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215.【森国】飛蝗駆除

 ■ 蝗害 ■


 魔物化し、サイズの大きくなった飛蝗による農作物や家畜に対する災害

 群れて空を飛び、次から次へと主に田畑を狙って移動する

 ひたすら数が多く駆除に手を焼くことになる


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////



 どうやら、大鎧の人は一人らしい、というかここの代官らしいので、館で待機してもらう。


 一応武家で戦闘能力もあるらしいが、流石に自分の指示に従ってもらう訳にも行くまい。将軍の直轄領の代官てどんだけ偉いんだって話だ。


 腹当だけの軽装兵はどうやら弓使い。腹巻の少ししっかりした武装は前衛タイプ。


 そしてやはり基本乱戦らしい。


 しかし弓は一斉に撃つタイプではなく、スナイパータイプらしい。集団で雨のように降らすタイプではなく、一人一人が十分に狙って撃つらしい。


 田んぼの方に出て行くと、当然ながら畦道では入りきらず、田んぼの中に入り込む事になる。


 まだ収穫前らしく踏み荒らすのは気が引けるが、飛蝗で全て駄目になるよりは良いだろう。

 

 しかし、足場が悪いにも程がある。水が入っていない事だけが救いだ。


 すると空が暗くなり、見上げれば雲というにはあまりにも散り散りの何かの集団がこちらに向かってくる。


 いっそ、ガイヤがいれば焼き殺してくれるんだろうがな。あのパワーアップの奴使って、焼き尽くしてくんないかな~


 なぞと考えているうちにこちらに急降下してくる。


 そして、降り立った飛蝗達は犬くらいのサイズはあり、色は白い。


 普通蝗害の飛蝗は長い距離を飛ぶために羽が長くなって、色は暗い色になって凶暴化するって聞いたけど、そんな事ない?


 この飛蝗達は白い、とは言っても神秘的な白じゃない。葉っぱに班が入るようにまだらな白。


 完全に囲まれる。


 四方八方に飛蝗達が密集し、こちらを見てくる。


 時々動く触角が気持ち悪い。


 内側に弓兵を配し、薙刀を持った前衛を外に配置する。


 完全に囲まれている以上、まずは耐久戦かね。と腹を決め戦闘に移る。


 「まずは、敵の数を減らそう『いくぞ!』」


戦陣術 激励


 士気を上げると同時に、何かが爆発する。


 思わず、振り返ると連続で爆発音が聞こえる。


 「え?なに?この爆発」


 「我らの埋めておいた罠が炸裂し始めた音です。この場なら安全なので、少し耐えましょう」


 うん、自分が何かする前から罠とか仕掛けていたらしい。


 その後もあちらこちらから爆発音が聞こえる。


 慣れてくると所々白煙を上げているが、飛蝗をいくらか爆発四散させているようだ。


 すると怒り始めたと見える飛蝗達が一斉に空中に飛び上がる。そして大きく伸びた羽で飛ぶ。


 サイズがサイズなだけにえげつない。空は暗くなり、頭を掠めるたびに気持ち悪くて、首をすくめてしまう。


戦陣術 円陣


 まだ動けそうも無いので、攻防上がる術をかけ、ぼちぼち反撃を始める。


 弓は飛んでいる敵を、近接は手近な敵を片っ端から斬りつける。


 精々犬程度のサイズなので、斬れば倒せる敵だ。徐々に減らしていく。  

 

 ふむ、まだ始まったばかりだが、良い感じの滑り出しだ。


 時々、勢いつけて飛び込んでくる飛蝗もいるが、まあ対応可能な数だ。


 そうして、数を減らしていると再び飛来する飛蝗。


 先程までよりも大きい、人サイズの飛蝗。色も白と緑の斑から緑部分が枯れた黄色に変わっている。


 そして、一匹の人サイズの周りに4体の犬サイズが集まり、何となく5匹一組を作りながら、周囲を取り囲まれる。


 多分人サイズが5人長ポジションであろう。


 「弓兵は大きいのを狙おう。近接は手の届く範囲で攻撃、時間稼ぎ。まだ、混戦しなくて済むなら、突き主体で耐えて行こうか」


 そう指示すると同時に敵が一斉に襲い掛かってくる。


 とは言え先程から飛蝗の攻撃は体当たりのみ。小さいやつらは飛んでくるタイミングを見計らい、薙刀を構えるだけで、敵から刺さりに来る。


 そして、人サイズを弓で狙い撃ちにして、じわじわ数を減らしていく。


 そんな中、小さい4体を囮に、撃ちもらした人サイズ飛蝗がこちらの円状の戦列に割って入ってくる。


 せめて盾持ちがいれば、耐えられただろうに、撃ちもらしたら即入ってこられる。


 やむを得ず、人サイズ飛蝗には自分が対応する。


 円の一番内側まで引き込み対峙するが、それなりに密集している円の中、敵からすれば動きづらく、自分からすればこんな所で暴れられたら、隊列維持に影響が出るしさっさと倒したい。


 正面から向き合い、まずは前足を斬る。細い前足は簡単に部位破壊になる。


 ぐらついた所で、すぐに目を突き、急所判定を成立させる。剣を引き抜く流れで、小さく振り回すように後ろ足に攻撃するが、軽くへこみを作る程度に留まる。


 再び動き出した人サイズ飛蝗は後ろ脚で立ち、前足と中足でこちらを掴んで来ようとする。


 しかし、逆に言えば柔らかい腹をこちらに見せる形になっている。そのまま顎下から腹を真っ直ぐ縦に切り裂く。


 中足で少し引っかかれる形になるが大したダメージにはなっていない。


 折り曲がった後ろ足の関節を引ききるように斬れば、今度こそ右後ろ足を部位破壊に持ち込む。


 これで、跳べなくなるだろうと。一気にラッシュをかける。斬るダメージ量や鋭さは変わらないのだろうが、何しろ体が軽い。連撃を加えて倒しきる。


 そして、敵もまた減ってきて数がまばらになってきたところで、更に大きな、人の2~3倍はありそうなサイズの飛蝗が現れる。


 そして、5体1組だった飛蝗達がその大きなボス飛蝗の周りに集まり、1体の大きなボス飛蝗に20体の飛蝗が集まる形になり、部隊を形成する。


 今のところジャンプ突撃のみの飛蝗。ひたすら数が多いだけだが、そろそろ流れが変わるか?

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 蝗の色が やっぱ赤いと速度も三倍とか [一言] ちゃんと集団戦仕掛けてくるとか下手なプレイヤーより蝗のほうが賢いゲフンゲフン
[一言] 5・20と来たから、 部隊単位で考えるとだいたいあと、50・100ぐらいなのかな?
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