255.【帝国】東部お茶会はあまり危機感を抱いていない
「さて、最近の話題といったら・・・」
「隊長の事なの、掲示板もプレイヤー達もその噂で持ちきりなの」
「だよなー、指名手配なんてシステム今まで説明すらなかったし、今回皆初見だろ?流石に隊長も全NPC及びプレイヤーから逃げ切るのは、きついか?」
「別に全NPCとは書いてませんでしたよ。プレイヤーも別に隊長に与していいとも書いてましたし、何なら注意書きで分りやすく何度も、規約違反ではありませんて書いてありましたし」
「それもそうだな、寧ろ虐めみたいで嫌だってっプレイヤーもいるくらいだな」
「その辺りは隊長を知るプレイヤー達から、あまり気にする人じゃないから、嫌ならそっとして置く様にって話で掲示板とかもかかれてる位ですね」
「後は開かれてるワールド全土を使った壮大な鬼ごっこのつもりのプレイヤーも多いな」
「それな、まあ、賞金かかってるし、やりたきゃやればいいが、ちょっとやそっとで捕まる隊長か?」
「自分は無理です。見つけたとして、どうやって追いつくのか皆目見当もつきません」
「ビエーラなら、何とか一撃入れられるんじゃねぇか?」
「あの速さで動く上に、不意打ち不可能な相手に?誰か足止めしてくれればいいけど、寧ろ地面が白くなる術で逆に足止めされた挙句、霧で姿を消してどっか行っちゃうの」
「だよなー、どう考えても無理ゲーなんだよなー。プレイヤーが人数集めて総力挙げて山狩りする勢いだろ?」
「寧ろ、包囲網の一番弱い場所突かれて脱出されますよ」
「じゃあ、NPCが総力挙げて包囲するしか・・・」
「どこのNPCが協力するんです?【帝国】だって、隊長肝いりで精鋭化してる元【帝国】東部輜重隊メンバーが追跡隊から外されてるんですよ?各国に伝手のある隊長じゃ、尽く精鋭抜けた状態で包囲するんですか?」
「国の中枢を守る精鋭を動かすには隊長はあくまでも容疑者だし、国家転覆の疑いでもなければ動かさないですよね?」
「つまり結論としては、隊長を捕まえる方法は実質存在しない!」
「でも、まあPK連中のサイトじゃ盛り上がってるらしいけどな」
「ゲーム的に正当性があって盛り上がってる半端なPKに何が出来るとも思えないの」
「まあ、本来アングラな楽しみ方を標榜してた連中が、急に正当性が有るとか言ってもな」
「しかも、泳がせて賞金を吊り上げる派と抜け駆け派が喧嘩してるし」
「とらぬ狸の皮算用ってそういう事なんだろうな。実質プレイヤーで隊長に勝てるやつって誰よ?」
「最強のPKは一回負けてるのにこの状況での復讐は意味が無いって、降りたって情報ですね」
「プレイヤー最強の爺さんも寧ろ隊長側らしい。なんなら騎士団で追う奴がいるなら、まず爺さんを倒せって」
「無理すぎるだろ。嵐の岬も大物狩りクランなのに人狩りなんてするなって話しだしな」
「闘技場の連中も一枚板でこそないもののガイヤに勝てない奴が、外のルール無しで隊長に勝てると思うなよって話しだもんな」
「【砂国】と【森国】はやる気だったが、最強のPKに狩られ放題やられて『僕に勝てないのに隊長に勝てると思わないで下さい』らしいからな」
「隊長の味方するプレイヤーも化け物ばかりってな」
「指名手配とか実質意味無いじゃないか、寧ろ今まで忙しく【輸送】をしてた隊長の休暇って事か」
「そうでしょうね。だっていくら時間かけたところで、あの隊長に消耗って言う概念があるのかどうか」
「自給自足生活させたら、右に出る奴がいねぇってな」
「武器防具の消耗だけはしんどいだろうが、最悪初心者装備でも戦えるからな隊長」
「唯一の懸念はプレイヤーのゾンビアタックくらいか、PK連中が結託して」
「それも運営から出来ないようにされてますね。隊長に倒されたプレイヤーの制限は結構重いみたいですよ。別にアカウント停止とかではないですが」
「ふん、じゃあ、これ以上無理な事話していてもしょうがねぇな」
「確かにそうなの、唯一プレイヤー共通に与えられる情報として隊長がログインしたらそれだけは伝わるけど、今のところ平常運転みたいなの」
「一個だけ、懸念があります」
「なんだよ?ソタロー、改まって」
「隊長が強いのは実はNPCを狩ってたからじゃないかって言う噂が流れてまして」
「あ~それな、でもシステム的に理由も無くNPCを攻撃出来ないんだぜ?俺はやったこと無いが、NPCをやる瞬間、時間が止まって警告されるらしいぞ?それでも続ける意思がある場合死神に狩られて、一定期間ログイン不可になるとか」
「理由無きAIに対する攻撃は規約違反だからな。それでも微妙な場合の為に時間停止及び警告があるわけだが」
「でも、隊長ってNPCをSATSUGAIしてるんですよね?」
「まあ、理由があったんだろ?特にあの隊長が好き好んでNPC攻撃すると思えないし、あくまで容疑だし」
「しかし、まあその噂は聞いてるけど、NPC殺せばいっぱい経験値が手に入って強くなれるとか信じる奴の神経を疑うよ」
「今や有名プレイヤーは皆【訓練】やれば強くなれるし、クエストこなせば信用されてもっといいクエスト紹介されるって公言してますからね」
「そうだな、俺は強くなるとか興味無いし、クエストかどうかも微妙な、包丁や鍋ばっかり作ってるがな」
「うん、クラーヴンはもう少し自分の能力を知ったほうがいいな」