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321.頭領の依頼

 隠れ家にいたヒト達が起きてくると、話に聞いた通り記憶を失っていた。


 そんなに長い時間空白って訳じゃないらしいが、第12機関長がここに来たって言うのは覚えてないらしい。


 一応、第12機関長の持つ玉に精神操作効果があって、ここに来て色々話した内容は報告しておいた。


 しかし、邪神の化身復活か・・・。


 何となく今までもそのキーワード出てきたしあるのかな?とは思ってたけど、確信してしまった。


 っていうか、英雄の子孫とか聖石を受け継いできたヒト達が備えろとか気をつけろとか言ってたもんな。


 でも、選ばれたのは第12機関長だし、何とかしてくれないかな・・・。


 無理だな。どちらかと言うと聖石に操られて、聖石を集めさせられている。


 ええ~あれ~よく分からなくなってきたぞ。聖石に選ばれると勝手に向こうから来るように集まってくる?


 選ばれた第12機関長は集めたいけど、自分が邪魔して集まらない。


 聖石に選ばれた者が現れると、邪神の化身も復活する。既に復活してるの?


 第12機関長は石を集めて、邪神の化身を倒す兵器を作ろうとしている。


 あれ~?第12機関長は一体何に精神操作されてるんだ?


 聖石は邪神の化身の核で、倒した時に12に分けられて、英雄たちに渡された。


 何でも願いを叶えてくれる玉として。


 どういうこっちゃ?後気になるのは叶った願いがなんか微妙って事。


 「駄目だ!分らん。誰か伝承とか詳しいヒトいないかな?」


 「呼んだかのぉ」


 うん、この隠れ家全然隠れて無いじゃん!


 第12機関長は【教国】内の要人だし、知ってても変じゃないよ?


 なんで、頭領もいるのさ。音も無くお茶飲んでるし!


 「頭領お久しぶりです。聞きたいことがあります」


 「12英雄の事じゃぁろぉ。色々と違和感のある話じゃぁ、今調べとるよ」


 「ありがとうございます!」


 「でぇも、教えるとはぃっておらんぞぉい」


 「いくらですか?」


 「金には困ってぉらんわい」


 「働きましょう!」


 「細々とぃくつかの金にもならぬ仕事をこなすのと簡単で一回で済む権力者の仕事、どっちにすぅる?」


 「細々とした方でお願いします。権力者と関わりたくないので」


 「じゃろぅの、じゃあ一つ目の依頼じゃぁ、うちの三人組知っておるじゃろ。ちょっと行って手伝ってやって欲しい」


 「三羽烏ならいいですよ。手伝いましょう!」


 「ぅむ、あいつらは今【森国】の木精様の依頼で、世界の古樹、大樹を巡ってぉる。宝樹様の様に世界を支える一柱と言うわけでは無いが、長き時を生きて世界を見守ってきた事には変わりないのぉ。

 我ら【隠密】が伝承を調べて記録する基本の一つが、古樹、大樹との対話能力じゃぁ」


 「ふむ、古樹や大樹と対話するのに障害があるから、それを突破するのを手伝えと」


 「そうじゃぁ、お主にやられてしまったり、まだまだ未熟じゃが、見所はあるでのぉ様子を見てきて欲しぃのじゃぁ。特に次はヒトの欲望を刺激される場所じゃしのぉ」


 「欲望を刺激される??はっ!宝石がいっぱい採れる場所とか!」


 「違ぅのぉ・・・次の行き先はカジノじゃ」


 「ええ・・・カジノなんて何が楽しいのか?」


 「賭け事は嗜まぬのかぇ?何となく勝負に出るタイプのように見えたのじゃが?」


 自分も若い頃は旅打ちなんかもしたけれど、結果的に何してるんだろ?自分って、一気に醒めちゃったんだよな。


 勝てば面白いし、負ければ取り返さなきゃって気持ちになるのは分るけど、自分は依存するほどじゃなかった。


 「場所はどこですか?」


 「案内しよぅ、わしが自ら協力するのは流石に里の者にも過保護すぎると言われるでの、カジノの都までじゃが」


 「カジノの都か・・・どんな規模でカジノやってるんだ?まあいいか!ちょっと自分頭領に協力するので、装備持って行きたいんだけど」


 「すまんが、まだメンテ中だ」


 ここの隠れ家の受付は無骨なおじさん。海の男って感じ。


 「いや、いつもなら終わってる頃じゃん」


 「すまんが、色々あって手間取ってるんだ」


 今自分の装備は腕輪とダガー。初心者服と【鉱国】でだいぶ前に買った〔甲猪の長靴〕。アイテムバッグ。チャロアイトの〔酒飲みの味方〕後貰ったばかりの〔古鮫の首飾〕以上なんだけど。


 全身タイツ無しで外を出歩く、そんなの久しぶりだ。


 「ふぅむ、カジノじゃし、正装は持ってぉらぬのか?」


 「ええと【帝国】の制服なら」


 「十分じゃぞぉぃ」


 「いや、おかしいじゃん。軍服でカジノ歩いてたら、あの【兵士】さぼってるじゃん!ってなっちゃう」


 「大丈夫じゃぁ」


 「大丈夫じゃないって!所属がばれちゃうんだから!」


 そう、制服だが、何気に新調している。宝剣返しに皇帝陛下に謁見した時、東部輜重隊の頃の制服で行こうとして、普通に新しい物を用意されてたのだ。


 今のやつは【上級士官】用で、輜重団用に作られている。


 もうね、思いっきり自分なの。何せノーボーダーで【輸送】出来る立場なので、本当に同じ服着てる人いないの。


 「気にせんでいいのじゃぁ。逆にお主ほどの立場の制服着ておる者を気安く尋問する方が、よっぽとまずいのじゃぁ」


 「いや、そうじゃなくて、あの指名手配犯。堂々とカジノで何遊んでるの?ってならない?」


 「カジノなんて後ろ暗いのが当たり前じゃぁ。寧ろ武闘派のお主に喧嘩売ってくる奴がおるなら。ぉもしろそぅじゃぁ」


 「武器がダガーしかないのに?」


 「ぉもしろそぅじゃぁ」


 「・・・顔だけでも隠させてください」


 「場所は【砂国】じゃぁ、ターバンで顔も隠せる様にしたらよぃぞぉ」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 武装が間に合わなかったのは首領が何かした? [一言] ×あの兵士さぼってるじゃん ○なんで軍のお偉いさんがこんなとこに ぉもしろそぅじゃぁ
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