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281.魚人街の玉

 聖石の場所は案内してくれるらしい。


 一応、長に確認したが、ただの玉だから欲しければ持って行っていいそうだ。


 問題は会話の中にあった不穏な、真の戦いって言う単語。


 もうね、このゲームやってれば、その不穏ワードが絶対ヤバイボスだろ!ってなる訳だ。


 玉に選ばれなきゃそんな事もないんだが、現状完全に自分の元に集まってきてるじゃん。


 次のログインで、マンボーさんに案内されて街外れに向かう。


 緩やかに水が流れる川か泉か、しかし海中なんだから海水が流れてる訳だが、


 水中から足場になる白い柱が飛び出している。


 飛び石のように生える白い柱の上を飛び移りながら、進むと、


 泉の中央には屋根付きの建物。


 柱だけで壁が無いところから、中を見られても困らないのだろう。


 近づいていくと、シンプルにストライプに彫られた円柱がぐるりと小さな部屋の屋根を支える空間。


 サイズはほんとに狭い、精々公園の4人掛け席が置いてある休憩所くらいだ。


 そこの中央に玉が普通に置いてある。


 いや、本当にこれでもか!ってくらい普通に置いてあるが?


 一応腰くらいの高さの台座に乗ってはいるが、今回は長との戦いもなし?? 


「少年よ、もし必要なら手にとってみるがよい。玉に選ばれれば持ち出すことが出来よう。もし無理だと感じたら台座に玉を戻せば良い」


 そう言って、外で待つマンボーさん。


 一人で、屋根の下に向かい玉に手をとると、


 すっと、辺りが暗くなるが、真っ暗と言う訳ではない。


 どこからとも無く一本の光の筋が、自分の目の前の鏡に当たって、直角に折れている。


 取り敢えず、光の筋を追うように右に折れると、すぐに行き止まり、ふむ・・・・。


 今この空間で動かせそうなギミックは鏡位かと触ってみれば、地面に中央だけ固定され回転するようになっていた。


 丁度デパートの回転扉の様に。


 そして、左に直角に折れる位置に止めると、左に道が現れる。


 そのまま光の筋を追い歩いていくと、また鏡光の筋は右に折れている。


 そして、正面はプリズム??光が分解される透明な箱。


 正面に緑色、左に赤、右に青。


 光の三原色RGBに分解されてるって訳か。


 正面の緑色は真っ直ぐ進み、また不思議な透明な箱に当たり、そこで左右二股に分かれている。そこでは色分解は行われていない。


 取り敢えず、左の赤から追ってみるかと、左隣の部屋に進みそのまま赤の筋を追っていくと、

 

 いくつかの鏡に反射し、それを調整して先への道を見つけて進むと黄色い扉で、終わる。


 鏡の角度と言うより、これは色なんだろうな?


 黄色い扉なんだから、黄色い光を当てろってことじゃなかろうか?


 取り合えず、念のため扉に触れたら、魔物が降ってきた。


 手鏡のような形をした魔物、あからさまに顔が鏡に映っており、鏡の中の顔がこちらに牙を剥いている。


 ヒトとも獣とも取れぬ顔で睨みつけ、鏡に腕が写ったと思ったら、巨大な腕が上空の何も無い空間から現れ、拳で潰してくる。


 殺気を感じ、ちゃんと転がって回避したが、攻撃が読めない。


 取り敢えず相手は無機物の様だ。今まで敵と言えばヒトか動物か虫って感じだったので、ちょっと緊張する。


 空中に浮いた手鏡状の敵、しかしサイズは手鏡と言うにはちょっと大きい、鏡台サイズの手鏡だ。


 今度は矢が写った。


 殺気を感じるままに腰の兜割りで、撃ち落す。ちなみに服装は魚人街では指名手配されてないと聞いてから通常の戦闘用の服だ。


 兜割をチョイスしたのは相手が鏡だから、割れるんじゃないかな?と言う期待を込めてだ。


 そして、矢が止まったところで、速攻殴りにかかる。


 ガッチャンガッチャン派手な音をたててダメージをくらう鏡。割とあっさり倒しきる。


 攻撃を当てさえすればどうと言うことでもない相手だったのか。


 そして、その後緑の分岐に戻り周辺の鏡を調整すれば、赤と緑が混ざって黄色にできた。


 そして、黄色で扉が開き、正面に鏡、反射して右に黄色い光が当たっているが、大きな白い扉だ。


 白に戻せと言う事か・・・、ちょっと面倒になってきたが、変な扉を触らなければ魔物が出るわけじゃないし、今度は青側の鏡を弄る。


 青は右側の部屋だ。


 そして、こっちは水色?シアンかな?まあ、緑と青を混ぜろと言う事だろう。


 と言うわけで、また鏡を動かし、水色を作って扉を開く。


 鏡で光の筋が左に曲がる。


 壁一枚を挟んで、一つの大きな扉に黄色と水色の光が当たった事になるが、


 扉が開いていて、奥には宝箱が一つ。大きな三叉の槍が一本入っていた。


 取り敢えずアイテムバッグにしまい。先に進もうと思っても行き止まりだ。


 一先ず、あちこち見て回り、光の飛ぶ方向をいじっても何も、起きない。


 これどうするんだろうか?


 もう一度宝箱の部屋が開いた状態に直し、


 宝の部屋の前の鏡を調べると、ガラスの裏に何か張られている。


 それを剥がすと、ただの透けたガラスになる。


 そして、光の筋と筋が混ざり、白い光が循環した瞬間、ホワイトアウトして、


 いつの間にか目の前にマンボーさんが立っていた。元の泉の真ん中の小さな建物だ。


 なんとか玉は持ち出せたようだが、別に選ばれなくとも謎が解ければ持ち出せたんじゃないの?


 「ふむ、あのよく分からぬ空間を脱出できたものだ」


 褒められても、正直ゲームだと認識していれば、ちょっとした迷路でしかないんだけどな。

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― 新着の感想 ―
[一言] 元ネタはサ◯フロ光の迷宮…かな?
[一言] >現状完全に自分の元に集まってきてるじゃん だ、大丈夫だ!まだ全部じゃない! 王国のやつはまだ手にしてないよ! 姐さんとか騎士団の連中が何とかしてくれるって!
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