231久しぶりの勝手にジョブチェンジ
■ 上級固定職 ■
通常スキルセット枠は7つとなっているが
固定でもう一つ枠を作ることが可能である
一定のクエストを攻略する事で
特殊な別枠によるセットが可能である
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
久方ぶりの【兵舎】は何も変わらない。そりゃあそうか。
入ってすぐにいつものスキンヘッドのおっさん兵長。そして幕僚総監。
嫌な予感しかしないし、先にクラーヴンの所にでも行ってくるかと思いきや。
「おう、待ってたぞ。氷宝樹に依頼の完了を伝えてからこっちに来るのは感心したぜ、成長したな」
「そりゃあ、ヒトのお偉いさんと違って本当に世界の管理を任されてる存在ですからね。何が偉いのか分らないヒト達より優先でしょ」
「ははっそりゃあそうだ!お前さんはやるべき事を良くやった。色々話は聞いてるが大よそ問題は無い。後はお偉いさんたちが片付けてくれるさ、その為に偉いんだ」
「そうですね、話はちゃんと聞いていますよ。宝樹の件の他にも【王国】や【教国】も回ってこられたとか、過不足無くさらに次に要請すべき件もこなしている。言う事無い結果ですね」
「そりゃあどうも。皇帝陛下には会いに行きませんよ」
「それは残念ですが、元々公に出来ない件で単独で国外を回り、問題を治め、事なきを得て帰還した者にこちらから文句を言えたら顔の皮の厚さで、仮面が作れますよ」
「んじゃあ、ちょっと疲れたし、流石に休暇って事でいいですかね? 自分としては<ダガー>の扱いと<殴剣>の扱いを考えつつ、次に取得するスキルの事も考えたいので」
「ふん!熱心な事だな。悪い事じゃないし、少しの間自由にさせてやりたい気持ちはあるが、もう一件片付けてきてくれ」
「ええ~なんすか~? 休暇じゃないんすか~?」
「急にくだけるなよ。幕僚総監殿もいるってのに、実は死者の平原にアンデットが大量発生したらしい」
「したらしいって、自分この前100人程相手にしましたけど」
「今回はそんなんじゃない1000体規模だ」
「誰かの下で指揮取れって事ですか? まあいいですけど」
「いや、お前さんが指揮取れって事だが?」
「無理じゃん!何言ってるんですか? 自分はしがない中隊長で、宝樹の件も終わったんだからただの【士官】ですよ?」
「まあ、そうなんだが、1000人相手となると中々率いれる者がいなくてな」
「なんでですか?将軍とかなんとかいるでしょうよ! 1000人て言ったらそっちでしょうよ。自分関係ない」
「いや、1000人だぞ? あのなよく考えろ?都レベルの有事で100人出るんだぞ? 1000人てどういう事か分るだろ?国レベルだ。そりゃあ各国精鋭1000人隊位一つか二つかあるだろうよ。でもそれは国を揺るがす大事に使われる虎の子で、普通は1000体規模の魔物はそれぞれの国から援軍が出るのが普通だ。
つまり、各国の【兵士】達の特徴を掴んで運用できる奴じゃなきゃ務まらないんだ」
「だから、なんですか? 自分より1000人率いるのに向いたヒトいくらでもいるでしょうよ」
「いや、お前さん宝樹様の件終わって暇だろうと思って、受けておいたから」
「なんでですか! 受けておいたって誰にそんな事言ったんですか?」
「いや、皇帝陛下から世界の代表に向けてに決まってるだろ?」
「だから、何が偉いか分んないっての!! 自分に1000人率いれって、何考えてるの?」
「まあ、そう言うなって、お前さんは今から【上級士官】だ!! これで1000人率いれるな。じゃあ、行ってこい」
「えー!ひでぇよ!過去最大に酷いよ! また勝手に【上級士官】だ!!とか、せめて剣作り直しつつ新たなスキル取ってからにすれば良いのに!」
「まあ、落ち着いてよく考えろ。出世すればするほど、過去最大は更新されていくもんだ。諦めてアンデット1000体倒して来い」
「何それ~アンデット1000体そこらに転がってるならいくらでもやるけどさ。向こうも死に物狂いで攻撃してくるじゃん、何なら死を恐れずに向かってくるじゃん。それを1000体って何さ」
「安心しろこっちもちゃんと考えて編成してる。お前さんの知る100人隊を各国から、更に【馬国】は馬を付けて100人増える。つまり【馬国】の本領発揮だ。平原じゃ強い事請け合いだぞ。更に【帝国】からは攻城兵器隊が100人」
「はい、ちょっと待った! 攻城兵器って完全に城攻めじゃん。10倍の兵力が必要だよ? 相手1000人だからこっちは一万人だよね?」
「まあ、そこは何とか1000人でやってくれ。続けると【鉱国】から【壊し屋】100人だ。コレだけいれば相手の要塞を破壊して侵入するのに手が足りないって事は無いだろう」
「手じゃなくて、こっちの器が足りないっての! 何?急に1000体って!先に200とか500とかからやれば良いのに」
「まあ、なんだ? 世の中ままならない事の方が多いんだ。諦めろ」
と、まあ兵長談だが多分自分が中隊長として十分経験を積んだから、次ぎのステップだよって事だろう。
諦めて王国に向かう事にする。