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217.殿飛蝗

 ■ 殿飛蝗 ■


 【森国】で蝗害が起きる際、巨大化する飛蝗の中でも稀に現れるサイズである

 基本的に飛ぶ、跳ねるしかできない飛蝗達の中でも戦闘力が桁違いである

 ただでさえ大量に現れる飛蝗達に体力を削られ苦戦は免れないだろう


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

 


 「とりあえず、あれ降りてくるまでに罠仕掛けられる?」


 「は!すぐに仕掛けてまいります!」


 そう言って<木罠術>持ち達が一斉に種を植えて回る。


 急いでいる時ほど時間が経つのが早い、あっという間に飛蝗達が降りて来た為、こちらも集合する。


 先程と同じ、自分達は田畑の端に陣取り、正面に飛蝗を見据える。


 今回は巨大なレギオンサイズが一体と小さい飛蝗の2種類だけだ。


 正念場、前座は終わりって事だろう。


 極力横に長く横隊を組む。


 「この敵配置なら、囲み倒すよ『行くぞ!』」


戦陣術 激励


 それに対し、巨大飛蝗は長い羽をバチバチ鳴らし威嚇してくる。


 ダメージの無い衝撃に士気上昇を中和された。


 「よし、罠発動しよう!」


 「はい!では『解放』」


 一斉に爆発する罠。あちらこちらで爆ぜる小さい飛蝗達。数を減らした所で、隊列を動かしていく。


 まずは両サイドを少しづつ押し上げていく。敵ボスは田畑の丁度中央。まだ接触はしない。


 小さい飛蝗を削り、片付けながら徐々に隊列をV字に展開する。


戦陣術 鶴翼陣


 包囲陣形を発動するV字の間にいる敵に対して、殲滅力を発揮する。


 自分は手近な小さい飛蝗を吸収して、準備を整えておく。


 ボスを正面から見据え間合いに入る。巨大飛蝗が後ろ足を曲げ前傾になったところで、


氷剣術 霜界


 相手の動きを阻害する。相手の動きが遅くなった所で、一斉に攻撃する。


 自分も熱閃を撃ち相手の顔を焼く。弓兵の貫通力は相変わらず凄まじい、前衛もガンガン薙刀で切りつけていく。


 届く範囲が結局柔らかい腹なので、ダメージが蓄積していく。


 そこで、巨大飛蝗が飛ぶ。


 サイズ相応に遥か天空に飛び、そのまま落ちてくる。


 「個々に判断して避けろ!」


 正直どこに落ちてくるか分らない。自分で上を見て、判断するしか無い。


 相手が落ちてくるのに合わせて、少しでも離れるように走る。


 相手の着地と同時に、田畑の土が舞い上がり、更に自分を含め【兵士】達もさらには小さな飛蝗も飛ばされ、田畑の端に寄せられる。


 立ち上がりつつ近くに居た小さな飛蝗から吸収しておく。


 更に手近な小さな飛蝗も倒しておく。


 巨大な飛蝗に再び攻撃を仕掛けるために近づいていくとこちらを向いて、後ろ足を縮めて前傾姿勢になる。


 そのままこちらに向かって、直線的に跳んでくる。


 青い、空気の壁を突き破るエフェクトが広がり、避けるには間に合いそうも無いので、足を開いて腰をかがめ、剣を構えたが、サイズが違いすぎる上に多分ノックバック能力の高い攻撃なのか。


 やはり吹っ飛ばされる。


 立ち上がって、巨大飛蝗に向かおうとすると、今度は羽ばたき始め低空に浮く巨大飛蝗。


 低空飛行で田畑中を飛びまわり、ぎりぎり足先で田畑の土を巻き上げ時折【兵士】達を引っ掛けて引きずり倒していく。


 しかし先程の体当たりよりはスピードが遅い、近くを通り抜ける瞬間に顔に向けて、


吐き出す左手

 

 熱閃を撃ち、怯ませ地面に落とす。


 もう、隊列の何のと言ってられる状態じゃない。


 「個人でいけるタイミングでどんどん攻撃しかけよう『行くぞ!』」


戦陣術 激励

戦陣術 疎陣


 そのまま、攻撃を仕掛ける。


氷剣術 凍牙


 巨大飛蝗の下から剣を真上に突き上げると、このタイミングで新たな氷剣術が発動する。


 確かに真上に剣を突き上げた事無かった。


 自分の周りに冷たい空気が広がり、そのまま霧がかかっていく。


 うっすら影しか見えない濃霧が広がる。


 この状況で視界潰されてもな~。まあ自分が潰しちゃったんだが。


 視界を切り替え熱源で相手を確認し、そこらにいた小さな飛蝗を吸収し、補充し、普通に下から剣で巨大飛蝗の腹を突く。


 巨大飛蝗は視界を潰されて狙う方向を定められないのかうろうろしている。


 棚ぼたってやつか、追いかけて下からどんどん突き上げ刺していく。


 どれだけダメージになっているのか分からないが、まあ続けるしかない。


 しばらくすると霧が晴れる。


 どうやら【兵士】達も視界が潰れたらしく、手近な小さな飛蝗を狩っていた。


 視界が晴れると一斉に弓兵達が攻撃を再開する。


 巨大飛蝗はアグレッシブに跳び、また飛びまわり、前衛は吹っ飛ばされるだけになっている。


 そうなるとダメージは弓兵頼りだ。


 「もう、近接はきついから弓兵守るのに力を割こう」


 そうして、弓兵中心で攻撃を当て、相手が疲れ始める。


氷剣術 霜界


 地面に降りてうろうろし始めた所で、クーリングタイムが終わった霜界を使用し、動きを遅らせる。


さらに


吐き出す左手


 熱線で顔を焼き、一斉攻撃に移る。


 「よし、そろそろとどめだ『死中に活を拾え!』」


戦陣術 背水陣


 そろそろ体力の限界だ。一気にかたをつけたい。体力と言ってもゲーム的なものじゃない。完全に自分の集中力切れだ。


 全員ステータスが急上昇し、ダメージ量がグッと増す。


 相手は体を支えられなくなり、足が全部曲がり地面に腹をつく。


 そのまま、攻撃を続ければ、口から魔石が露出する。


 それを破壊すれば、巨大飛蝗の討伐が完了する。 


 いつものファンファーレが鳴り


クエスト発見者

ラストアタック

MVP


 の三つ、久しぶりのMVPだ。ダメージ量は弓兵の方が多いと思ったんだがな?


 一つはいつものメダル、手の上ですぅっと消えていく。


 二つ目は黒地に緑のラインが入った全身スーツ。足と手と顔は出ているが、今着ている奴よりは部分的に盛り上がって少し防御力がありそうだ。


 三つ目はブーツだ。全身スーツと合いそうな黒地に緑ラインのロングブーツ。


 しっかし疲れた~数がひたすら多かった。


 一先ず館に引き上げる事にする。

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― 新着の感想 ―
[一言] ほう、変身ベルトの次は全身スーツですか… これは騎乗スキルをとったとしても馬などというちゃちいものに乗ってる場合ではありませんね?
[一言] 飛蝗で全身スーツということは、 仮面ライダー系に近い装備なのかな?
[一言]  中隊長級ケントリアの称号。全国達成ボーナスも欲しいところです。コンプリートしたら何かおまけが付いてきてもいいでしょう。
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