312.休憩
夜になり休憩を始める三人、ちなみに自分はセーフゾーンを見つけたので、いつでもログアウトできる。
常に罠にかかりに行くうっかり三人組は携帯食料でお腹を満たしているが、そんな物で力がでるのか?
まあ、これまでを総括するなら、ズェンズェン駄目!
【鉱国】の美装長みたいになっちゃう。
何を目的としてるか知らないけど、一般傭兵達を隙あらば拉致って尋問してるのを見かけるが、
ここの傭兵は教育がいいから何も情報を落とさない。
しかも手間取りすぎ、一発で地面に引きづり倒して、ダガーを突きつけなきゃ!
じっと隠れて、気配を隠しながら進んでるけど、木の上進めば、誰にも見つからないのにね。
『誰だ!』なんて誰何される潜入がありますか!
なんか森と同化する色の布とか被ってますけど、そんな物<索眼>で一発でばれちゃうじゃん。
例え目の前にいても気配を感じない。これが一流。
気配を感じない事が違和感であり、完全に世界と一体化して溶け込むのが、超一流。
残念ながら、自分は一流にも到底届かないけどさ。
さらには時折、野性の蜘蛛や蛭に噛まれてるけど、その程度の小生物に絡まれてる時点で駄目!
どんなに小さな殺気でも、見逃さない!
ふうぅ・・・挙句の果てには力のつかなそうな、もそもそ携帯食・・・。
なんかいつもと違った意味でイライラしちゃう。
ここはおいしいご飯でも作って差し入れますか。
力がでなくて、失敗しましたなんて目も当てられないもんな。
火を使えば目立つし、どうすっかな~。
無理だな。生物しか食べれないじゃん。炭火であぶり焼きにしよう。
【海国】で買った干し物を炙るといい感じにいい匂いが漂う・・・。
うん、どう考えてもヤヴァイので、炙った海産物を持って、セーフゾーンを立ち去る。
そして、三人が隠れている場所にもって行く。
移動しているうちに匂いも飛んだし、いい感じだろう。
スッと三人の前に降り立ち、何も言わず皿ごと置いて立ち去る。
なんかめっちゃ警戒されているのだが、仕方ないか・・・。
酒をちょっとだけ置いていく。
まあ、そりゃあ潜入中だし、ちょっとだけだ。
海鮮の干し物を炙っているのだから、お酒が欲しいに決まっているが、全く欲しがりだな~。
何故か困惑しながら、もそもそと食べ始める三人。
海鮮は苦手だったのかな?肉派か?もしくは野菜が足りなかったかな?
仕方が無いので、野菜の酢の物和えも皿ごと置いて、また立ち去る。
まあ、自分に出来る事といえばこんな所だ。
正直、気配を消す能力は今一だし、せめてご飯だけでもちゃんと食べて最高のコンディションでがんばってもらいたい。
そして、罠をがんばって踏み破ってもらいたい!
多分自分が手伝う事になるんだろうけどさ~。だとしてもあっさりやられちゃったら、助ける間も無い訳で、
そうなると自分に出来る事はご飯を用意する事くらいとそうなるだろう。
辺りを確認してみるも、傭兵も夜は見廻りも最低限なのか、意外となんとも無い。
普通にご飯作って食べても大丈夫だったのかもしれんな?
まあ、念の為だ。
自分も先程作った炙り物と酒でお腹を満たし、潜入した川沿いの夜空を楽しむ。
木に登って、夜空を眺めながら酒を片手に炙りものって、なんて言うか・・・
一度やってみたいシチュエーションを叶えられるゲームってなんか凄いよな。
しかもそれが、指名手配中で潜入中っていうのはなんか・・・乙どころじゃないわ。
ゲームの世界でも鳥も虫も寝静まり、大きな月が川面を照らす。
ため息ついちゃうような事もあるけれど、まあ、今夜は休んで、またがんばりますかね。