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220.三羽烏

 ■ 隠れ里 ■

 

 【森国】樹海の奥地にある町

 【隠密】になりたいものが訪ねてくる場所だが

 何の情報も無くプレイヤーが単独で辿り着くのは非常に困難である

 【隠密】のNPCを見つけて連れてきてもらうのが一番現実的であろう

 ただし、相当日数を樹海で過ごさねばならないので、十分な準備と根気が必要になる


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 まあ、始まってしまったものはしょうがない。なんだかんだ嫌いじゃないタイプの連中だ。ゲーム本気で楽しんでるだけって感じするしさ。


 「では、こちらから行くぞ!忍法!変わり身の術!」


 「それって攻撃された時に丸太とかと入れ替わる奴じゃん」


 忍法って言った割に何もしてこない。寧ろ全然動かないぞ・・・?


 まさかな?剣を抜き剣先を空に向ける。


氷剣術 纏霧


 この前手に入れた術を使用し、周り一帯に霧を漂わせ、視界を潰す。


 そして、静かに動きながら、視界を<索眼>で切り替えれば、さっきまで立っていた場所とは別に動く、人型の熱源。


 身代わりの術はどうやら<擬態術>で案山子か何かを出して、更に姿を誤認させてるといったところか、ついでに実際に動く当人たちの姿も隠すなんて、術の使い方がうまいな。


 しかし、適当に動き回っているように見える辺り、完全にこっちを見失ってるな。


 あっ!ぶつかった。二人がぶつかって、何か混乱してるので、残る一人へ攻撃を開始する。


 静かに近づき、心臓を貫く。


 急所判定が発生し、動きが止まったところで、剣を持ち替え。


吸う右手


 さらに、左手でもう一発突く。


 硬直が解けたところで、振りほどかれる。


 そして、逆手に持った短い刀で斬りつけてくるが、視界の悪さからか、間合いが完全におかしい。


 軽くいなして、首を斬る。


 「かはっ!」


 身代わりの術以降聞こえなかった声が聞こえる。


 そのまま、目の辺りも擦り斬る。目を斬れたかどうかは流石に自分も分らない。未だに相手は熱の塊にしか見えてない。


 相手は忍を名乗るだけあって、軽装だった筈だ。強引に斬り付けていく。


 まずは縦に一線、横に一線、袈裟切り、切り上げ。


 その内に光の粒子に変わる。


 そして、霧が晴れたところで、視界を戻す。


 さっきまで、混乱してた二人は丁度光の粒子になった仲間を見て目をむいていた。


 「次はどんな術で来るの?」


 「に、忍法火遁!火球!」

 「忍法風遁!風玉!」


 火と風の玉を撃ってくるので、剣を持ち替え、


吐き出す左手


 熱閃で二人の術をかき消す。


 っていうか普通に<精霊術>じゃないか!なんかまた工夫した術が出てくるのかと思った。


 熱閃の光で目がくらんだ二人に近づき、片方の首を斬れば、急所判定で硬直が発生するので、掴む。


吸う右手

 

 吸収する。そしてもう一人が慌てて自分に攻撃してこようとした所を


武技 身代わり


 仲間を攻撃させる。


 狼狽している所で、もう一発斬りつけ間合いを取る。


 二人が、何か話し合い、次の手が決まったのか二手に分かれ自分を挟むようにやや遠巻きに立つ。


 「忍法!分身の術!」


 そういうと二人の隣にそれぞれ同じ姿の人物が現れる。


 そして今度はちゃんと動いている。とは言え、隣にいる自分の物まねのようだが?


 これこそ自分の姿を消して誤認させる技じゃ?


 しかし、4人に挟まれていると中々圧迫感が出てきた。


 「更に多重分身の術!」


 更に一人づつ人影が増えたが、こっちは動かない。多分最初の奴だろう。


 そして、二人と人影が一斉に攻撃してくるので、剣を地面に突きたてる。


氷剣術 霜界


 一斉に動きが遅くなった所で、敵のうち一体を斬る。


 「真・代わり身の術」


 斬ったのは、案山子だった。見るとさっきの動かない方の分身が動いていた。


 多分案山子と位置を入れ替わる技だったのだろう。つまり元の案山子がいた場所にいるのが本人だろう。


 って言うか真も何もこれが身代わりの術じゃないか!


 「身代わりの術・戒!」


 戒ってなんだ?!カッコイイ!!


 すると自分の近くに置いてきた。動きを真似るだけの分身が攻撃してきた。一応殺気を感じたのでブロックすると、硬直する。


 とりあえず、硬直した方は置いて、もう一人と間合いを詰め斬る。


 「真・変わり身の術」


 案山子を切り捨てる。


 今度はそのまま元々案山子のいた所まで走って間合いを詰め、速攻斬る。


 さっさと、かたをつけるべく、ガンガン斬りつけ、腹に剣を突きたて


氷剣術 紅氷華


 氷片に変えて、倒す。


 硬直が解けて向かってきた最後の一人も、もう切り札は無いのか、そのまま逆手に持った剣で攻撃してきたので、再びブロックで硬直させ。


 滅多切りにして、倒す。


 正直な所もっと、忍具とか使って欲しかったし、口寄せとかロマンなのにな。


 後は影縛りとか幻術とか絶対いいのにな~。


 そんな事を考えていると死に戻った三羽烏が再びこちらに来た。


 「あんた中々やるな。猿飛佐助と風魔小太郎と服部半蔵は埋まってるから、他なら名乗っても良いぞ!」


 「氷の忍か・・・有りだな。もっと氷を使った術は無いのか?」


 「いや、氷じゃなくともあの霧を生み出す術とか、地面に霜を発生させて動きを阻害するとか、分ってるじゃないか!そういう事なんだよ」


 「さらにはあの身軽ですばやい身のこなしだな。あっという間に間合いを詰められたり、外されたり。攻撃チャンスが全然なかったぞ」


 「そう言えば、あの頭領についてきて樹海を抜けてきたんだもんな。只者じゃないわ」


 「剣のサイズも中々だな。そういう携帯しやすい武器を使っている辺り、ポイント高いぞ!」


 とまあ、やんややんやと忍基準の話をしてくるが、自分は別に忍になる気は無い。


 忍者自体はロマンだし、好きではあるがな。

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― 新着の感想 ―
[一言] 飛び加藤とか霧隠れ才蔵かな
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