236.護国の将軍再び
■ 片手半剣 ■
バスタードソードと呼ばれる事もある
長大故に扱うには相当の膂力が必要となるが
汎用性が高く、使いどころが多く、鎧の上からもダメージを与える事の出来る武器である
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
骸骨将軍が剣の切っ先を空に向け、顔の前に掲げると、バフエフェクトが身を包む。
前回は片手剣だった筈だが、今回はちょっと長いそしてごつい。
片手半剣とでも言うのだろうか、巨体の骸骨将軍なら合うだろう。
前回の強撃を思えば、片手でも両手でもこの長大な剣を振るう事が可能なはずだ。
ローブの骸骨はやや後ろに待機し、見守っている。
てっきり補助役かと思ったのに、何もせず見届けるようだ。何の気負いも感じられない。
一応前回と同様に自分も兜割を顔の前に掲げ挨拶代わりとする。
自分は【教国】兵から貰ったバフ付きだ。
前回と違って殴打可能な分、鎧の上からでもダメージを与えていけるだろう。
お互い武器が変わっているが、小回り及びスピードは多分自分が有利、
一撃の重さは向こうが有利って所か、
前回の戦いはちょっと消化不良だったし、楽しみだ。
早速、間合いを詰め斬りかかる。
相手は両手で剣を持ち、ガードする。
ガードの上から叩いても仕方ないので、軌道を変え手首を狙うが、剣の柄で受けられる。
両手で持った柄の隙間で受け留め、こちらの兜割の切っ先を押し返してくる。
そのまま捻りこむようにこちらの首を狙って水平に振ってくるので、一歩引いて避ける。
振り抜いたところを狙って胴を叩きにいけば、柄尻で強引にこちらの頭を狙って殴りつけてくる。
ギリギリ体を沈ませ、避けた所に蹴りがとんできたので、辛うじて兜割で受ければ、そのまま転がされる。
前回の大振りで一発当ててくる動きと違い、細かい動きの連続で翻弄してくる。
全体のスピードで見れば自分の方が早い筈だが、避けられる事を前提に次から次へと攻撃を繰り出してくるのだから、たちが悪い。
何とか攻撃を当てたい、防御の上からでも今回はダメージを与えられる事が分っているのに、隙が無い。
左右に体を振り、フェイントをかけつつ回り込む様に攻撃をしかけてみても、剣で受け止められる。
急激な動静をかけた踏み込みで、一回相手の攻撃をすかして、何処でもいいから一発当てようとするも、
小手で受けられる。
小手に当たったとは言え、内側に拳を捻りこみ、固めた前腕で受けられれば、大したダメージにはなっていないだろう。
しかし、諦めずに体ごと横に捻り、回転打ちで振っても今度は片手半剣で受け留められる。
硬直が出なかった所から、ブロック使いではないのだろう、不幸中の幸いって所か。
体を屈め足を掬うように斬り付ければ、
地面を思い切り踏み込み、屋根を抉って足を突きたて、金属の塊のようにプレートで覆われた腿外で受けられてしまう。
そして、同時に振るってきた拳で殴りつけてくるが、流石にそれは避ける。
まじで、隙が無い。硬い金属鎧で攻撃を受けきる事に慣れている。
多分金属鎧でのガードスキルでもあるのだろうか?
まあ、剣でブロックできる自分がずるいと言えるものでも無いか?
考えている内に頭上で長大な剣を回し、発生した遠心力を殺さないように、思い切りこちらに水平に剣を叩きつけてくる。
さっと2歩下がり避けたところで、
相手はその勢いそのまま体ごともう一回転し、追いかけてこちらを攻撃してくる。
両手で兜割を構えて受けるも、衝撃に体が止まる。
しかし相手も硬直が発生し、動きを止めた。
自分が動きだせば、相手も動き接近距離で鍔迫り合いが発生。
剣と兜割で押し合うが、結局両手で剣を持つ相手に押し返された。
変に堪えて、追撃をくらってもつまらない、大きく転がって間合いを取る。
すると、骸骨将軍がこちらを指差してくる。
何のことだ?と後ろを振り向くが何も無い。
少し、考えていると、どうやら背中の宝剣を抜けってことらしい。
邪神の尖兵相手でも無いのに、抜かないでしょ?
まあ、咄嗟に抜いちゃった事が無い訳じゃないけど、そうそう使っていい物じゃ無い筈だ。
しかし、宝剣の柄に手をかけようとすれば、それだと言う様にうなずく骸骨将軍。
まあ、相手が良いというのだから使ってみるか、このままじゃ負けそうだしな。
と言うか相手の方が実力的に上っぽいし制限かける方がおかしいか。
兜割を鞘に納め宝剣を抜けば、若干身体能力にバフがかかる。
じゃあ、アレ使ってみますか、ここまできたら出し惜しみなしだ。
<青蓮地獄>
体に白いエフェクトを纏う。そのまま宝剣の切っ先を足元の屋根に突き刺し、
凍剣術 獄霜界
広い屋根全体を霜が覆い、空気中の湿気が凍りつき、キラキラとした極小の氷片が舞う。
走って間合いを詰めれば、将軍が迎え撃つように剣を振ってくるが、遅すぎる。
少し頭を下げ低い体勢から足のグリープの継ぎ目を叩き、
片足が浮いた所で、相手の後ろに回りこみつつ、体重がかかっている方の膝裏を斬る。
体重に負け足を折り膝をついたところで、兜と鎧の隙間を剣で突く。
膝をついたまま振り返る様に水平に剣を振りぬいてくるが、一歩踏み込み、クリーンヒットを避けながら横に振る腕を縦に上から叩き斬り相手の攻撃を妨害する。
相手が振り切れなかったところで、もう一発首をぶった斬り、
そこで、獄霜界が切れたので間合いから出る。
それと同時に剣に精神力を貯め始め、
相手がゆっくり立ち振り返ったところで、剣を振り光の刃を飛ばせば、骸骨将軍に当たり、決着がつく。
骸骨将軍が仰向きに倒れた所で、小柄なローブの骸骨が近寄りしゃがみ、将軍の肩に手を添える。
そして、自分に歩み寄りどこかで見たような玉を渡し、また将軍の横に屈みこむ。
骸骨将軍は空を見たまま顔の骨を笑うように鳴らし、
そのまま骸骨達の姿が薄れ消えていく。
がしゃどくろもいつの間にか消えていた。
頭にいつもより豪華なファンファーレが鳴り
クエスト発見者
指揮者討伐
強者討伐
砦占拠
今回はこの4つ。
定番のメダルはやや大きく今回は手の上から消えない。
多分これが千人長の勲章って事になるのかね。
もう一つはアーマーかな?
ぱっと見は骨。完全に肋骨と鎖骨の様に見える。
外套の下には装備出来ないが、ベルトとは互換性がある。
更にもう一つは骸骨のヘルム 頭蓋骨モチーフとしか思えないヘルムだ
最後に黒い旗、何に使うか分からないが、黒くて禍々しい旗だ。
試しに着てみれば、悪の下っ端戦闘員か???