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259.15番斬り⑤

 食事を終えて片付けると、


 念のため木に登り、服も戦闘しやすいように〔八岐の外套〕装備に変えて待ち構えると、


 セーフゾーンにパーティがやって来た。


 自分が、料理していた事に気が付いているのか、周辺を手分けして探索し始める。


 しかし、あからさまに武器を抜いて、剣呑な事この上ない。


 うーん、どっかで見たことあるんだよな~。何とか思い出そうとするが、中々出てこない。老化現象だろうか?


 仕方ないか、声を掛けよう。


 「ねえ!何か用?」


 一斉に振り向くパーティ。だが自分が木の上にいるとは思っていないのか、周辺を目を凝らして見ている。


 「おい!誰だ?出て来い!」


 「嫌だけども。そんな剣呑な様子で、何してるの?」


 「俺達は凶悪な殺人犯を捕まえに来たんだ。悪いようにはしないから、出て来い」


 「いや、捕まえに来たんじゃん。出て行かないよ」


 「あっ上にいるぞ!!」


 その時、探索係と思われる軽装のメンバーがこちらを指差してくる。


 「くっそ!どうやってそんな所に!」


 そんな事を言いつつも、術士が火の玉を飛ばしてくる。火精の<精霊術>使いかね。


 自分はすぐに隣の木に飛び移り避ける。


 「やる気って事ね。一応名前だけは聞いておこうか、答えたくなければそれでもいいけど」


 「俺たちはマッドゴブリンズ!一度ガイヤと一緒の所にかち合って負けたが、今回はお前一人だ。確実にやらせてもらう」


 嗚呼、あの時の石を掘りに行った時のね。リベンジって所か?今回は一人隠れて撮影じゃないんだな。


 再び、今度は火の矢が飛んでくるので、地面に降りる。


 すると輪を狭めるように追い込んでくるので、一方の隙間から走って逃げ、木をいくつかかわし〔八岐の外套〕の効果を発動し、タゲを外しつつ姿を消す。


 木を背にじっとしている自分の横を抜け、走っていく、マッドゴブリンズ。いったい何を追いかけているのか。


 一番足の遅い術士が目の前に来たので、後ろから口を塞ぎ、


擒拿術 梔子


 声が出なくなったところで、喉を裂く。


 力づくで、外して逃げようとするが、既に自分が拘束している。


 【帝国】師匠たちから習う<組討>は伊達じゃない。


 近接戦闘職でもない相手は容易く拘束し、剣を連続で突き刺し、まずは一体、術士を倒しきる。


 さらに、補助タイプと見えるもう一体の術士がこちらに気が付くと、すぐに大きな声を出して、仲間を呼ぶ。


 面倒臭いが、また逃げる。


 今度はわざと相手がギリギリ追いつける速さで。


 だいぶ追いついてきて、逃げる時にはやっぱりこれ!


 マキビシを一つかみ放る。


 自分のかなり近くに来ていた、探索タイプがまず、すっころぶ。


 明らかに物理の法則を無視したように、空中を華麗に1回転し、尻餅をつく。


 続いて、近接職の二人も同じようにマキビシが足に刺さったのか、動きが止まる。


 そこで<跳躍>を使用して、マキビシを飛び越え、


 マキビシに引っかからなかった補助タイプと見られる術士に斬りつける。


 一応は長い杖で、ガードしようとしてくるが、遅い。


 杖を持っている指を狙い斬る。部位破壊が成立し、杖を落としたところで、首を斬る。


 更に胸倉を掴んだ所で、後ろから近接職が剣で自分を斬りつけてくるが、


武技 身代わり


 術士を盾にして、剣を避ける。そして術士の後ろから剣を突きたてつつ。突き飛ばす。


 探索職ともう一体の近接職。こっちは盾こそ持っていないが、結構な重装備だ。半金属かね?


