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285.昼食とおしゃべり

 倉庫地帯の近くの広場、ここで働く者達の憩いの場、


 据え付けられたベンチに腰掛け、明るく晴れて青く抜ける空を仰ぎながら、使いすぎた脳を休ませる。


 休み時間には少し早く、人通りは少ない。しかしこれからのラッシュに備え屋台の店主たちは慌しく感じる。


 ニキータが昼にしようとパニーニを買って来て、一つをくれた。


 トマトソースとチーズが絡み合い、多分地球上の誰もが好きなんじゃないだろうか?と言う味が口の中に広がる。


 「パニーニは本来、焼き立てじゃなくておいしくなくなったパンを、おいしく食べる為に作られたらしいんだけど、ここのはパンがおいしいよ」


 「ニキータって意外と食通なんだね」


 「任務で、あちこち行くからね。趣味みたいなもんさ。それで何か分かったのかい?」


 「何かって言うか、何が起こってるかは大体予想付いたよ」


 「ふーん、それで賢者様は例のお調子者を追い込めるわけだ」


 「いや、証拠はないね。後は細々とした所を確認して、突撃だね」


 「結局、強行突破か・・・」


 「強行突破だって立派な戦術だからね。後はタイミングと度胸だけ。確認したいのは鍵の形状とお調子者のシフト・・・。ちなみに倉庫の鍵をスキルで開けたらばれるかな?」


 「スキルで開けたら痕跡は残るよ。鍵の形状はどこにでもあるような一般的な倉庫の鍵だったね。お調子者のシフトは・・・明日の晩、さっき会ったうちの手の者と一緒だね」


 「これはこれは、急ぎになるけど明日の晩に人手を集められる?追跡と潜伏が得意な人間を複数」


 「いいよ。随分早い解決だな。あのお調子者は何してたんだい?」


 「そうだね、彼は鍵係、そのまんまキーマンだよ」


 「そう、じゃあまだ時間があるし、ちょっと別件で話をしても言いかい?」


 少し様子の変わるニキータ。別にいつもボケたり冗談を言うようなタイプでもないが、やや真剣な面持ちに何かあるのかな?と真面目に聞いてみる事にする。


 「いいよ。何でもどうぞ」


 「死と再生の蛇と死と再生の秘術の話さ。秘術はまだ手に入れてないって言ってたけど、その内容は分かってるの?」


 「第7機関長ともその話はしたことあるね、死者復活に関わるらしいけど、実際にはそんなヤヴァイことは出来ないらしいよ」


 「そうか・・・」


 「誰か生き返らせたい人でもいるの?」


 「くっ・・・まあね。ここまで聞けばそりゃ分かるよね【教国】内じゃタブー扱いされる話題だし、しかし鍵を握ってるのはあんただ」


 「嵐の岬の復活の杖は?そっちは調べたの?」


 「あれはニューターだけだ。こことは違う場所に魂があり、何度でも肉体を復活できるニューターにしか効果が無い」


 「そうか、本気だね。もしかして渓谷の街から避難してる時、あそこ歩いてた?」


 「何で急にそう察しが良くなるのかね・・・そうだねもし倒せるなら私が倒したかったよ。まあ方法は無かったから、気にする事もないけどね」


 「ふーん、でも昔散々研究して無理だった事がそう簡単にできるとは思わないけどね」


 「それでも、諦めきれない事はあるもんだよ。まだ秘術が手に入ってないって事は倒してない蛇がいるって事だろ。もし情報を掴んでこれたら、倒す気はあるかい?」


 「あるよ。どこに行っても蛇は悪さしてるから、倒す事に否は無いよ。まあ一人でやれるとかは言わないけど」


 「それはね。基本大きいらしいし、倒し方もそれぞれって話だもんな。よし、じゃあ嫌疑を晴らすの協力してやるよ。はじめは折角のチャンスを横取りしたやつだと思ったけど、結局私じゃ無理だった訳だからな」


 ふむ、中々香ばしくなってきたな~。


 指名手配、死と再生の秘術、聖石、荷抜き・・・いや自分の予想では密輸。


 まずは、密輸から決めていきますか。


 にしても、このパニーニうまいな!もう一個食べたかったが、


 いつの間にか休み時間になったのか人通りが増えてきた。


 少々名残惜しいが、準備と行きますか。


 別に搦め手を使おうとかそんなんじゃない。


 事件現場は分かってるのだ。張り込んで現行犯で捕まえる。


 もし、お偉いさんが絡んでくれてれば、第9機関長に任せれば、芋づるだ。


 さあて、どうやってホシを落とすかな。

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― 新着の感想 ―
[一言] 死者復活の罠とかにならなきゃいいけどね 冥府の役人に 死者を復活させてやろうと言われて、頷いたら、ゾンビになっていたとか…………… 時間がたったら、スケルトンかなぁ?
[気になる点] ニキータの名前を見るたびにどこぞの前任をぼろくそに批判したウクライナ人が浮かんでしまう… [一言] 「ニキータ、ナイフを使え」
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