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234.大砦防壁越え

 ■ 骸骨 ■


 本ゲームにおいてアンデットに分類される魔物は多くいるが、

 骸骨タイプは【王国】死者の平原を中心に蔓延っている

 遠い昔の戦争で亡くなった者達のなれの果てであるが

 騎士を始めとするクエストで現れる護国の将軍は

 死してなお【王国】を守るために存在し続ける


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////


 さて、大砦の壁を越えねば、進まない。


 梯子を掛けようにも壁に穴を空けようにも壁に取り付けない事にはどうしようもない。


 しかし、この場で一人だけあの壁上に行けるのが、自分だ。


 コレだけの大人数を率いるのだし、本当はもう少し指揮に集中したいが、やむを得ない。


 「よし、やるか!『行くぞ!』」


戦陣術 激励

戦陣術 戦線維持


 一気に壁に向かい走り抜ける。


 降ってくる矢は避けながら無視する。


 最早ただ降ってくるだけの矢など自分の足を留めるには物足りない。


 そして、丸太が降ってくるギリギリの位置で、思い切り跳ぶ。


 飛蝗ジャンプで跳べば城壁を下に見る。


 そして、壁上に着地すれば、自分を中心に波うつエフェクトが発生し、近くの骸骨達が吹き飛ぶ。


 手近な骸骨を斬りつければ、骨が砕けて倒れ伏していく。


 法術の効果かはたまた殴打系武器と骨の相性がいいのか、もしくは両方か。


 景気良くばらばらにして吹き飛ばしていく。


 「【帝国】兵及び攻城兵器部隊は上がって来い!そして、拠点を壁上に構築。

 【鉱国】兵は壁上拠点の下を穴空けて突っ込め!【砂国】兵もそれに続いて、壁内乱戦と行こう!」


 ガツガツと骨を倒している内に、金属鎧の少々強者風の骸骨が現れ、他の骸骨は少し下がりこちらの様子を見るようだ。


 武器は大きなメイスと金属の逆三角形の中盾。身長は自分の頭一つ大きいといった所か。


 まずはこちらから先制し思い切り振りかぶり斬りつけると、当然の様に盾を前に出す金属鎧の骸骨。


 それは流石に読んでいる動きだ。下手に盾に当てれば硬直をくらうかもしれない。


 剣の軌道を変えて、足を開きつつ背を屈め、相手の足を切り払う。


 骨には特効状態の自分の剣だ。一発で体勢を崩す相手。


 重いメイスに引っ張られるように腕を伸ばしきった所で、剣を肘裏の関節に叩きつける。


 メイスを取り落とすと同時に、中盾で殴りにくる相手、


 一歩押し戻される。


 また、盾を前に構えこちらの攻撃を警戒している。


 今度は真っ直ぐ突きに行けば、


 相手は体を丸め硬くし、盾の裏に隠れる。


 盾に当たるギリギリで跳ぶ。


 遥か上に自分がいることになぞ気がつかず、きょろきょろしている相手が見える。


 相手の後ろに着地すれば、衝撃に吹き飛ぶ相手。


 転がった所を追いかけ斬りつける。


 しかし、転がりながらも盾をこちらに向けながら立つ様は流石だ。


 だが、もう相手の武器は自分の後ろ。盾しかない相手をどう追い詰めるか。


 壁上の通路は意外と広い。ヒトが三人は通れるくらいの広さはある。


 左右にフェイントをかけつつ間合いを詰め、盾を掠めるように後ろに抜ける。


 自分の方に振り向くと同時に、自分も相手に振り向きつつ兜割で斬りつける。


 完全にタイミングも振る位置も勘だが、


 少しでも相手が振り向くより早く、


 それだけを考え、思い切り振り抜けば、盾の縁に当たり、盾をはね飛ばす。


 辛うじて、盾から手は離していないが、構えなおす前に盾を持つ腕を斬り、盾を持った手も部位破壊し。


 動きが鈍った所で、更に後ろに回り、兜の上から頭蓋骨を叩き潰す。


 そして、金属鎧の骸骨は崩れ落ち、動かなくなる。


 そんな戦いのうちに徐々に【帝国】兵が壁上に登ってきている。


 そして、壁上を制圧するスペースを広げ、更に登ってくるスピードが上昇する。


 さらに、足元から大きな振動を感じると、どうやら【鉱国】の【壊し屋】も壁破壊を始めたようだ。


 【帝国】の【弓兵】達が壁上から壁内に並ぶ骸骨達に頭上から矢を降らせる。


 【森国】とは違い、タイミングを合わせ、文字通り矢の雨を降らせ。確実に誰かしらの矢を当てに行く。


 「いやぁ、一時はどうなるかと思ったら、さすが隊長ですよね~。アレだけの数の骸骨を制圧して、登り口を作っちゃって。さらには壁上の責任者っぽい奴まで倒しちゃうんだもんな~」


 「いいから、壁内の相手を減らしてくれルーク。もうすぐ【鉱国】兵たちが突入してくるぞ」


 「了解!任せて下さいよ」


戦陣術 斉射


 一斉に矢が壁内に降り注ぎ、骸骨達が倒れ伏していく。


 身の回りを任せられるようになったので、辺りを見回すと、


 平原で【馬国】兵と【王国】兵が戦っているのが見える。


 流石に【馬国】兵、平原の機動力では完全に圧倒しているようだ。


 確か、馬に乗った状態が【馬国】兵の本領の筈だし、もうちょい士気上げておいて、自由に術使える様にしておくか。


 「よし、まずは外壁を突破だ。このまま内部に踏み込む『いくぞ!』」


戦陣術 激励


 壁上から壁内に降りる階段まで制圧が進み【帝国】兵が降りていく。


 自分はもう少しこの周りが見える場所を維持しようと思う。


 壁内はまず広場、そこの骸骨達は矢の雨を降らせ大分減らした。


 奥には建物が複数。


 多分中央の一番大きな建物が多分決戦場になるんだろうな。


 兵たちが広場を抜け、中央の建物に続く大通りを進んでいると、


 突然大きな爆発音と共に道の両側の建物が崩れ道を塞ぐ。


 幸い、潰された者はいないようだが、一筋縄ではいかないようだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 久々に登場の帝国兵の部下 [一言] ものぐさな隊長の世話をこれでもかと焼くルークというのをまた見てみたいと思った 隊長の直属兵達は久しぶりの隊長の指揮下で自然と士気上がってそう
[良い点] 懐かしいNPC [一言] ただし最初から読み返さないと結構キャラの名前忘れてる
[一言] もし壁を上がる動きが、 (跳び上がるでのはなく)4足歩行とか、もう少し人外の動きなら、 アマゾンとかの方になりそうだ(笑)
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