 取り敢えず、乱暴に剣を振り廻し、相手に間合いを取らせる。


 「おい、この人数に囲まれてるんだぞ?降参したらどうだ?」


 重装備の近接職が声を掛けてくる。


 ふむ・・・取り敢えず、剣を背中に納める。


 「前よりはマシになってるみたいだけど、それだけかな」


 「はん!強がりやがって!お前らにやられた後、面倒でも小物を狩りまくって貯めた金で装備揃えてここまで来たんだ。ガイヤもいないのに、よくそれだけデカイ口が叩けたもんだな」


 「まあ、小物って要は格下プレイヤー狙って5人で襲い掛かっただけでしょ?」


 「集団でやるのも戦略の内だ。それこそお前がやって来た事だろ?今更卑怯だなんだ言わせないぜ」


 「別に言わないけど、パーティで襲い掛かって集団ね・・・」


 「ふん、そっちは100人も集めなきゃ、戦えないびびりだろうが!」


 何か噛み合わないやつらだな~。これ以上しゃべってても何も情報は出そうに無いし、殺るか。


 補助タイプの術士が何か術を使おうとした瞬間に抜き打ちで、腰から兜割を抜き重装備近接職の金属製であろう兜を打つ。


 十分にスナップを効かせた一撃で、衝撃が内部まで浸透したのか、一瞬で動きが止まり、腰砕けに座り込む。


 さらに、もう一体の近接職の剣も上から重さを掛けるように打てば、振動で手が痺れたか、剣を取り落とす。


 探索職は警戒して更に間合いを取る。


 置いてけぼりの術士を殴る。左手に兜割を持ち替え、そしてこめかみを挟む様に頭を掴み。


吸う右手


 横合いから突いてくる探索職のダガーの様な短剣を兜割りで弾き飛ばせば、術士が掴みから抜ける。


 さて、大よそ武器を取り落とした相手を殺処分タイムだ。


 再び兜割を戻し、剣を抜く。


 取り敢えず、術士にさっさととどめを刺す。流石にダメージ蓄積もあれば、この短時間に回復も出来ないだろうと思ったが、中々手こずった。


 いつの間にか思っていた以上に回復したのだろうか?


 次に探索職。こいつも軽装だ、どこを斬ってもいい。適当に斬りまくる。逃げようとするが足場が雪なら、自分の方が速い。


 追いついてはダメージを与え、一方的に屠る。


 お次は近接職剣士。


 痺れが治ったのか、剣を持って振ってくるが、普通にブロック成立。


 硬直した所で、左手で目の上を掴み、


吐き出す左手


 ゼロ距離熱閃で、目と顔を焼く。顔を押さえうずくまる。


 重装備近接職がようやく動きこちらに向かってくるので、剣をしまい腕輪からダガーを引き抜き、


 寧ろ自分の方から間合いを詰めて、武器を持つ腕をロックする。


 がら空きの脇にダガーを突きこむ。


 更に足を掛け、転がし、腹部の鎧の隙間を突く。


 足先を掴み、捻りうつぶせにひっくり返した所で、兜と鎧の隙間をガンガン突いていく。


 最後になにやらうめき声を上げて、消えた。


 残るは剣士一人。


 「じゃ、お前でラストだから」


 「ふん!俺達を倒したくらいで、いきがるなよ!この森に追い詰められた事は他のPKも知ってるんだからな」


 そう言いながらも、目も見えなく抵抗する気もなくしたのか大人しくしているので、剣で一息に首から順に急所を裂いていき。倒す。 


 しかしながら、他にもPKがねぇ。ルークどういうことだってばよ。


 一応戦闘しやすいように〔殿飛蝗の長靴〕に靴だけは替えておく事にする。

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― 新着の感想 ―
[一言] いきがるなというけども、彼我の戦力差も見抜けず一方的にやられたPK側に、それこそお前がいうなって言う ルークくんの冤罪判定が着々と進む 果たしてルークくんの疑いは晴れるのか!?w
[気になる点] PKども、クエスト受けてない? [一言] ルークのせいじゃないと思うの(真顔)
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