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314.チェーンデス(するまではやらない)マッチ

 案の定シンプルな解決策に乗ってきたな。


 ちなみにチェーンデスマッチは決闘王の称号の能力、


 特に自分のステータスが上がるとかそう言うものじゃないのだが、決闘王と言うだけあって、


 タイマンで勝負する能力が付加された。


 チェーンデスマッチはその一つで、非実体の鎖で自分と相手をつなぎ、一定距離以上離れる事が出来なくなる。


 そして、設定した条件まで、それが外れる事は無い。


 これの凄い所は相手の承諾無しで一方的に仕掛けることが出来る事。その点は流石世界に一つの称号だ。


 ちなみにチェーンデスマッチ以外にも決闘スタイルはいくつかあるが、使う事があるのかね?


 お互いの左腕を白い半透明の鎖が繋ぐ。


 「んじゃ、始める?」


 「いいぜ!」


 自分は一応、骨装備にちゃんと愛剣も背中に装備した状態で始める事にする。


 「ふん、戦闘員Aか・・・うちでも見にいった奴は少なくないぜ・・・世界の命運を背負う為、あえて非道を行う戦闘員。だとしても、易々と負けるわけには行かないぜ!」


 「あれは、演出だから」


 「知ってるわ!」


 大きく振りかぶり、気合の乗ったパンチを放ってくるが、


 普通に相手の横にまわる様に避ける。


 腰から引き抜いた兜割で、腰骨に一撃、仰け反りながら呻くガントレットのヒト。


 しかし、すぐに体勢を立て直し、手の甲を返して、両腕で上半身を守るように構えなおすと特殊な形状のガントレットの意味が分った。


 体の前に両腕を揃える様に構えるとガントレットが盾になり、上半身をすっぽり覆い隠すのだ。


 「シールドガントレット!俺の守りを貫けるならやってみな!」


 相手の方からわざわざ教えてくれる親切仕様だ。


 しかし、弱点はもろバレなんだよな。


 一つは下半身、


 もう一つが、盾の継ぎ目、真っ直ぐ両腕の間に剣を差し込むように唐竹割に叩きつける。


 空いた隙間に兜割を突きこみ、真っ直ぐ喉を一突き。


 横に廻り込みつつ、頭部を狙って振れば、腕を畳んでガントレットでガードしてくる。


 しかし、ガードされる事は折込済みで打ち据えたので、痺れた様子だが、


 まだ諦めず、すぐにこちらに向き合い対峙。


 そして、するどいローキックを放ってきた。一歩下がって避けたが、あのガントレットが重くて、殴るの遅いんじゃないか?って言う疑惑。


 片手が痺れているのか、先程ガードしなかった手を前に半身構えで、ストレート。


 内から外に押し出すように兜割を打ち込み、そこからさらに頭部に向かって一打。


 当然ガードされるが、相手は両手が痺れてる。


 鳩尾を突き呻いた所で、背後にまわり後頭部を一打、


 クラついて動きが止まったら、兜割をしまい代わりに剣を引き抜き背中から串刺しにする。


 そこで、チェーンデスマッチは終了。


 正直な所、今回の任務は流石に戦闘力差がありすぎて、多分戦う任務じゃなかったんだろうなって感じ。


 「じゃあ、知ってることを話してもらってもいい?」


 「約束だからな。とは言っても大した事は知らないぜ」


 「別に、何でもいいよ。なんか今回の仕事不満みたいじゃん?」


 「不満て事は無いけどよ。うちは皆団長信頼してるし、ただ、今回はちょっと様子がおかしくてよ」


 「へ~おかしいってのは?」


 「なんか、今回探す石の話を聞いた後、妙に執着してるって言うか、今までそう云うこと無かったからよ」


 ふむ、もしかして未使用聖石なのかな?


 「なんでも願いが叶うとか?」


 「何を夢みたいな事を言ってるんだ?ただどういう石かって、なんか玉みたいな石を見せられたらしい。それから『何とかして手に入れなきゃ』とか言い出してな」


 ふむ・・・どういうことかな?見た目はただの丸い石だからな。


 「依頼主は?」


 「それは言えねぇ。傭兵の仁義に関わる」


 言わないじゃなく、言えない。


 つまり知ってはいるのか、こいつ幹部かなんかか?どうするか、もうちょい情報取れそうだが・・・。


 「河族に手は出してないぜ、俺達はそういう事はやらない。蜘蛛のやつから河族のこと気にしてるって聞いたからな」


 「蜘蛛?」


 「空中からナイフ投げる奴だ。ちなみに俺は蟻、兵達をうまく使うのが蜂、狙撃手が蜻蛉、今のところ会ったのはその辺だろ?」


 「蜂って、なんかもっと攻撃性能が高そうだけど・・・」


 「蜜蜂なんじゃないか?その辺は団長が勝手に決めるからな」


 ふむ、あまり無理に口割らせるのもどうかと思うし、こんなものか。


 「最後にあの倉庫の鍵開けて貰える?」


 「やっぱりあの三人の仲間なのか?」


 「いや、組織は違うね。でも河族を解放して物流を正常化させるって意味では目的は同じかな」


 「分った鍵持って行くか?」


 「いや、自分は身を隠すんで、そっちで逃がしてもらえる?」


 「俺に団を裏切れと?」


 「自分が鍵を奪ったって方が都合がいいなら、持って行くけど」


 何も言わずに鍵を渡してきたので、受け取って、小さな倉庫に向かい、鍵を外す。


 すぐに取って返して元の倉庫に行けば、蟻がまた同じ場所に隠れてたので、鍵を渡し、


 すぐに隠れる。


 警戒しながら倉庫から出て、先に向かう三人を追う。


 まだ、帰らないという事は、失敗って訳じゃなかったみたいだ。


 今度はちゃんとサポートしていきますか。

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