302.決勝前集会
「さて、Bグループの皆さん御疲れ様です!」
「「「「「「「「おつかれさまでーーす!」」」」」」」
いつぞやの酒場にヒーローと怪人達が一同に集う。
「そして!戦闘員A!おめでとう!悔しいけど応援してるぞ!」
「がんばれー」「まけるなー」「力の限り生きてやれー」
皆なんとも楽しそうだ。そりゃそうか、はじめはイロモノと言われて、いじられてたのが、
2戦目からどんどん観客が増えて、毎回どっちが勝つか熱い予想が繰り広げられてたとか何とか。
「にしても、あの短い刃の付いてない刀で、どうやってあんな鎧の上からダメージが乗るんだか」
「え?アビリティで鎧通しってのがあるから、全部急所になる」
「な・・・どんな重装備ごろしだよ。あの速さで動いて、全部急所ダメージってアホじゃないか」
「まあまあ、スキルを聞くのはマナー違反だぜ!それよりも最後の演出どうする?」
「どうするって言われてもな・・・なんか最後のピースを手に入れに行くんでしょ?」
「そうだな、相手は炎の巫女、闘技場最強だ。勝って欲しいが、それは俺たちじゃどうにもならん事だから問題は演出だ」
「なんで炎の巫女が最後のピースなのか?って事かな」
「まあ、そこは巫女だし、戦士じゃないのがみそだろ!」
「なるほどね。邪神の化身を倒す為の切り札か、必要要素って事だ」
「ふむ、その辺は脚本練るとして、装備はどうする?」
「え?このままでいいじゃん?」
「まあ、急に変えたら誰だって事になるし、その説明でテンポが悪くなるかもしれないが、にしても、な」
「でも、装備は大事だぜ!使い慣れてる方がいいだろうが、折角ここまで盛り上げたんだし、最後くらい俺達の力を吸収したって言う雰囲気位は欲しいぜ」
「じゃあ、ナレーションで何とかしてもらうしか」
「ん?装備変更するだけなら一瞬だけど?」
「は?どういうことだ?」
試しに、ベルトの蛇をまわして押し込む、今は登録してある防具は全部一緒。ただいざという時にメインのショートソードを使える様にする為の変身だ。
「剣背負ってるじゃん?好きに武器を出せるって事か?」
「いや、登録してある装備に一瞬で変更できるベルトなんだけど。負けたらこれ貸すつもりだった」
「なんだよ!それ!!!いいな~ピンチにフォームチェンジとかしたかった~」
「いやいや、今は決勝の演出だ。それなら一瞬で変身できるから、説明も簡潔に済むし、間も悪くならない」
「となると、こだわった装備が必要だな。最低限必要な装備はあるか?」
「ん~ベルト、あとこれとは違う全身スーツを一着下ろすつもり、靴は履きなれてて闘技場で使いやすいやつ、ショートソード、兜割、プギオを仕舞った腕輪、氷精強化の腕輪、手袋、チョーカー、最低限で言うとこの辺かな」
「ふむ、逆に胸当てとか兜は換えていいのか、それなら、やりようがあるな」
「俺に勝ったんだから、鳳凰の尾羽みたいな意匠は入れたいな」
「それを言うなら、太陽感も出してもらわないと、っていうかラストコスチュームに関しては俺が持つからな!安心して使ってくれ!皆が装備品を貸すのと同じだと思ってくれればいい」
「じゃあ、私の針の一撃も表現してもらいたいわね」
「それなら、自分は性格上、綿裏包針ていわれてるから、表現できるよ」
「性格が悪すぎるわ」
「ちなみに全身スーツってどんな奴だ?」
と聞かれるので、見せると。
「鮫皮か、ベルト状の補強が中々渋いな。近未来兵士って感じだな。肩当、ナイフ、フェニックスフレアボム、バリアブローチは残すとして・・・」
「なぁなぁ、炎の巫女に勝つ算段はあるのか?1%でもいい!勝つストーリーは見えてるのか?」
急に、知らんヒーローに絡まれた。
「ストーリーは見えてないけど、10回に1回は勝てるんじゃない?」
「・・・勝率1割ってまじか・・・」
「いや、向こうは闘技場のプロだし、そんなもんじゃない?」
「そう言うことじゃなくてよ・・・。俺だったら0.01%だからさ・・・すげー自信だな」
「いや、別に向こうも前よりは強くなってると思うけど、一度は勝ってる相手だし、頑張るよ」
「・・・イチドハカッタ?」
「ようし!皆聞かなかった事にしよ!色々掲示板とかでも噂になっているけど、誰が何と言おうと、俺たちに勝った戦闘員Aが決勝なんだ!」
ざわつく、酒場。掲示板とか見ない自分には何のことか分からない。
「よし!大体出来た!決勝はAで見続けた闘技場マニアもBで見てたネタ好き達も集まるんだ!両方が楽しめる勝負にするぞ!」
「「「「「「「「おーーーーーーー!」」」」」」」」