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288.大会受付

 久しぶりの【闘都】だ。


 受付は都中央の一番大きな闘技場、人がずらずらと並んでいるが自分も受付せねばならない。


 正体がばれても困るので今から変装する事にする。


 ベルトのバックルをくるりと回し、押し込めば、骸骨セットに早代わり、


 最終的な装備はまた調整するとして、まずは受付だ。


 ちなみに並んでいるヒトには既に仮面をつけている人も少なくないので、なんら目立たない。


 並んでいる間暇なので、前に並んでいるヒトに話掛けてみた。


 「なんか、凄いヒトの数ですね。この大会は初めてなんですけど、いつもこうなんですかね?」


 「何言ってんだ?『獅子英雄杯』はニューターなら皆初めてだぞ?」


 「え!そうなんですか?何度も行われてきた大会みたいに聞いたので」


 「ストーリー上はな。決闘王の代替わりの度に大会が開かれるらしいな」


 「なるほど、だからレアクエストみたいな感じで皆集まってきたと」


 「そう言う事だな。あとはこの前のイベントが中止になったろ?だからこういう大きなクエストで盛り上がろうって事さ」


 「へ~お詳しいんですね。やっぱり優勝狙いで?」


 「んなわけないだろ!折角のお祭りだから記念参加さ。一対一じゃ、実質ガイヤか剣聖の弟子かって所だろ。最初の騎士は不参加らしい。なんでも、不治の病に冒された少女を救うため外海に渡るんだとか」


 騎士殿は相変わらず、騎士やってるな~。それも放浪の騎士。弱き者のため、無謀とも思える冒険を繰り返す。これだよな~。


 「記念で出るって言うけど、記念品でもでるんですか?」


 「でないな。上位は賞品や賞金ももらえるらしいが、やっぱり決闘王の称号はいいよな~一人しか持てないんだぜ~レアだよな」


 「は~凄いですね~」


 「ところで、アンタはあまり詳しくないみたいだけど、何目的?」


 「いや~クエストで急に優勝してこいって言われて、どうした物かなと」


 「はっはっは!そりゃ大変だな~。結構いきなり理不尽な事言われる事あるもんなこのゲーム。でも失敗したからって、何から何までおじゃんになるほど酷いゲームでもないから気楽にやるといいぜ」


 「そうですか~、最悪ガイヤか剣聖の弟子に交渉するしか無いですね」


 「なんだそりゃ?そういや、もしかしたらのダークホースがいるぜ!」


 「へっ?そうなんですか?」


 「ああ!街中の張り紙を一度は見たことがあるだろ。ニューター初のNPC殺害者。秘密裏にNPC狩りまくって強くなったチート野郎。そいつが参加したら、優勝は分からないぜ」


 え?自分てチートだと思われてるの??


 「え?優勝は分からないって、それとチートって」


 「そりゃNPCを攻撃するのは違反な筈なのに実行してたらチートだろ?それでかなり強くなったらしいぜ。今回は仮面武闘会だし、顔隠して参加してないとも限らないぜ~。あのガイヤすら倒すらしいからな。それもガイヤの得意なこの闘技場ってフィールドで」


 は~。そうなんだ。プレイヤーには自分はそういう風に認識されてたのか。


 ただ任務を繰り返してただけなのにな。


 そんなこんな、世間話をしつつ情報収集をしていたら、自分の順番が廻ってきた。


 「リング名を登録して下さい」


 受付のにこやかなお姉さんにそんな事を言われるが、


 「リング名?ですか?」


 「はい!仮面武闘会ですので、リング名の登録が必要となります」


 ええ~、そんなの聞いてなかったし、何も考えてないんだけど~


 「もしお考えでなければ、候補を挙げさせて頂きます」


 「どんな候補がありますか?」


 「『骸骨男』『ホラーマン』『怖い骨男』『全身タイツマン』『聖なる攻撃苦手マン』『がりがり』『本当は肉もあります』『朽ち果てる白は沙羅砂の如く、優しき粉雪の如く』・・・」


 「えっと・・・『戦闘員A』でお願いします」


 「はい!承りました『戦闘員A』様ですね承りました。それでは当日予選は南東にある英雄記念闘技場にお越しください」


 「ありがとうございます。ところで英雄記念て??」


 「古く小型の闘技場ですが、その分格式と伝統のある闘技場ですよ。初代決闘王である。ライオン獣人の英雄が遠い昔戦っていた闘技場である所からその名がついていますわ!」


 ふむ、複数の闘技場で予選をやるほど、参加者が多いのか、しんどいなそりゃ。


 予選から飛ばすか、逆に手の内を見せないように、必死で隠すか・・・それが問題だ。


 とりあえず、近くの屋台で買い食いしつつ酒を飲み、リラックスする。


 ぎゅうぎゅうに人が込み合う【闘都】はまるでお祭り状態。


 宿は取れそうも無い。どこに野宿するかね。


 隠れ家で<野泊者>は外してきたが、自分には前に手に入れたテントがある。


 これを使えば、セーフゾーンでログアウトできるのだ!しかも道具の保管まで出来るという優れもの。


 アイテムバックの様に大量保管は無理だ。しかしテントに入る量であれば、テント内に保管したままテントを仕舞える。


 実はさり気無く旅生活の間中世話になった一品である。


 さて、どうやって戦っていこうか、脳内で何度もシミュレーションしながら、ログアウトして、寝る。

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― 新着の感想 ―
やっかみでチーター扱いされるのはMMOあるあるかなーて感じなんだけど、運営が用意した特殊クエストのせいなのがモヤる。 主人公は気にしてないんだろうけど不快だわー。クソ運営案件。責任持ってちゃんと火消し…
[一言] 良く咄嗟にそれだけリングネーム候補が出せるものだ、実は凄い受付なのでは?
[一言] 255話で他のプレイヤーが隊長の指名手配は規約違反ではないって説明受けてた描写がありますね。
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