただくのに十分な資格が有ると判断します」


 どうするか~。なんでか【上級士官】とかやたらこういう所で、顔が利くんだよな~。


 「あっ・・・じゃあ、お邪魔しちゃっても?」


 「ええ!どうぞ当家にようこそ。ただ武官様ですので、護衛は遠慮していただきます」


 なるほど、やっぱり自分一人が入れても、三人の任務をクリアできないわな。


 セキュリティのヒトに促され中に入れば、


 赤く毛深いふかふかのカーペットに豪華なシャンデリア、白いロビー階段。


 中にはそれに見合った服装の貴人達。


 様々な民族衣装のはずなのに、室内の豪華な雰囲気を全く損なわない、溢れ出す気品。


 自分の野蛮な殺気を振りまいて良い場所じゃないぞ?


 所々でテーブルを囲んでいるのは、賭け事を楽しんでいるのだろうか?


 入ってすぐに声を掛けられる。


 上から下まで綺麗な黒の使用人服の男性。


 「当家にお越しの方には最低金貨1000枚分のチップを最初に購入いただいています。もちろん使わずに後ほど換金して帰る事も自由です」


 「すみません、不調法者で、最低とおっしゃいますが、普通はどれ位購入する物ですか?」


 「いえいえ、無用な見栄を張らない方がこの場では好かれますよ。皆様それ相応に責任のある立場の方ですので。しかし、購入金額と言いますとそれこそ、入場料とばかりに最低金額の方から、御立場ゆえに相応に購入される方もいらっしゃいますので、なんとも」


 え~それじゃ、分らないんだけど~。


 困っていると、


 「おっ!先だっては服を見繕ってくれて助かったぜ。ここでも変に浮いてないみたいだし、さっきもやんごとなき身分ぽい子女に話し掛けられたけど、何とかなったしな」


 佐助を預かってくれた田舎のボンボンじゃん。渡りに船とはこの事。


 「こんなこと聞いていいか分らないけど、いくらチップ買った?」


 「一応金貨100000枚分だな。他に使う予定もないし、持たされた金全部チップに替えたけど?」


 これだから金持ちの言う事は訳わかんないんだよ!


 どうしよう・・・。賢樹様に会うまでの食費とかもチップで払ってね。とか言われても困るしな。


 はあ・・・自分も全財産チップに替えるつもりで行くか。


 「じゃあ、金貨100000枚ほど、お願いします」


 「そう・・・ですか?武官の方が・・・?承りました!」


 そして、渡されるのは、黒地に金のチップを一枚。


 これだから金持ちの集まりは!自分の全財産でもチップ一枚とか!


 なんなんだろう。この経済格差!


 ヒトの出来る事なんて限られてるはずなのに、どこでそんなに収入格差って開くの?


 とりあえず、中に入り賭けのテーブルを冷やかすが、別に面白くも無い。


 ボーイさんがお酒を持ってきてくれたが、自分が持ってるのはチップ一枚。


 断ろうとすると、無料だって!


 どう見たって、由緒あるお酒が無料だってさ!


 自棄酒だ!経済格差に乾杯!お前らの命は俺が守るから!いい酒奢れよ!


 「いい飲みっぷりだな!見てて気持ちがいいぜ!こいつを飲んだら、チップを奢ろう!」


 そう言ってくる。妙齢の【砂国】の民。中々気風が良いヒトなので、一気に飲み干せば、白いチップを一枚貰う。


 すると、次から次から男性といわず女性といわず、酒を奢ってくれて、チップをくれる。


 賭け事に飽きた老若男女が、自分に酒を飲ます。


 仕方ないので、自分も秘蔵の八塩折之酒を出したら、やたらざわめく会場。


 「おいおい!こんな伝説上にしか聞いた事ない物出されて、何で返せば良い?」


 「いや、お酒奢ってもらったお礼だから」


 流石に、あまり量の無い八塩折之酒でオークションが始まる。


 この店のスタッフは相当できるヒト達が集まっているのか、


 急造のオークション会場にも関わらず、盛り上がり、自分の酒の後にも次から次へと出品合戦が始まる。


 なんか、大量にチップを渡された気がするが、もう酔いが限界。


 なんか部屋に案内されて一休み。ログアウトしよう。


 「バラバラのチップおまとめしておきますね?」


 「え?うん?お願いします・・・」


 ねむ~い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  ある程度、無理矢理幸運に事が運んでいったことは、例の首飾りのことからわかります。でも、本人が調子に乗っていないから問題ないでしょう。今回は実力で進んでいっていい結果が出たようで何より。今後…
[気になる点] シナリオの都合でプレイヤーは護衛をつけられないようになってる? [一言] 白と黒のチップの価値ってどのぐらいなんでしょうねえ(そっと目をそらす)
[一言] そりゃ手に入れるのに8つの国で秘境への到着や高い信用が必要な希酒を かき集めた上で隠れ里の専用機材を使わなきゃ手に入らない 希酒中の希酒をポンと出されたらねぇ・・・
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