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290.予選会後半

 対峙する三人。熊が話し出す。顔が見えてないから一瞬誰がしゃべってんの?って思ったが、まあ仕方なし。


 「なあ、お前そんな記念出場みたいなやられ役みたいな格好しておいて、さっきから一個もクリーンヒット貰ってないじゃん。強すぎじゃない?」


 「そう?避けるのが少し得意なだけだよ」


 「ふーん」


 「いいから、そろそろ決めよう。まだ予選会だぞ」


 裸天狗が催促するので、勝負を再開する。


 熊は何となく立ち姿が空手っぽい。自分は格闘技に詳しくないが、両手を腰に構えている。


 裸天狗の方はと言えば、ムエタイスタイルの構えだ。


 コレ二人とも現実でやってる人達じゃないの?勝てるのか?コレ。


 まずは裸天狗のローキックをカットする熊。


 さらにジャブに合わせた縦拳突きで顎を狙っていく。


 裸天狗が一歩引いた所で、自分が熊の鳩尾を狙って突くが体捌きでかわしながら、中段突きを見舞ってくる。


 でも、それは誘い。自分も体の軸をずらし中段突きをかわしつつ、腕を絡める。


 肘内同士が引っかかった所で、強引に腕を振り上げ、逆手持ちの兜割りで鎖骨を思い切り突く。


 一撃入ったところで、裸天狗が背中から攻撃してこようとするので、体を入れ替え、熊にダメージをくらってもらう。


 そこで、強引に腕を引き抜いた熊が、術を使用し、足を伸ばしたまま回転し空中に逃げる。


 往年の格ゲーを思わせる動きだが、足にエフェクトがかかっているという事は蹴り系の術なのだろう。


 ちなみに殺気を感じた瞬間に自分は転がって距離をとったし、裸天狗はガードしていた。


 すぐにリングに降り立った熊だが、着地際を狙うのはセオリー中のセオリー。


 裸天狗の術、拳にエフェクトを纏ったストレートが炸裂する。


 熊も予測はしていたのだろう。全身にエフェクトを纏い、やや内股で全身に力を入れるように受けていたが、何分着地際であり、吹っ飛ばされる。


 リングアウトは免れたが、大分距離が離れた。


 ならばと、自分が裸天狗につっかかる。


 タックルするように頭を下げ屈みながら、突進すれば、ミドルキックで応じてくるが、別にタックルしようとしている訳ではないので、そのまま前転して軸足の足首を掴む。


擒拿術 照葉野茨


 その場から動けなくしてやった。


 すぐに飛びのいたが、この術のいやらしいところは、掴んだ足が完全に床に固定されるので、振り返ることも出来ないところだ。


 ちなみに掴んでいなかった方は動くので、強引に後ろを見る事はできる。


 戸惑っている所で、後頭部に一打。


 立ったまま昏倒したところで、熊ラッシュ。


 鉤突き、中段、上段、ロー、山突き・・・吹っ飛ぶかのような勢いの山突きだったが、足が固定されていて、ただ崩れ落ちる事しかできない裸天狗の顔面に膝が入り、光の粒子に変わる。


 握った拳を顔の前で交差した後に、体の横に引いて、自分の方に向き直る。


 今度は開いた左手を拝むように立てて半身で正中線を隠すように構える。


 じりじりと摺足で、間合いを詰めてきた。そしてあびせ蹴り、足にエフェクトが乗っている事を確認し、横に転がって避ける。


 相手の撃ち終りに合わせて、わき腹に一突き。


 下段払いで、撥ね退けられた。


 すかさず、着ぐるみのたるみを掴み


擒拿術 蛇結茨

擒拿術 猿捕茨


 硬直コンボで、動きを止め、


 顔面に一打、後頭部に一打、腰に一打、肘膝関節に一打づつ、連撃を見舞っていく。 

 

 硬直が解けてがっくり膝をつく熊だが、まだ闘志は失っていないらしい。


 足にまた術を纏わせ、ドロップキックのような姿勢で、飛んできた。


 物理法則を無視しているが術だから仕方ない。飛蝗ジャンプで上空に避ける。


 術の勢いでそのまま飛び、リングの縁で止まったところで、自分が熊の背後に着地し、衝撃でリング外に押し出す。


 [勝者!『戦闘員A』!!!本選出場おめでとうございます!本選出場者にはこちらで宿を手配してますので、どうぞご利用ください!]


 とりあえず、本選への切符は手に入れたようだ。


 さて、次はどうやって戦っていくかな。


 やっぱり主武器解禁するか、しかし<氷剣術>ならダガーでも使えるしな。


 クラーヴンの武器は本当に使い勝手が良いよな。

 

 とりあえず、案内された宿で装備の確認と手入れをしながら、次の戦闘を想定した準備を進める。


 何しろ自分は変身ベルトで一瞬で装備を換装できるのだから、使わない手は無い。


 とは言え、鎧と骸骨マスクだけは外せないがな。


 だが、下に着ている服とブーツのセットは変えてもいいし、武装も考えたい所だな。


 そんなこんな過ごしていたら、誰かが部屋を訪ねてきた。


 扉をノックされる音を聞き、慎重に扉を開けると、


 なんかこう・・・自分と似た匂いのする服と言うか、全身タイツに装甲くっつけた服装の人が立っていた。


 しかし趣が違うのは、なんか太陽っぽい戦士だって事か、つまりヒーローっぽい!


 「すまんな、これから戦うかもしれない相手に訪ねてこられても困惑するだろうが、少々話がある。ついて来てくれないか?悪い話じゃない。ただの提案だ」


 そう言われて、宿から連れ出され近隣の酒場に一緒に入っていく。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] なぜムエタイなのに天狗 [一言] 男には負けられない戦いがある ってキャプションで歴代ライダー集合に立ち向かう戦闘員一人ってのが脳内に
[一言] どう考えても八百長のお誘いだよなぁwww 受けるふりして奇襲してみる?
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