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230.【帝国】帰還

 ■ 青蓮地獄 ■


 嗢鉢羅うばら地獄 八大地獄と呼ばれる一般的な熱地獄の隣

 八寒地獄の第六

 全身が凍傷のためにひび割れ、青い睡蓮のようにめくれ上がる事から青蓮地獄と呼ばれる。


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////



 【帝国】西側の港街に辿り着く。


 海路の物資が出入りする【帝国】内でもかなり賑やかな場所だ。


 そこの【営業所】で荷物を下ろし、自分は【古都】に向かう。


 海路船の上では本当に何も無くて気楽なもんだ。


 やたら高級品を運ばされたが、特に積荷に問題はなく。生糸も捌いたらお金は【古都】の【兵舎】に預けておいてくれるらしい。


 【古都】に向かう途中、大河沿いのセーフゾーンで一人の青年?が焚き火にあたっている。


 あからさまに薄着で、何か特殊なスキルでもなきゃ、絶対寒冷デバフを食らうだろうに。


 何となく途方に暮れて火に当たっているようにも見えたので、ちょっと話を聞いてみる事にする。


 「隣いい?」


 「え?あ?どうぞ」


 そう言って、目をそらしつつ火に当たる青年


 自分も思わず、大河の方を向いて地面に座る。


 「そんな薄着じゃ、寒冷デバフで大変じゃない?」


 「いや、戦闘で装備が壊れてしまって」


 「ああ、そういうのあるよね」


 なるほどね、代わりの防寒具とか持ってなかったのか、運の悪いことだ。


 「お酒は?」


 「いや、未成年なので」


 ふむ、お酒で暖をとるのは無理か。じゃあ、折角だし焚き火を借りてなんか作りますか。

 

 まあ、体を温めると言えば、定番の生姜だろう。


 鳥肉をミンチにし、丸めて肉団子を作る。


 葱を刻んでおき、お湯を沸かして、鶏肉と擂った生姜、塩を入れる。


 鶏出汁が出て味がまとまったところで、刻んでおいた葱を入れて、ジンジャースープの出来上がりだ。


 カップに注ぎ渡す。


 「はい、生姜は大丈夫?」


 「え?ええ・・・」


 そう言ってカップを受け取るので、残りを自分用にして、飲む。


 青年も自分が飲んだ事で安心したのか、飲み始める。


 飲み干してから自分の左手を確認すれば、ちゃんとバフが出ているのを確認し、立ち上がる。


 「飲み終わったカップは投げれば、霊子に代わって消えるから、バフ付いている内に街に入りな」


 それだけ言って、立ち去る事にする。あまり人に恩を売るような事は好きじゃない。


 仕事で雇っているだけで、お前らの家族の生活の面倒を見てやるんだとか言う、社長を思い出す。


 折角の【帝国】なんだ、久しぶりの深雪を味わうのに無粋な事は忘れよう。


 〔八岐の外套〕のポケットに手を突っ込み、大河沿いを歩く。


 【古都】に着けば、先に兵長かはたまた宝樹か、迷う所だ。


 まあ、でも宝樹が先かな?全部終わってから報告するのが良いだろう。


 そして、渓谷の洞窟に向かう。


 流石にスライムが復活するようなことも無く、久しぶりの小高い丘の上に一本だけ立つ透明の木


 【帝国】にしては珍しく晴れた日、妙に煌き、降り積もった雪が枝からはらはらと落ちる度に虹色に光を反射する。


 『お久しぶりですね。その背中の宝剣から発せられる力で分ります。無事兄弟達の元を尋ねてくださったのですね』


 「まあ、無事とは行きませんでしたけど、解決しましたし、皆元気ですよ」


 『そうですか、朗報をありがとうございます。それでは報酬を与えましょう。こちらに来て幹に触れて下さい』


 「霊宝樹様からも貰っちゃったんですが?」


 『それは多分宝剣の完成に伴う報酬でしょう。世界の兄弟達の様子を見てくる事は私の依頼です。気にせず受け取りなさい』


 というので、氷宝樹に近づき幹に触れる。


 『あなたの主武器及び主戦闘スキルは<剽剣士>で間違いないですか?』


 「ええ、そうですね。まず外さない主スキルです」


 『ではあなたの<剽剣士>を<氷剣士>としましょう。<氷剣術>は<青蓮地獄>と変わり、合成されます。さらに5つのスキルを兼ね、上級固定職スキルとして別枠にセットされます』


 「上級固定職ですか?しかも5つのスキルを兼ねるって」


 『後は【教会】で確認されると良いでしょう』


 後、青蓮地獄って、ガイヤの使ってた焦熱地獄の仲間か?


 「えっと<青蓮地獄>って氷剣術の効果が、上がったりするのですかね?」


 『スキルを使用すると精神力の自然回復が止まる代わりに冷気を纏う様になります。術全般に対する耐性。触れる相手に確率で凍傷及び睡眠。術全般の威力及び効果範囲の拡大となります」


 尋常じゃないな。ガイヤもこの手のロングクエストクリアしたって言ってたし、あの時勝てたのはどう考えても10回中1回をたまたま引き出せただけなんだろうな。


 「なんか、凄い報酬ありがとうございます」


 『良いのです。その力を使って邪神との戦いを少しでも有利に導いて下さいね』


 そこで、会話が終わったので【古都】に戻り【教会】で確認すれば、


     <氷剣士>


   <不動心><>

<防衛域><野泊者><探索者>

   <古樹><越障者>


 控え

<ダガー><威圧><採集><擒拿術><軍率士><殴剣>



<氷剣士>が一個離れてる。どうやら別枠で強制セットされるらしい。他のものに変えることは出来ない。


さらにアビリティをセットしなおさなければならなかったので、


()()()()()

()()

()()


()()ってのは初めて見たが、どうやら冷気系デバフの威力や成功率を上げるもので、さらには防具の上からでもデバフと冷気系ダメージは乗せていけるらしい。


貫通ダメージ能力があまり無い自分の<小剣>には大助かりだ。


さてと、次は兵長に報告かな。


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― 新着の感想 ―
[一言] ゆくゆくは紅蓮、大紅蓮へと……
[気になる点] スキルは殴剣を着けたのかな
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